出版社 : 三省堂
原民喜が「ひどい衰弱と飢餓のなかで」「ひだるい躯を石油箱の机に鞭打ち」「赤貧と窮死に追詰めながら」書いたと記す六編の小説。静かに物語られた「稀有な体験の紀念」を、あの日から七十五年を経たいま、ていねいに読み解く。
大学紛争後の荒廃したキャンパスで、英文学科教授ケイト・ファンスラーと地方検事補リード・アマーストの婚約披露パーティーが開かれた。その席上、社会人学部の廃止を強硬に主張していたカドリップ教授が倒れ、エレベータの不可解な事故も手伝って教授は息をひきとった。だが、調査がすすむにつれて、「事故」は次第に殺人の様相を帯びてくる。そして、あらゆる証拠があからさまにケイトの方を指さしている…。プロフェッサー探偵ケイトの人気を決定づけた魅力編。
ハーヴァード大学英文学科初の女性教授ジャネット・マンデルバウムは、危機におちいっていた。泥酔したあげく、大学内の建物にある浴室の中で、見知らぬ女といっしょのところを発見されたのだ。大学院時代、ジャネットと知り合いだったケイト・ファンスラーは、男性社会ハーヴァードにのりこんで調査をはじめる。しかしある日、男子トイレでジャネっトの毒殺死体が発見されて…。作家アマンダ・クロスが名声を確立した代表作。
長期休暇中のケイト・ファンスラーと夫のリードは、スカイラー大学のロー・スクールで授業をうけもつことになる。だがそこは、白人男性の権力欲と凡庸さと女嫌いの牙城だった。終身在職権をもつただひとりの女性教授にまつわる不隠なうわさ、教授だった夫を殺害した妻、そして暗躍する謎の老秘書。静かな学期を楽しもうというケイトのもくろみはもろくもくずれ去る。理想のカップル、ケイトとリードの結婚にも危機がおとずれて…。スパイ活動のテクニックを駆使、ツイストをきかせた不思議な味わいをもつ最新の問題作。
「ファンスラー先生、精神科のよいお医者をご存じですか」美人大学院生ジャネット・ハリソンが助けをもとめた相手は、英文学の教授ケイト・ファンスラーだった。ケイトは、かつての恋人で、今は精神分析医をしているイマニュエル・バウアーを紹介する。だがある日、バウアー医師の診療室にある寝椅子の上で、ジャネットの刺殺死体が発見されたのだ。バウアー医師の無実を確信するケイトにも、やがて大きな嫌疑がかかって…。ケイト・ファンスラー登場の記念すべき第1作。
冷戦の10代は終わった。本当の20代の話をしよう。ホーキングが語る宇宙のように、君と僕と東京はつながっている。胸の内に“ベイビーユニバース”を抱えたすべての人々に贈る。著者初のノンフィクション・ノベルズ。
湖畔の小さな町は帝都をゆるがすどす黒い陰謀の渦のなかへ…。だれが舞姫を溺死させたか?オランダの天才学者フーリックの世界的名作ディー判事シリーズ。大室幹雄の解説、「放浪する知識人」を附して贈る。
謎の骸骨の正体はだれか?老婆はなぜ復讐しなければならないか?なんと厳格な古代中国の「法」と刑罰。オランダの天才学者フーリックの世界的名作ティー判事シリーズ。大室幹雄の解説、「虎の妖怪学ノート」を附して贈る。