出版社 : 光文社
盗人と疑われ、番屋につきだされてきた青物売りのお駒を放免してやった同心の柏木千太郎。跳ねっ返りで威勢はいいが、早くに両親を亡くし、十一で人買いに売られ苦労して生きてきた娘だ。そんなお駒を陰から見守っているらしき謎の男がいたー。その正体とは?(表題作)顔はないけど男前。のっぺら同心と仲間たちがあやかし騒ぎ解決に走る、妖怪捕物帖第三弾!
「影廻衆」として公儀の密命を果たす旗本高鳥家の三男坊・三郎太。以前、助けた商人の世話で歌舞伎見物に森田座を訪れる。舞台で異彩を放つ市川團十郎に感銘を受けた三郎太だったが、芝居小屋周りで不審な人物を見かける。次第に明らかになってきた、その人物の正体とはー。小納戸に出世した行平斗真とともに、天下を騒がす悪に挑む!待望のシリーズ第二弾。
天麩羅屋を営む浪人・伊達宗之介は、一人娘・千春の小言に頭の上がらぬ日々を送る。ある雷雨の夜、二人が町医者の屋敷の前を通りかかると、蓑笠姿の男が表門から遁走。邸内で目にしたのは男と女の亡骸だった。探索に乗り出した岡っ引の紋三は無数の不審な点に気付き…(表題作)。粋な紋三親分と、しがない浪人・宗之介の人情裁きが冴え渡る書下ろしシリーズ!
江戸は水の都だった。そして、水際にはたくましく生きる市井の人々の暮らしがあった。夜鷹を運ぶ船頭、橋を渡ることを禁じられている質屋の息子、母を失い船宿で働く幼い娘、水茶屋に売られて船宿の主に囲われた女…。『武士の家計簿』『武士の献立』の脚本家で小説家でもある著者が水にまつわる人々の物語を描いた七編を収録した心を打つ一冊。
書院番与力の月崎兵衛が小伝馬町の揚り座敷から破獄した。目付たちが必死に行方を捜す中、将軍の毒味役である御膳奉行の矢背蔵人介の前に月崎が現れた。月崎は、蔵人介が以前、御前試合で唯一不覚をとった相手。剣友として事情を聞いた蔵人介は、苦界へ身を落とした月崎の妻を捜し始めたが…。そして、衝撃のラストが待つ!超人気シリーズ、待望の二十五弾。
魔王討伐のため王都を旅立ってから早五年。旅の仲間たちから理不尽な扱いを受けてきた聖女フェリシアは、勇者に倒されたはずの魔王がこっそり逃げ去るのを目撃しながらも、そっと口をつぐんで王都に帰ることに。しかし、凱旋した彼女を待っていたのはさらなる困難だった。旅の間に適齢期を過ぎていたフェリアは婚約者の王子に捨てられ、王からは都を去るよう恫喝され、財産を取り上げられて大神殿からも放り出されてしまう。怒りに震えるフェリシアは決意するー絶対に清らかなまま長生きをして、この国に次代の聖女を生み出させまいと…!!
コンビを組む二人は違法カジノで働いていたが失敗ばかり。今度は偽宝石売りでも騙した女に騙され無一文に。切羽詰まったハセは商店街にたむろする老人たちを見て閃いた。これからは、年寄りだ。32歳と30歳。崖っぷち男二人。騙すのは、年寄りだ。さびしさは、利用できる。歪んだ愛を抱え、じたばたする悪党コンビ。注目作家が紡ぐ、泣けるバディ小説!!
大学を中退し、人生に迷っていた坂本壮馬は、兄が神職をつとめる横浜・元町の、由緒正しく恋愛パワースポットとしても有名な神社、源神社で働くことになった。信心ゼロの壮馬の指導役は、「この世にこんなきれいな子がいるのか」と見惚れてしまう美少女・久遠雫。彼女は、参拝者の前以外では笑わない。どこか、謎を秘めていた。心霊騒動、端午の節句、就職祈願、夏の祭礼etc.…。神社を巡るさまざまなことを引き金に巻き起こる謎に壮馬が体当たりし、雫が解き明かす。そんな雫も、大学の准教授・鳥羽にはふだん見せない顔を見せ、壮馬は気が気でなくなりー。初詣に七五三、お宮参りや酉の市、日本人の暮らしに深く根ざし、パワースポットとしても注目される神社のお仕事をテーマに、明るく、意外性に満ちた、趣向溢れる本格ミステリ!
