出版社 : 主婦の友社
十年ぶりに降り立った異世界で無事にルーナと再会できたカズキ。だが、黒曜という肩書の為に命を狙われてしまう。身の安全を守る為、アリスローク・アードルゲの家にかくまわれ、彼の女家族達と楽しい時間を過ごすことに。だが、娼館を襲ったものと同じ集団がアードルゲを襲う。戦争によって大切な人を失い続けてきたアードルゲにある、故人を偲ぶ唯一の絵を燃やさせるわけにはいかないと、カズキは自ら囮となって屋敷を飛び出した。捕らわれた先で地下室に閉じ込められたカズキは、謎の青年ゼフェカに出会う。彼はカズキの「いつまでここにいればいいのか?」という質問に「時代が終わるまで」と答えるのだったー。
妹と母を失い、殺伐とした生活を送っていた中畑蒼馬。ある朝、蒼馬は魔法と精霊の存在する異世界の村に召喚されてしまう。「雨をやませるために、水の大精霊の生贄になってほしい」。理不尽な願いと暴力を受けて湖に沈められた蒼馬は水の大精霊アイザンと出会う。そこで、行方不明となった妹も生贄として召喚され、殺されていたことを知る。蒼馬の人生を壊してしまった贖罪として、アイザンは大精霊の力を捧げることを決める。蒼馬は『水を支配する能力』をもって復讐を果たし、召喚魔法をこの世界から消し去ることを決意。そして、記憶喪失の超高位魔導士『ソーマ』として生きるのだがー。
「傭兵」。その勇ましい呼称とは裏腹に、この時代において最底辺とされる職業である。世界最高峰の教育機関である王立大学院の学生、ウィラード・シャマリ。将来の高級官僚、宰相を目指す彼のもとを、伯父である傭兵団長ガイアスバインが訪れる。その目的は、自らの傭兵団で事務長をさせることだった。彼は入団を決意し、王立大学院を休学する。しかし、そんなエリートに向けられる傭兵たちの目は厳しかった。「お前らが毎日パンと肉を食べるようにしてやる」。大勢の前で大見得を切るウィラードだったが、団の運営は想像した以上に破綻していたー。
戦時中のグラース国に転移した須山一樹は、年下の少年、ルーナ・ホーネルトと恋に落ちた。しかし、長かった戦争が終わった夜、気がつくと日本に帰っていた。それから十か月後。何の因果か、カズキは再び異世界にいた。だがそこは、敵対関係にあったブルドゥス国の王都。しかも、自分が消えた夜から十年が経過していた。行き場のないカズキは、偶然出会った少女リリィが経営する娼館で下働きとして過ごすことになる。二度目の異世界生活に慣れてきたある日、カズキはこの十年で名が知れ渡った「黒曜」という存在を知る。それは、終戦の夜に消えた異世界人の自分が、終戦の女神だと担ぎ上げられたものだったー。
17歳の日下部虎次が乗っていた飛行機が墜落。目を覚ますと、機内に一人取り残されていた。外に出た虎次は、事故から生き延びたのに、崩れてきた飛行機の翼に潰されて死んでしまうーかに思えた。が、虎次は機内で目を覚ます。それは死して生き返る能力、リスポーンによるものだった。非現実的な状況に混乱しながらも再び外に出るが、今度は異形の存在、魔物に殺されてしまう。またも機内で生き返った虎次は、ここが異世界であり、自分に異能が宿ったことを理解したのだったー。
どこか不思議で、すこし謎めいていて、いつか読んだような心に温かみを覚える短編集。美しい毛並みの毛虫に心奪われてしまった少女の選択は?素敵な声のかえると行く砂漠の旅の果ては?森の中に棲む大女の家の暖炉の裏から聞こえる声は…?いけにえを捧げる村の風習に抗おうとした一家の行く末は…?物語が、物語を越えて再帰する、新たな「物語」を紡いだ一冊。
格闘家である父の海外単身赴任をきっかけに、北海道から東京の高校「私立青嵐学園」へ転校してきた高校2年生、二宮ナズナ。父親ゆずりの強さで、地元でも恐れられる存在だったナズナは、転校をきっかけに過去のキャラを封印し、都会で洗練された学園生活を送ろうと誓った。…はずが、転校先のクラスは成績最下位、ヤンキー男ばかり!思わぬ事態に戸惑いつつも、いけ好かないイケメン・樋口一夜や、隣の席のカワイイ男の子・河合千尋などに囲まれて、これっていわゆる逆ハー状態?と思いきや、今度は不良チーム『昇龍』との対決や学園に潜む犯罪を暴く捜査に巻き込まれて…。憧れの新生活はいったいどうなる!?E★エブリスタ電子書籍大賞2013受賞作が大幅加筆修正で書籍化。
「旅する作家」「気鋭の女流写真家」「屈指のパーカッショニスト」書き下ろし小説+現地撮影写真+オリジナルCD。アフリカの大地に魅せられた3人のアーティストによるコラボレーション。広大な大陸に見た「幻想の王国」旅行記。
キューバの美しい海をバックに、自らに「沈黙」という抑制を強いた若きストリッパーが初めて口を開いた、その告白とは…。軽やかに、そして切なく踊るキョウコに、ルンバの強烈なリズムが絡みつく。その取材を通じ、ルンバのピュアなリズムに囚われた村上龍による書き下ろし小説。パーカッショニスト・YAS-KAZによるオリジナルCD。そして現地音源をCDシングルに収めたCD BOOKSスーパー・ヴァージョン。
殺戮と権謀に明け暮れた戦国時代に生まれながら、美と才をもって男の論理に抗した女性-細川ガラシャ。神への愛に自らをゆだねた清烈なその生涯を祈りとともに描いた著者初の歴史小説。
神に与えられた自然にふさわしく、人間もまた美しく創られたはずだ。だが、なぜ故なく人は傷つけ合わねばならないのだろう。愛し合いながら、ふとした運命のいたずらから、ついに結ばれることのなかった貴乃と孝介。大正末期から日本の敗戦に至る時代の波にもまれながら、二人がひたすら耐え、生き抜く姿を感動的に描く長編ロマン。
主人公の経産婦と新人類の初産婦がおりなす、ちょっぴりコメディータッチの体験小説。完全なフィクションでありながら、子宮に響くリアルな表現が、まるでマタニティー雑誌の生の声を読むようなナウい衝撃。NHKのテレビドラマ《お入学》の原作者が描く、これまで誰も触れなかった現代のお産事情。