出版社 : 光文社
駿河国江崎藩の隠目付を務める釣宿の亭主海野洋之介のところへ、近所で斬り合いがあったと知らせが入る。斬られた武士は江崎藩士で、下手人は国元で目付組頭を斬った「鬼首」なる太刀の遣い手とわかる。江戸家老の依頼で、下手人の始末に動く洋之介の前に現れたのは元介錯人の手練。甲源一刀流の秘剣が江崎藩を揺るがす陰謀を断つ。待望の新シリーズ第二弾。
時を惑い。時を追われ。時を喰らう。時代小説界若手の実力者が、歴史の大事に至るまでの一日を濃密に描く、6つのどんでん返し!大坂夏の陣で、豊臣秀頼が死ぬまでの24時間。伊達政宗が父、輝宗を射殺するまでの24時間。桶狭間にて、今川義元討ち死にまでの24時間。武田信玄の家臣、山本勘助戦死までの24時間。将軍足利義輝、御所で闘死するまでの24時間。そして、乱世の終幕、徳川家康最期の24時間。
銀座で探偵事務所“月輪萬相談所”を営む月輪龍太郎は、ひょんなことから東京帝大で犯罪捜査学講座を受け持つことに。受講生はわずか三人。真面目で気弱な原口孝介、裁判官を目指す肥崎春彦、政治家志望の松坂栄次郎。月輪は教科書などは使わず、実際に起きている未解決事件の現場に臨んで講義をするという。第一の講義は、高楼閣で突如失踪した出資者が、近くの酒蔵で遺体となって見付かった事件ー明治の世に起こった四つの奇怪な事件に、帝大生と月輪の推理合戦が白熱する!『黒龍荘の惨劇』で話題をさらった“名探偵月輪シリーズ”、スピンオフ短編集。
名探偵の父親に憧れ、“不思議殺し”の名探偵を自称する少女アリス。父親からの誕生日プレゼント“仮想空間”で待ち受ける5つの奇妙な謎を、24時間以内に解くことはできるのか?!たたみ掛けるドンデン返しと、迫りくるロジックの快感!『○○○○○○○○殺人事件』の著者が贈る、新感覚パズルミステリ。
ホームセンター「ユアセルフ」内のペットショップでアルバイトをしている大学生・学人。同期バイトで動物マニアの幸多や、ふたりの教育係で社員の柏木とともに、日々楽しく働いている。ある日、店の常連である小学生・瑠璃の元気がないことに気づいた学人と幸多。瑠璃の笑顔を引き出すために、事務所でお休み中のルリコンゴウインコ、ルリちゃんを売り場にこっそり連れ出す。同じ名前を持つルリちゃんのことを、瑠璃はとても可愛がっていたのだ。しかしルリちゃんは、瑠璃の目の前でとんでもない言葉を言い放ちー。動物愛にあふれる連作コージーミステリ。
「警視庁最悪の警部」大〓見(おおべしみ)に殺害予告かーついに神の鉄槌がおりる!?本格ミステリーの聖域を踏み荒らした男が帰ってくる。今度は、本格ミステリーからさらに芸術の世界まで生き贄に。常に話題作を生み出す著者が、ミステリーへの強すぎる愛と、芸術への深すぎる造詣をこれでもか、と注入して生まれた痛快にしてご意見無用、巧緻にして油断大敵な怪しき力作!
京都・鴨川の河川敷で、女の変死体が発見された。四日後、東京・清澄白河のマンションで男の腐乱死体が見つかる。共に青酸ソーダによる中毒死。二人は愛人関係にあったことが判明する。女が男を殺して自殺したのか!?同一犯によって二人は殺されたのか!?壮の弟・洋をきっかけにして、事件に関わることになった壮と美緒。愛の死角に隠れた真実を解き明かす!
紅蓮の焔が町を焼き尽くすー真っ平御免なはずの厄災を、大工の幸太は渇望していた。火事さえ起きれば、普請の仕事が増えると。そんな幸太に、男が親しげに近づいてきた。「じゃあ、起こしたらどうです?」物騒なことを言う男に嵌められ、幸太は付け火の罪を着せられてしまったー。正義の同心・柚木源九郎は、幸太の疑いを晴らし、陰にいる首謀者を暴けるか!?
