出版社 : 光文社
初めて出会った時、君は野性的で、ココナッツの香りがしたー。流葉爽太郎の新たな仕事は、南洋の島々におけるフランスの支援活動PR。アイデアを模索する折、あるカメラマンの回顧展に赴くためシンガポールへ。そこで巡りあった少女と一枚の写真が危険に誘う。美しいモルディブを舞台にサスペンスと愛が交錯!型破りのCFディレクター・流葉が主役の大人気シリーズ!文庫書下ろし。
かつて奴隷として買われ、今では奴隷を売買する立場になったサラサ。彼女の頭を離れないのは、自分とともに売られ、行方がわからない妹アリアのことだった。その妹は、上海で、ある男に愛人として飼われていた。彼女の妊娠が発覚したことから、姉妹二人の運命は大きく動き始める。そしてサラサを襲う卑劣な罠とは?衝撃の展開から目が離せないサスペンス長編!文庫書下ろし。
都内のビル屋上で、加賀宝生流の能衣装をまとった男の死体が発見された。被害者は死ぬ前に能を舞ったらしい。近くのホテルに滞在する某国の大統領に見せるためだったと推測された。学生時代に金沢に滞在していた大統領が昔愛した女性が、二年前に失踪していたことが判明。現地で捜査を続ける十津川を待ち受けていたのは、古都に秘められた大きな陰謀だった。長編推理小説。
農林省食糧管理局長・岡村福夫は、同省の倉橋課長補佐が汚職の重要参考人になったことをうけて、視察先の札幌から深夜に呼び戻された。よけいなことをきいてはならぬのが保身の術、という哲学の総務課事務官・山田喜一郎は、ことの成り行きを、傍観者として眺めている。政権や上級官僚に翻弄される一介の役人の悲哀と、現代社会に通ずる、官庁汚職を描く。長編推理小説。
神楽坂愛里を、幼馴染の碓氷圭太が突然訪ねてきた。二人きりにさせたくない福豊颯太は、三人で学祭を回ることにしたが、立ち寄った模擬店の豚汁から食中毒が発生。ミスコン真最中の清水レイアも壇上で嘔吐して倒れてしまった。原因とされたシイタケを調べてみると…。警察も一目置くリケジョ・愛里が再び、努力を踏みにじる悪意を鮮やかに解析する!
前回の告白を受け、ようやく匡を意識するようになったミツル。「デート」の響きをくすぐったく感じながらも、温泉街で屋敷神たちの御用聞きを続けていた。あるとき、亡くなった常連客の自宅で大量の古酒が発見され、ミツルはその鑑定を任されることに。そしてミツルと匡に、結婚写真のモデル役の依頼が舞い込んできてー!?甘酸っぱいシリーズ三作目!
吉原で幇間をする絵師の暁雲(多賀朝湖/後の英一蝶)は、親しい太夫から勧められ、深川にあるという松尾芭蕉の草庵に出向く。折しも芭蕉庵では、何者かによる不穏な投げ文と、掛け軸が蛇の文様で汚された騒動に紛糾していた。琉球衣装を纏う謎の女に導かれ、暁雲は芭蕉の一番弟子の其角と共に、庵で起こる不可思議な事象を解明しようとするが…。哀切溢れる物語。
麻布谷町の山吹屋。そこは主の賢之丞の差配で、様々な求めに応じて人を斡旋する口入屋だ。武家や商家、普請場など斡旋先は多岐に亙るが、時に怪しげな依頼も混じってくる。花火師と猟師と鉄砲鍛冶を揃えてくれという浪人にきな臭さを感じた賢之丞は、読売屋や女郎、忍など多彩な仲間たちとともに、幕末の江戸を揺るがす陰謀に立ち向かう!痛快時代活劇。
「きやぁぁっ」老舗の油問屋で悲鳴が上がる。大店で知られる東海屋の主が変死した。内儀は、夫の口から牡丹の花弁が零れているのを見て失神し、女中と手代は幽霊を見たと証言した。北町奉行所の切れ者同心、木暮信次郎は探索を始めるが、事件はまたも“仇敵”遠野屋清之介に繋がっていく……。肌を焦がす緊張感が全編に溢れる、人気シリーズ待望の第七弾。
読みまどい、辿りつけ。きっとあるはずだ。竹林(と美女)の理想郷が。十人の人気作家による「美女と竹林」モチーフの新作短編集。
北沢藍は職場の上司と不倫して、二人の子供を置いて家を出た。十年ぶりに実家に戻ると、男にだらしない母と、お金にがめつい祖母がうら寂しく暮らしていた。隣に住む幼馴染の馬場美代子は家族を見送り、今は祖父をひとりで看ている。介護に尽くす彼女は、孝行娘とあがめられているが、介護が終わったその先はどうやって生きていくのだろうか。実は、彼女の暮らす家には、世間を震撼させるおぞましい秘密が隠されていた。注目の作家初のクライムノベル。
都心まで一時間半の寂れたベッドタウン・辛夷ヶ丘。20年ほど前に“ハッピーデー・キラー”と呼ばれた連続殺人事件があったきり、事件らしい事件もないのどかな町だ。それがどうしたことか二週間前に放火殺人が発生、空き巣被害の訴えも続いて、辛夷ヶ丘署はてんてこまい。そんななか町で一番の名家、箕作一族の最後の生き残り・箕作ハツエがひったくりにあうという町にとっての大事件が起き、生活安全課の捜査員・砂井三琴が捜査を命じられたのだが…。(「ゴブリンシャークの目」)アクの強い住人たちが暮らす町を舞台にした連作ミステリー。著者の真骨頂!!
