出版社 : 光文社
遠く離れた塔から放たれた矢が密室の男に命中した!?パンク刑事十一年ぶりの復活作「誰が駒鳥を殺そうが」をはじめ、断崖絶壁の一本道で消えた子供達の謎「教祖と七人の女房と七袋の中の猫」、超能力者の子供ばかりが集う特異犯罪「超子供たちの安息日」ほか、「アリバイの泡」「鼠が耳をすます時」の全五編を収録。著者の全面改訂のもと、待望の初文庫化!
新聞記者出身の人気テレビコメンテーター・滝沢修也が何者かに惨殺された。一向に捜査が進まない事件は、ついに風見竜次たち警視庁特命遊撃班に任される。政官財の権力に立ち向かった被害者は敵も多かったが、滝沢の殺害にまで及んだ人物は浮かばない。暗礁に乗り上げたと思われたが、事件は意外な展開を見せる。衝撃の真相!癖になるシリーズ、一気読みの第六弾。
時は大正。消えた姉を追ってやってきた帝都屈指の歓楽街・浅草で、仙太郎は浅草六区を牛耳る男子禁制の少女ギャング団・紅紐団の長、操と出会う。家族より強い絆で結ばれ、厳しい団規に支配される紅紐団に仙太郎は女装して潜り姉を捜すが、その裏では彼の知らぬある企みが進行していた。最底辺の街を、時代を、生き抜け。少年少女らの生きる力が迸る、傑作長編!
日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作家によるアンソロジー第二弾!海野碧、両角長彦、石川渓月、川中大樹、前川裕の五名が「街」をテーマに競作。旧型ポストがある田舎の街から基地のある街、さらには新宿ゴールデン街までーその場所ならではの五つの「謎」。個性豊かな著者たちによる、バラエティーあふれる短編傑作集!
雨の音が聞こえる。冷たい手が伸びるー。アパレル店員として働く朱里には、隠し続ける「あの日」の過去があった。「あの日」が近づき、同じ過去を共有する典子が婚約の報告に訪れた。しかしその一か月後、典子は何者かに殺害されてしまう! 典子を殺したのは誰か。「あの日」に何があったのか。複雑に絡み合う真実の末に潜むのは、衝撃のラストー!
古着屋紅堂に、婚家先の大店から身一つで離縁された葉という女がやって来た。店主の新見真白は事情を汲み、着物の代金代わりに数珠を受け取るが、そこから九条實親と名乗る直衣姿の公達が!陰陽師によって数珠に住まう身となり、この世のものならぬ黒い怨念から、持ち主である彼女を守っていたのだという。成り行きで悪霊退治を請け合った真白だったがー。
将軍・家慶の公儀御庭番である菅沼外記は、老中・水野忠邦の命により佞臣・中野石翁を罠に嵌めるが、口封じのために水野に命を狙われてしまう。外記は試練を経て、水野とその配下の御目付・鳥居耀蔵の悪政を正す「闇御庭番」として生まれ変わる。家慶の密命を帯び、仲間とともに巨悪に立ち向かう正義の男。時代小説の醍醐味が詰まった傑作シリーズ、ここに始まる。
江戸を恐怖に突き落としていた集団・土蜘蛛党を成敗した元幕臣で兵法家の平山行蔵。江戸の一角に突如、不審な宗門「天水教」なる者達が現れた。奇妙な装束の集団は、一体何をしようというのか。行蔵たちは天水教を調べ始める。そして想像を絶する戦いの火蓋が切られた。当代屈指の武術研究家・長野峻也氏の原案。空前絶後の戦闘シーンが詰め込まれた白眉のシリーズ第二弾。
年の瀬を迎え、正月の準備に大忙しの両国米沢町。華やぐ町の雰囲気と裏腹に、町内に住む生真面目な大工・伊之助は、友人の建具師・孝次郎と足に障害を持つ息子の孝太にかんするある秘密を抱え、人知れず怯えていた。木戸番・杢之助は、彼らのためにひと肌脱ぐことにしたのだが、そこに謎の女の魔の手が迫るー。杢之助の強さと人情が魅力の、シリーズ第十弾!
