出版社 : 光文社
吉原会所の頭取・四郎兵衛の傷がようやく癒えた折り、またも吉原が「脅威」にさらされた。吉原裏同心の神守幹次郎は、いまだ復調ならぬ四郎兵衛に伴って、吉原の秘された過去の「遺文」があるとされる鎌倉へ。そこで彼らを待ち受けていたのは過去最強の刺客たちと衝撃の「秘密」だった。シリーズ史上最高傑作!吉原、鎌倉を舞台に壮大なドラマが繰り広げられる第二十一弾。
天保の改革の一環で贅沢が禁止されるなか、歌舞伎の名題役者、七代目市川團十郎が襲われた。北町奉行の遠山金四郎から依頼された夏目影二郎は、團十郎を警固することとなった。はたして、影二郎たちの前に現れたのは謎の「猿面冠者」だった。猿面冠者の正体、そして、それを操る「影の人物」とはー。「狩りシリーズ」決定版、騒然の第十弾。巻末に佐伯泰英外伝を特別収録。
小料理屋で働く娘・おゆりを不審な侍が尾行廻していた。不審に思った南町奉行所隠密廻り同心の乾蔵人は、侍の正体を見極めようとしたが…(「未練者始末」)。定火消屋敷の火消人足の死を巡って、旗本と加賀藩が対立。そして、蔵人の腹心・五郎八が何者かに斬られる。忍び寄る敵に蔵人は最大の窮地に(表題作)。小気味いい短編と渾身の傑作中編を収録した会心作。
中国の戦国時代、不老長寿の島・オオヤマトから秦へ向かった青年・シャクチ。“蛮人どもを討伐し、文明に浴させる”とオオヤマト征服を計画する秦の始皇帝の大船団を一人で壊滅させ、項羽と劉邦の熾烈な覇権争いにも与せず、朝鮮半島に国家を樹立する。その脅威を恐れた漢の武帝は大軍勢で朝鮮に侵攻する…。巨大な権力に一人立ち向かい続ける不死身の男の活躍を描く傑作!
結婚相手が松坂姓だったため、思いがけずも某有名女優と同じ名前になってしまった慶子さん。筋金入りの推理好きで、実際の事件でもその能力は抜群。睡眠発作という持病と幼い息子・大輔を抱える彼女が、少し風変わりなシャーロッキアン仲間とともに、不思議な事件の意外な真相を解き明かす。希代のトリックメーカー・柄刀一による極上のライトミステリー連作集。
日本新聞社に特別取材班「チーム・ニッポン」が結成されて一年。次のテーマを探す記者・黒井正義の元に、七年前に失踪した妻・夏美の友人から電話が入る。本人が会いたがっているのだという。そして、夏美の働いているNPO法人の代表が殺害された。事件の真相を追う黒井の前に浮き彫りになってきたのはー。待望のシリーズ第二弾!
深川黒江町の蕎麦屋やぶ浪が売り出した新しい品。小判形のかき揚げをつけた「開運せいろ」は評判も上々だ。ある日やってきた生意気な若い客がその味に難癖をつけた。調べると、男も蕎麦屋だが、客が来ず見世じまい寸前らしい。本物の十割蕎麦しか出さないという男の見世を、やぶ浪のあるじ浪介が訪れるのだが…。美味満載の江戸人情話シリーズ第四弾!
稲木は楢沢莢子への愛に溺れてゆくが、莢子の異性問題から無理心中事件に巻き込まれる。一方、川西は裏口入学金の着服が問題化。派閥抗争に明け暮れる二人のライバル教授がたどり着いた先はー。地位と金と女を追求する教授、巨大な大学資金に群がる銀行、裏金と不正入試。象牙の塔の生々しい実態に迫り、理想を失った最高学府を糾弾する社会派ミステリーの傑作!
城に帰還した父王アンドラゴラスの命により、事実上追放の身となったアルスラーン。五万の兵を集めるまでは帰れぬ運命となった。つき従うのは、ダリューン、ナルサスをはじめとしたわずか七人の側近のみ。一行はパルス随一の港町ギランへー。そこで待ち受けていたのは、海上商人を脅かす海賊たちとの戦いだった。新たな冒険の始まりに胸躍るシリーズ第六弾!
