出版社 : 光文社
極貧学生寮の寮生たちが世界破滅の危機に挑む!…嘘みたいですが、ホントにそういうお話です。某大学キャンパスの奥の奥、深く大きな池と農学部演習林に挟まれた未開のエリアにあると噂される「富穰寮」。個性的すぎる学生その他(?)が住むという。緑色のキノコや医療用のアルコールをはじめ、奇妙な食材を取りそろえ、夜な夜な宴会が開かれているという。血まみれの女性が天井や窓の外に出現するという。その女性の名は、ヨリコさんだという。…あくまで噂。しかして、その実態は!?エンタメ史上に残る凶悪ヒロイン、大量出現!?圧倒的な熱量で奇想が暴走する、傑作パニックサスペンス!
第二次世界大戦中、カリフォルニア州イサカのマコーリー家では、父が死に、長兄も出征し、14歳のホーマーが学校に通いながら電報配達をして家計を助けている。彼は訃報を届ける役目に戸惑いを覚えつつも、町の人々との触れあいの中で成長していく。懐かしさと温かさに包まれる長篇。
夜勤中に地震に見舞われ意識を失った看護師の紗穂。気がつくとそこは一九四四年のマニラで、さっきまで病室にいた老女の若き日の姿になっていた! 困惑を抱えたまま、従軍看護婦として戦争に巻き込まれる紗穗。それでも、持ち前の明るさで数々の理不尽に抗いながら、過酷な日々を駆け抜けていく。反戦の意志と、命を背負った女たちのかけがえのない青春が紡ぐ圧倒的感動作。
裏社会の人間が次々と惨殺された「ブルーマーダー事件」。その渦中で暴力団組長・皆藤が行方不明になっていた。組長の妻は、彼も巻き込まれたのではというのだが。(表題作)マンションの一室で男が合成麻薬による不審死を遂げた。近くでは、車と接触事故に遭った女性が、被害届も出さずにその場を去っていたーー。(「女の敵」)ほか、姫川玲子が様々な貌を見せる全八編!
武藤類子は明峰寺学園高校の二年生。剣道部のエースにして、学園の有名人だ。自身の才覚もさることながら、彼女は天才囲碁棋士・牧場智久の恋人であり、カリスマ的な人気を誇るミュージシャン・速水果月の想い人なのだ。そんな彼女が遭遇する三つの不思議な事件を、智久が鮮やかな推理で解き明かしてゆく。ユーモアと魅力的な謎に彩られた連作本格ミステリ!
CIRO-内閣情報調査室の香月喬は、総理大臣周辺の金銭疑惑調査を命じられる。疑惑の火元はカジノ議員連盟。香月は過去にカジノ事案を担当した警視庁捜査一課の鹿取信介警部補と接触。そんななかフリーライターの死体が発見される。スクープを追っていたライターの死から浮かんできたカジノを巡る疑惑とは…。六年半ぶりとなる著者渾身のシリーズ第三弾。
テレビで人気の女性アナウンサー草刈彩香が殺害された。『羽賀組』の四代目組長ながら、警視庁捜査一課刑事の羽賀亮が捜査にあたったところ、被害者の交友関係から有力な容疑者が浮かぶ。しかし、その男にはアリバイがあり、捜査は行き詰まる。羽賀はついに容疑者の逮捕に踏み切るが、それがとんでもない事態にー。驚愕のラストが待つ大ヒットシリーズ第六弾。
消費者金融で働く新米社員・諸星雄太が延滞者を訪ねると、男は行方不明になっていた。家には男の妻と娘が残されていたが、返済は待ってほしいと言うばかりだ。取り立てに通ううち、雄太は奇妙な色気を滲ませるその人妻に搦めとられてゆく。やがて周囲の人間が、一人、また一人と変死を遂げてゆき…。衝撃の結末に凍りつく、一気読み必至の傑作ホラーサスペンス!
たかが二十万石の身代である石田三成が、なぜ西軍の大将として指揮をとったのか?西軍、東軍、どちらに道理があったのか?関ヶ原の合戦から三十年、当時を知る人々を訪ね歩く町人がいた。『関ヶ原合戦大名衆振舞ノ子細』としてまとめられた一冊から浮かび上がる歴史の真相とは!?そして、敗軍の将・三成について、町人を使って調べさせた「さるお方」の思惑は!?