サイクルロードレーサーの小林湊人が所属するエルソレイユ仙台に、梶山浩介が加入することになった。梶山は、16年前にヨーロッパに渡り、ツール・ド・フランスにも8回出場、世界のトップレベルで戦ってきたレジェンドだ。今季限りでの引退も囁かれていた梶山が、なぜ日本の、しかも新参チームに…。図抜けた実力を持つ梶山の加入でチームは、そして期待されながらもどこか抜けたところのある湊人は、どう変わっていくのか?
名古屋で今も活動を続けるオールディーズGSバンド、ジャンパーズ。平均年齢70歳に届こうかという“ご長寿”バンドだが、今でも熱心なファンに囲まれているし、演奏は円熟味を増して聴き応えたっぷり。ドラム担当のキャミーの孫・響人は、そんな祖父とジャンパーズに、自分でもよくわからない苛立ちを感じている。やがて、ホームとしているライブハウスの方針転換に際して解散問題が浮上したジャンパーズに、響人がとった行動とは…!?
大学の仲間たちと自主制作映画を撮る七沢。ある日、イタリアの蚤の市で買ったナイフで鉛筆を削っていると、ガボーニと名乗る霊が現れ、「このナイフで殺した命は、16時32分に生き返る」と言い、姿を消した。半信半疑の七沢だったが、ナイフを使って殺した蝿が、翌日の16時32分に蘇生するのを目の当たりにする。一方、犯罪を憎み、規律を重んじるシングルマザーの小曾根警部。ある日、ミニシアターで上映された映画を観た客から、「あの映画は、猫や犬などを本当に殺しているのではないか」と通報が入る。監督である七沢を疑う小曾根だが、動物殺害の物証はひとつも出ない。執拗な捜査を続ける小曾根をあざ笑うかのように、七沢はナイフを使い、次々と命を奪っていくー。
不浄な「首斬人」と蔑まれる生業を継いだ別所龍玄。父に代わって首打役の手代わりを始めたのは十八の春であった。親子三代の中で一番の腕利きとなった彼の元には、外には出せないお家の事情を抱える武家から、武士が屠腹するときの介添え役を依頼されるようになる。凄惨な生業の傍ら、湯島無縁坂での穏やかな家族との日々。凛として命と向き合う、若き凄腕介錯人の矜持。 ささやかだがゆるぎない、卑小だが果てしない、不浄だが清々しい
PKO部隊の陸上自衛官七名。一人は現地で死亡、一人は帰国後自殺。現地で起きたことについて、残された五名の証言はすべて食い違っていたー。第22回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
半地下の部屋で一日中パンを作らされている俺たちには、毎朝やってくる小間使いターニャの存在だけが希望の光だった。だが、伊達男の登場で…。底辺で生きる男たちの哀歓を歌った表題作、港町のアウトローの郷愁と矜持を生き生きと描いた「チェルカッシ」など、初期・中期の4篇。
ネット放送の『あやかしTV』は、現代にも残る不可思議な現象やスポットを徹底調査していく番組。アシスタントディレクターの香月都は、オカルト否定論者のディレクター・倉橋匠とともに、各地を飛び回る毎日だ。“不思議”の謎を解き明かすうち、その向こうに見えてくる人々の切実な想いとは?せつなくて心温まる連作ミステリー。文庫書下ろし&オリジナル。シリーズ第一弾!
ワシントンDCの国防総省では、米日安保条約の“解消”に関する秘密会議が開かれていた。一方東京では、防衛大臣に暗殺の魔手が伸び、更に第一回世界情報平和会議の会場で、米中露、各国要人の命を狙う一大事件が発生!内閣総理大臣から超法規的権限を与えられ、大国間の策謀渦巻く闘いの場に一人立つ「高級秘密情報官」とは!?日本へ迫る危機を看破する戦慄の問題作!迫真のスーパー・サスペンス!!文庫書下ろし&オリジナル。
高級秘密情報官・朝倉一矢は、何者かに射殺された盟友・芳元英雄の実家で、朝倉のオフィスを襲撃した謎の美女の写真を発見。写真には中国国家安全部のエージェントと記されー。衝撃を受ける朝倉へ、米国大統領から、世界情報平和会議で凶弾を放った犯人検挙への協力要請が来る。そして北京の国家主席執務室には驚天動地の報告が!闇に蠢く『活動家X』の狙いは!?迫真のインテリジェンス・サスペンス!!文庫書下ろし&オリジナル。