着々と仕事を進める爽香の前にトラブルは絶えない!都市開発を主導する大企業が抱える複雑な事情。愛人の死体隠蔽に奔走する取引先の男。そして、勤務する“G興産”の社長・田端の心変わり!?期せずして爽香は苦難の渦に呑み込まれる。一方、夫・明男は、彼に恋する未亡人・大宅栄子と二人きりで会うこととなり…。登場人物が年齢を重ねる大人気シリーズ!
ある日、僕は前から歩いてくる人に避けられるようになった。まるで目の前の“気配”に急に気がついたかのように、彼らは驚き避けていく…。(表題作)とある企業の研究者「小泉」が同僚たちから相談を持ちかけられ、不可思議な出来事の謎に挑む。超常現象の法則が判明したとき、その奥にある「なぜ?」が解き明かされる!チャレンジ精神溢れる六編のミステリー短編集。
三十一歳の元CA・入江紗都が、何者かに刺された。彼女は、麗子と清香に、「じゃくちゅう、の」というひと言を遺し、亡くなった。紗都は画廊に勤めながら、名画の複製画を描いていた。遺されたメッセージは、日本画家の伊藤若冲のことなのか!?犯人像作成のプロ・麗子と美人検屍官・清香は、彼女の部屋に遺された物から、美術界の大きな闇を浮かび上がらせる!
証拠品鑑定のため、粒子加速器をもつ研究施設を訪れた検事の菊園綾子。だが鑑定中に加速器が暴走し始める。一方、調査のため弁護士の森江春策と共に西洋館を訪れた菊園は、密室殺人事件に遭遇する。菊園が推理を披露しようとしたそのとき、加速器の影響で彼女は異次元へ飛ばされてしまう!真相を見抜かないと元の世界に戻れない!?奇想爆発の本格ミステリー。
金目当ての義父殺害を疑われる峰岸諒一は、かたくなに無罪を主張していた。弁護人・衣田征夫は、肝心な点で証言を濁す彼に終始翻弄されるが、アリバイの証明により無罪が確定し、釈放に。ところが、間もなく峰岸の死体が発見される!冤罪事件に端を発し、めまぐるしく浮上する疑惑の果てに潜む真実とは!?予想は即座に裏切られる展開に、驚嘆必至のミステリー!
オフィスビルの地下三階にひっそりと佇む店。そこで売られている何の変哲もない折りたたみ傘の値段が、十万円だというのだが…。(表題作)「妻」を名乗る女性から毎日かかってくるようになった電話。だが、その甘い声は妻のものではない。食事に誘うと、やって来たのは見知らぬ美女だった。(「ある日の妻」)ショートショートの魔術師が贈る、魅惑の二十五編を収録。
水中綱引きの神事で賑わう福井県若狭の名勝日向湖に男の死体が流れ着く!その一年後、東京・高島平で広告代理店勤務の細野久男が絞殺された。細野が死の前に、同人誌に発表していた短編小説「死舞」には、若狭を舞台とし、黒い服の男の謎の行動と暗い過去が描かれていた。浅見光彦は、小説が結びつける二つの殺人事件の接点に引きつけられ、若狭へ向かう!
あたしって、ついてない。三つ目の働き口をなくし、るいは途方に暮れていた。母を早くに亡くし、左官をしていた父もぽっくり逝き、天涯孤独の身だ。その死んだはずの父が困りものなのだが……。ふと入った路地で見つけた「働き手を求む」の貼り紙ーー。この世ならぬ者が見える少女が、ちょっと迷惑な父とともに、人助けならぬ亡者助けに奔走する! 痛快時代小説。
小伝馬町から囚人たちが切放しになった。囚人たちに恐れをなし、町から人気は消えた。そんななか、縁切り寺「慶光寺」の御用宿「橘屋」の雇われ人である塙十四郎は、殴られていた男を救い出す。その男の口から出てきた話は、にわかには信じられない話だった。そして、最後に待っていた衝撃の結末…。涙なくしては読めない珠玉の作品が詰まったシリーズ第五作!