出版社 : 光文社
九州の離島に、この家はある。ある共通の過去を抱える女たちが、世間から離れ、静かに共同生活を送る「グループホーム」。互いの本名や出自も知らないまま、厳しい禁忌のもとに行 動する彼女たちの家に、ある奔放な親娘が入居したことで、その日常が大きく崩れていく。女たちが迷いと衝突、葛藤の先に見る地平とはーー。話題作を次々ものする著者が放つ、感動 長編。 『虫たちの家』 改題。
埼玉県のとある地域で、女性が次々と猿に襲われる事件が発生。捕獲に出撃して疲弊する黒星警部のもとに、不可解な密室事件が飛び込んできたー。(表題作)豪邸、旧本陣の離れ家からゴーストマンションまで、数々の「密室」で起こる事件に、推理小説マニアの“迷警部”黒星が挑む!古今東西のミステリーに詳しい著者ならではの傑作が、加筆修正のうえ新装版で登場。
新人英語教師・梅原彩が勤務する春日中学校に、刑事がやって来た。死体で見つかった元教師・澤吉博のポケットに、彩とのツーショット写真が入っていたという。身に覚えがなく、自分を疑う警察の捜査に嫌悪と不信が募るー。事件に巻き込まれた彼女を助けてほしいと依頼された浅見光彦が見る、学校現場の闇とは!現代の教育問題に迫る、必読の長編推理小説。
神楽坂愛里は東央大学大学院に通うリケジョ。何よりも努力を尊び、ノーベル賞を目指して道を切り拓いてきた。ある日、同じ研究室の福豊颯太が実験に使うラットが集団死した。感染症の疑いに周りが騒然とする中、真相を突き止めようと、立ち入り禁止の現場に潜り込む…!踏みにじられた努力と、奪われた命に報いるため、科学を愛する愛里が推理する!
とある温泉街で御用聞きにまわるミツルは、屋敷神と交流できる能力の持ち主。ある日、話題の「サクラリゾート」社長・有賀の知り合いというイラストレーターのマチ江に出会い、すったもんだに巻き込まれていく。一方、市役所主催の“ハロウィン湯めぐり街コン”に、父の策略で参加する羽目になりー!?幼なじみ・匡との恋模様も動く、注目のシリーズ第二弾!
公事宿「巴屋」の出入物吟味人日暮左近は、かつて秩父忍びの仲間で許嫁だった陽炎から助けを求められる。陽炎のいる下野国宇都宮藩江戸下屋敷に向かった左近だったが、陽炎は戸田家藩主の養子の御守をするなかで怪我を負っていた。陽炎の願いを受けた左近と幼き後継ぎを襲う刺客たち。激闘が始まるー。迫力の剣戟に手に汗握る藤井邦夫の代表シリーズ第五巻。
文久二年。娘のおかなはすくすくと育ち、夢屋に流れる平和な時ー。一方で、過激な尊王攘夷派が各地で次々と騒ぎを起こし、動乱の世が訪れようとしていた。おたねの夫・誠之助が師と仰ぐ佐久間象山も蟄居を解かれ、いよいよ歴史の表舞台に返り咲こうとするのだが…。激動する時代を懸命に生き抜く幕末の市井の人々の姿を温かく描く、好評シリーズ第八弾。
元南町奉行所の定町廻り同心ながら、船頭で生計をたてていた沢村伝次郎はある日、南町奉行所に呼び出される。待っていたのは、南町奉行の筒井和泉守政憲だった。筒井は、伝次郎に自分の右腕となって働いてもらいたいといい、快諾した伝次郎は奉行所の助をすることとなったのだがー。大人気を博した「剣客船頭」の後継シリーズがさらにスケールアップして開幕!
大手出版社に勤務する志賀子は、幾人もの一流作家を抱える敏腕編集者として忙しい日々を送っていた。そんな折、ミステリー作家志望の美しい青年に出会い、少女のように胸をときめかせ、彼との将来を夢見るようになった。だが、青年が妻帯者だと知ったとたん、殺意が…。著者の体験に基づく表題作などミステリー本来の洗練された味わいが光る珠玉の八編を収録!