あたしは絶対にバケモノなんかじゃない!!でもあなたは…。世界の終わりは突然始まった。黒の海が大地を沈め、無数の「口」が全てを食い尽くしてゆく。この終末から逃れ、天国のような孤島に着いた少女らは、しかしそこでも海の彼方に「口」どもを見た。絶望までの時間を静かに暮らす中、彼女らは謎めいた漂着者らを助ける。だがそれは結果として、嘘と裏切りに満ちた殺し合いの始まりとなってしまった。魔女は、そして生き延びるべきは誰か?終末をかける少女らの超絶論理。
大内、尼子の二大勢力に翻弄される小国人・毛利家の次男に生まれた元就。山寺に隠棲し晴耕雨読する暮らしを夢見、出陣の前には子猫のようにおびえる若者だった。兄を亡くし、大将として、いつ敵方に寝返るとも知れぬ家臣たちをまとめた元就は、家をあずけることの出来る妻をもち、戦国を生き抜くために必死で足掻き、頭を使い、人を信じ、裏切り、兄弟、妻、そしてー大事なものたちを喪った。みずからも九死に一生を得て己の天命を知った男は、幾度も哀しみから立ち上がり、策を極めた逞しい武将となっていく。猛悪無道と恐れられ、武略名高き西国の雄と呼ばれた毛利元就。その戦いの生涯を描く傑作歴史小説。
知的で美しいドロシア・ブルックは二十歳前の娘だが、自分の人生を偉大な目的に捧げることを熱烈に願い、温厚でハンサムな准男爵を退けて、学究生活に打ち込んでいる厳めしい五十がらみの牧師と婚約する…。地方都市ミドルマーチを舞台に緻密な人間描写で織りなす壮大な物語。(全4巻)
靴の形をした館で雪の夜に起こった密室殺人の謎に迫る「靴の中の死体」。二十年前に誘拐され、亡くしたはずの息子を再び誘拐したという脅迫状が届く「さらわれた幽霊」。キッドが自らの少年時代を語る表題作、同じくピンクが自伝を語るSM殺人「ピンク・ベラドンナの改心」。京極夏彦氏歓喜の「執事の血」の全五編。パンク刑事の推理が冴える短編集が改訂新版で登場!
将軍徳川吉宗が何者かに襲われた!襲撃した者たちを追及した結果、衝撃の真相が明らかになる。一方、道中奉行副役として東海道を巡検し、ようやく京へ入った水城聡四郎。吉宗から「世間を見て来い」と言われたものの、京での具体的な指示はないため、まずは京を見て廻ることに。しかし、そこから京の狐狸妖怪たちが蠢きだすー。ますます好調のシリーズ第三弾。
妙子が食堂の料理人を務める、東京・千駄木の近江寮が取り壊されることに。やっと見つけた引越し先は、ある大学教授が格安で貸してくれた古い日本家屋だ。再出発に張り切る妙子だが、その物件には大きな秘密があるようで、しかも教授のひとり娘まで預かることになりー!?普通のおばちゃん、妙子の作るおいしい料理が、皆の絆を作ってゆく。おなかが空く感動作。