「切られた縁を元に戻してほしい」-。縁切り寺の御用宿「橘屋」に駆け込んだ上総の女おふきは、そう訴えた。珍しい駆け込みに戸惑う用心棒の十四郎と主のお登勢。十四郎が、離縁した元亭主に会って話を聞いてみると、背後に上総の幕領を巡る事件の影がちらつく。上総へ渡った十四郎が掴んだ恐るべき「真実」とはー。壮大な物語を描いた著者の代表シリーズ第十六弾。
女手ひとつで釣り宿を営むおこうの前に、一人の男が現れる。若かりし頃、二人は雨宿りをした寺で、盗賊を殺め、五十両を掠めとったのだ。そして所帯を持ったが…。二度と会うとは思わなかった男との再会に動揺し、おこうは懐に包丁を忍ばせてー。第6回小説宝石新人賞受賞の表題作を含む五つの短編、それぞれの登場人物が、複雑に絡み合う時代小説連作集。
米沢町の相州長屋で、深夜に動物の死骸が置かれる嫌がらせが起きた。杢之助は、近頃様子がおかしい住人の若夫婦・重市、お恵を狙う何者かの存在を疑うが、はっきりしない。そんなとき岡っ引の捨次郎から、近隣に禁制の賭場があるらしいと聞き、探り始める杢之助。夜陰に紛れ町内に入り込む怪しい二人組を尾けといくと、向かったのは…。シリーズ、緊迫の第五弾。
「女官をひとり斬ってもらう」-将軍毒味役の矢背蔵人介は、御小姓組番頭の橘右近から裏御用を命じられる。水戸家の政を父親の陰陽師とともに壟断している奥向きの女官を調べる蔵人介の前に「天保銭」にかかわる悪事が浮かぶ。そして、現われた覆面の刺客。蔵人介はこれまでにない最大の窮地に。卯三郎の恋、矢背家の総力戦など、濃厚すぎる人気シリーズ第二十二弾。
雑誌で取り上げられた小料理屋“二ノ橋 柳亭”の場所は誰も知ることができない。なぜなら、食味評論家が書いた架空の店だからだ。ところが、「柳亭を探し当てた」という読者からの手紙が編集部に届き…。(表題作)代表作「ブラックバス」など全七篇を収録。繊細と洒脱が織りなす物語の妙に酔う、直木賞作家の粋が詰まった極上の短篇集。
人々の大きな夢と希望を集め、郊外に開発された巨大な人工の町ー若葉ニュータウン。高度経済成長、バブル景気、震災、そしてすぐそこの未来まで…。1971年から2021年までの10年ごとをニュータウンの住人たちの視点で紡ぐ、全六編の連作短編集!
月島前線企画に持ち込まれた、既解決事件。孤島に渡った六人が全員死体で発見されたが、当人たちによって撮影された、渡島から全員死亡までの克明な録画テープが残っていた。何が起こったかはほぼ明確だ。警察はすでに手を引いている。ところが、依頼人は不満のようだ。真実が映っていなかったのか、あるいは嘘が映されていたのかー。目を眩ませる膨大な記録と、悲喜劇的な顛末。事件の背景に浮かび上がる、意外な真相とは!?
警察小説にニューヒロインあらわる!二児の母親でありながら、横浜、川崎の歓楽街を股にかけ、色と欲にまみれた犯罪者を取り締まる、神奈川県警生活安全部のエース・真下霧生。盛り場で起こる、青少年の絡む事件、謎めいた殺人事件には必ず駆り出される遊軍のような存在だ。神奈川県警本部の将来を担う二人の警察官を前夫に持つ(それぞれのあいだに子供が一人ずつ)ことが災いして、扱いに困られているのかもしれない。いや、恋愛体質が過ぎるからかも…。捜査能力と推理力(と美貌)を駆使して、真犯人を追いつめろ。軽快かつ濃密な本格推理警察小説!
眠りから覚めるたびに別人になってしまう。年齢も性別もバラバラ、つながりがあるのかどうかもわからない。そもそも、「俺」はいったい誰なんだー?事態の打開を試みる俺は、「カップル連続惨殺事件」についての週刊誌の記事に猛烈にひきつけられる。俺がこの事件に関係している?事件について調べ始めた俺は、何者かに襲われて…。傑作ジェットコースター・エンターテインメント!!
小市航太は瀬戸内海に浮かぶ五木島の分校に通う高校三年生。球技部を引退した航太は、ひょんなことから俳句甲子園出場を目指す日向子のメンバー探しを手伝うことになる。メンバー五人が揃い、本格的に俳句甲子園出場を目指すため動き始めたある日、航太の祖母が倒れてしまい…。島で生まれ育った少年少女たちが俳句甲子園に新風を巻き起こす!