地球に向けて、巨大小惑星ダイスが接近中。人類は、あと5日で終わりを迎える。人々はその瞬間、『裁きの刻』をどう迎えるのかー。高校生の漆原亮の姉、圭子が殺された。コスモスの咲き乱れる花壇で、全裸で胸にナイフを突き刺された姿で発見された姉は、亮にとって唯一の家族、“世界そのもの”だった。恋人のこともそっちのけで、亮はとにかく犯人を見つけ出し、自分の手で復讐したいと暴走。そして“あるもの”を手に入れるため、クラスの“禁忌”と呼ばれる異端児・四元美咲に接触する。優しく、美しかった圭子を殺したのは、圭子の恋人だったのでは?しかしそれが誰なのかわからない。犯人を追い求めて、亮は圭子が入っていた天文学同好会、そしてダイスを崇拝するオカルト集団「賽の目」に踏み込んでいく…。人類滅亡まであと幾日もない中で、なぜ圭子は殺されなければならなかったのかー。絶望×青春ノンストップタイムリミット・ミステリー!!
北海道の東の街から流れ流れて沖縄にやってきたツキヨは、那覇の路地裏にある「竜宮城」で身体を売っている。奥歯の痛みに耐えられなくなったツキヨは、客に教えてもらったもぐりの歯医者を訪ねた。元歯科医の万次郎と呼ばれる男は、同居しているヒロキという青い眼をした若者の背に、モナ・リザのタトゥーを入れているところだった。ヒロキと気が合ったツキヨは、「竜宮城」を出て万次郎たちと暮らすことにするがー。
「おまえ、あのとき、なに考えていたの?」 「夢みたいなことだよ。夢みたいなことをね。ちょっと」 朝霞、新座、志木ーー。家庭を持ってもこのへんに住む元女子たち。元男子の青砥も、このへんで育ち、働き、老いぼれていく連中のひとりである。須藤とは、病院の売店で再会した。中学時代にコクって振られた、芯の太い元女子だ。 50年生きてきた男と女には、老いた家族や過去もあり、危うくて静かな世界が縷々と流れるーー。心のすき間を埋めるような感情のうねりを、求めあう熱情を、生きる哀しみを、圧倒的な筆致で描く、大人の恋愛小説。
落とした単位をくれる女神様に、夕陽を売る少女!?みんなが知ってる童話を、現代ショートショートの名手が大胆アレンジ!赤ずきん、ヘンゼルとグレーテル、小人と靴屋など、全編書下ろし14編!
何気なく口にする一言に、その人の品格が表れるー言葉が人を表すのであれば、このぎすぎすしがちな時代に私たちはどのような言葉を用いるべきだろうかー日々の生活で目にし、耳に入ってくる言葉をていねいに掬い取り、古今東西の故事や時事とも照らし合わせながら、言葉に付き従っている感情を探っていく韓国の大ベストセラーエッセイ。
「死刑囚!いつもひとりでこの想念に耐え、それが消えないせいでいつも凍え、その重みにいつも打ちひしがれている!」刻々と迫るギロチン刑の時。独房での日々から断頭台に上がる直前まで、主人公は自らの胸の内を赤裸々に告白する。死刑制度廃止を訴えたユゴー27歳の小説。
交番勤務中の岩城は、新設された特命捜査対策室九係への配置転換を命じられた。九係は、「現行の捜査に対して、疑問=Qを持った事件」について、別の切り口で捜査する。故に、一歩間違えば、即廃止という崖っぷちの部署である。現場に残された折り鶴に着目し、自殺と判断された事件を再捜査すると…。十二年前に起きた母娘心中事件の真相が浮かび上がる!
かつては炭鉱で栄えたが、すっかり寂れ、高齢化ばかりが進む北海道苫沢町。理髪店を営む向田康彦は、札幌で働く息子の「会社を辞めて店を継ぐ」という言葉に戸惑うが……。(表題作)異国からやってきた花嫁に町民たちは興味津々だが、新郎はお披露目をしたがらなくて──。(「中国からの花嫁」)過疎の町のさまざまな騒動と人間模様を、温かくユーモラスに描く連作集。
小説家の礼一郎は、依頼をくれた編集者と初めて会う約束をした。待ち合わせの喫茶店に現れたのは、どう見ても小さなピンクの、ぶたのぬいぐるみ。これは夢だ、と思った礼一郎は、おもしろがって、ぬいぐるみに新作の構想を話し始めるが…(「長い夢」)。編集者・山崎ぶたぶたは、本や雑誌を作りながら、出会う人々にも、元気をくれるんだって。大ヒットシリーズ!
小学六年生の平山史彰は、父親の転勤のため、千葉県の犬吠崎近くの漁師町に引っ越してきた。田舎の暮らしには慣れてきたけれど、お母さんと妹は、まだ東京に残ったままだ。史彰は家族がまた一緒に住むことを願っているが、母と妹がやって来ないのには、実は複雑な事情があって…。父、母、息子、娘。それぞれの視点から、ひとつの家族の、十年間の物語を紡ぐ。