パワハラ上司から理不尽に責められ、現実逃避をするかのようにMMORPGにログインした主人公。ゲームの世界を楽しむはずが、気がつけば1,000人の見知らぬ人々と共に異世界に拉致されちゃった!?地球に未練のない主人公は、与えられた特典で“グローセ・ヘンドラー”という新たな自分を手に入れ、チートスキル“通信販売”を使い商人を目指すことに。異世界ナビゲーターの美女インス、オーガ族の美少女リーシアなど仲間も加わって、商売をしたり、魔物と戦ったりしながら、異世界生活をマイペースに楽しむけど…!?
言葉はウソをつくから当てにならない、と気づいたチャンドス卿が、もう書かないという決心を流麗な言葉で伝える「チャンドス卿の手紙」。世間知らずのうぶな青年の成長物語「アドレアス」(未完)。世紀末ウィーンの天才ホーフマンスタールを代表する表題作を含む散文5編を収録。
やりくり上手の妻に先立たれ、失意の日々を過ごしていたランタン氏。妻が遺したイミテーションの宝石類を店に持って行ったところ、じつは…(「宝石」)。伯母の莫大な遺産相続の条件である子どもになかなか恵まれず焦る親子と夫婦を描く「遺産」など6篇を収録。魅力再発見の第2弾。
世田谷区祖師谷で起きた母子三人惨殺事件。被害者が地下アイドルだったこともあり、世間の大きな注目を集めていた。真っ先に特捜本部に投入された姫川班だが、遺体を徹底的に損壊した残虐な犯行を前に捜査は暗礁に乗り上げる。やがて浮上する未解決の二十八年前の一家四人殺人事件。共通する手口と米軍関係者の影。玲子と菊田は非道な犯人を追いつめられるのか!?
バブルの頃、自然写真家としてもてはやされた立花浩樹は、ブームが過ぎると忘れられ、所属事務所に負わされた多額の借金を返すうちに四十代になった。カメラも捨て、すべてを失い。自分が人生で本当に欲しいものとは、なんだったのか?問い返すうち、ある少女からの撮影依頼で東京へ行くことになった浩樹は、思いがけない人生の「敗者復活戦」に挑むことになる。
倉本歩は港ケ丘高校一年。テレビで見た同い年の庄野瑞希の走りに圧倒され、彼女のように走りたいと陸上部に何とか入部するが、他の部員たちについていくのも大変だ。ある日、その瑞希が同じ高校に進学していることを知る。しかし、憧れた彼女にかつての面影はなくー。走ることが大好きで、仲間を思い、笑い、時に泣き、駆け抜けていく少女たちの青春駅伝小説。
ベルギーの小さな村の教会から、壁に掛けられていた絵がなくなった。この絵が実はブリューゲルの作品だと聞いていた牧師は、取り戻さなければならないと、知り合いに助けを求める。一方、スイスにある屋敷の屋根裏から、フェルメールの作品が見つかった。メトロポリタン美術館からは、フェルメールの絵が強奪された。名画は一体どこへ?騙し合いが始まった!
建設会社のワンマン会長・丹波竜造が、ヨットでの航海中に遭難した。葬儀が行われた当日、長男が密室状況の仏間で謎の死をとげる。密室好きで知られる白岡署の黒星光警部が駆けつけるが、しかし、それは丹波家を襲う連続密室殺人の幕開けにすぎなかったー。遺産相続を巡る悲劇に、“迷警部”黒星が挑む。異色の長編ミステリーが大幅加筆修正のうえ新装版で登場。
塔から飛び降りた学者の死体が屋上で発見された!?北村薫氏絶賛の「神なき塔」をはじめ、ノアの箱舟を模した船での密室殺人「ノアの最後の航海」、貴族庭園の宝探しゲームが死体発見に発展する「永劫の庭」など、妄想と奇妙な論理に彩られた三編を収録。名探偵が実在するパラレル英国を舞台に、パンク刑事キッド・ピストルズの推理が冴える中編集が改訂新版で登場!
警視庁特命遊撃班の風見竜次は、家電量販店の売上金強奪現場を目撃する。正規捜査が進まない状況に、刑事部長から特命遊撃班に捜査命令が下り、捜査の中で、不審な中国残留邦人の三世たちの存在が浮かびあがる。はたして、金目的の彼らだけの犯行なのか、それともー。仰天の戦闘シーン、そして、度肝を抜くラストが待つ!好評シリーズ、手に汗握る第五弾。