「和菓子」をモチーフに、短編を一作書いていただけませんか?読書家としても知られる『和菓子のアン』の著者・坂木司が、今いちばん読みたい人気作家たちに執筆を依頼。日常の謎を描くミステリーから、壮大な世界観を展開するSF、心温まる優しい怪談まで、さまざまな読み味の作品が揃いました。疲れたときに読みたくなる、宝箱のような一冊。
外国人娼婦殺害の現場に、植物防疫官の甲屋が割り込んできた。日本の稲作を壊滅に追い込む害虫「火の蛹」が、殺された女性によって南米から持ち込まれたというのだ。鮫島は甲屋とともに、娼婦殺害に関わるイラン人の行方を追う。その男は、鮫島が内偵を進めていた窃盗グループの一員でもあったのだ。放火、拉致監禁…。さらに燃え広がる事件に、鮫島が立ち向かう!
手と手を取り合って房州館山から江戸に駆け落ちしてきた三次とおとせ。掏摸にあい、公事師に騙され、おとせに代わり妓楼の女主人に買われた三次。料理屋の女将となったおとせは、「おらもあとから逃げる」という三次の言葉を信じて、ひたすら待ち続けた十年の月日。強引に林之助に口説かれたその日、偶然三次に会えたおとせの心はなぜか二人の間で揺れて…。(「恋情の果て」より)。見栄、嫉妬、未練、欲望…静かに熱く葛藤する女たちを描く、珠玉の時代小説短編集。
19世紀中葉のパリ。急に金回りがよくなり、かつての貧しい生活から一転して、社交界の中心人物となったクレマン。無神論者としての信条を捨てたかのように、著名人との交友を楽しんでいた。だが、ある過去の殺人事件の真相が自宅のサロンで語られると、異様な動揺を示し始める。19世紀の知られざる奇才の代表作、ついに本邦初訳!
宮澤賢治は、親友の女学校教師・藤原嘉藤治から不思議な話を聞く。教え子の父親が、電信柱が歩くのを見たというのだ。まるで、賢治が書いた童話「月夜のでんしんばしら」のように。さらに教え子自身も川を流れる河童を目撃していた。現場を検分した賢治は、驚くべき推理を繰り広げるのだった。心優しき詩人が、数々の怪事件を鮮やかに解き明かす、新シリーズ始動!文庫書下ろし&オリジナル。
北海道東千歳の駐屯地で自衛隊員三人が反乱を起こし、大量の武器を奪い逃走した。三人は過激な地下組織に属することが判明。警察庁直属の秘密捜査官・西城秀夫が、組織潜入の命を受ける。警官殺しの逃亡者として彼らに接近した西城は、北海道の原野に潜む組織の一大戦闘部隊へと乗り込んでゆく(表題作)。疾走する暴力、セックス、破壊。衝撃のハード・アクション!
古今東西、書物にまつわる小説は枚挙に遑がないが、近年は、古書を題材にした作品が注目されている。推理文壇の名匠たちが古書への深い知識と卓抜した技巧を凝らして綴った粒揃いの傑作を収録。好評を博した推理アンソロジー第二集!口絵・江戸川乱歩。
手軽でお洒落。若者たちの間で流行っている薬「アイスキャンディ」の正体は覚せい剤だった。密売ルートを追う鮫島は、藤野組の角を炙り出す。さらに麻薬取締官の塔下から、地方財閥・香川家の関わりを知らされる。薬の独占を狙う角、香川昇・進兄弟の野望…。薬の利権を巡る争いは、鮫島の恋人・晶まで巻き込んだ。鮫島は晶を救えるか!?直木賞受賞の感動巨編!長編刑事小説。
「電気人間って知ってる?」一部の地域で根強く語られている奇怪な都市伝説。真相に近付く者は次々に死んでいく。語ると現れ、人の思考を読むという電気人間は存在する!?ライターの柵馬朋康もまた謎の解明に乗り出すが、複数の仮説を拒絶する怪異は、彼を出口の見えない困惑の迷宮に誘うー。ミステリか、ホラーか。ジャンルの枠を軽妙に超越する鮮烈の問題作!
巨額詐欺疑惑を追っていたジャーナリストが殺害された。内閣情報調査室、通称CIRO国内部の調査官である香月喬は、その死に不審を持ち、独自に事件を調べ始めた。現役代議士や元総理秘書官、警察官僚たちなど政官財の魑魅魍魎の中で捜査を進めるうちに浮かび上がってきた衝撃の真相とはー。骨太の作風で知られる著者が人気作に大幅に加筆修正した「決定版」。