出版社 : 光文社
フリーターの秋川瑞希は、テレビプロデューサーの叔母から、霊能力者・エステラの通訳兼世話役を押しつけられる。嫌々ながら向かったロケ現場。エステラの透視通り、廃ビルから男性のミイラ化した死体が発見された!ヤラセ?それとも…。さらに、生放送中のスタジオに殺人犯がやって来るとの透視が!?読み始めたら止まらない、迫真のホラー・ミステリー。
昭和最後の夏に、札幌で起きた密室連続殺人事件。それは、伝説的な奇術師・吝一郎の復帰公演が発端だった。吝家を覆う殺意の霧の中に浮かぶ忌まわしき宿縁ー。妖艶にして華麗、絢爛という言葉さえ似合う不可能犯罪の連鎖に、若き推理の天才・南美希風が挑む。瞠目せよ!そして驚愕せよ!奇跡を現出して、読者を魅了する本格の旗手が放つ渾身の巨編千八百枚。
矢吹由利子、桑田旭子、弘野香子の花園学園二年生仲良しトリオは試験休みに温泉へ。そこで三人は知り合いの芸能プロ社長と会う。社長はこの街でスカウトした女子高生・三枝千秋を連れていた。デビュー後、たちまち人気者になる千秋だが、彼女には「出生の秘密」があった。一方で、先輩アイドルの納谷しおりが撮影中に急死!三人組は事件の真相究明に係ることに。
小池信江は、亡き夫との思い出の公園を訪れていた。まさに桜が満開の季節。桜吹雪の中、つい眠り込んでしまった信江に話しかけてきたのは、可愛い点目のぶたのぬいぐるみだった。熱を出して倒れたことから、彼女と彼の不思議な同居生活が始まる…(「桜色七日」)。ほか、心優しきぶたぶたが人々に温かな波紋を拡げてゆく、ハートウォーミング・ストーリー全五編を収録。
江戸の町で女が次々と殺された。北定町廻り同心の木暮信次郎は、被害者が挿していた簪が小間物問屋主人・清之介の「遠野屋」で売られていたことを知る。因縁ある二人が再び交差したとき、事件の真相とともに女たちの哀しすぎる過去が浮かび上がった。生きることの辛さ、人間の怖ろしさと同時に、人の深い愛を『バッテリー』の著者が満を持して描いたシリーズ第二作。
小学六年生の奈都は、父の実家で暮らすことになった。とんでもなく大きくて古い屋敷に両親と離れて。気むずかしい祖父に口うるさい大伯母。しかも「片耳うさぎ」をめぐる不吉な言い伝えがあるらしいのだ。頼りの中学三年生さゆりは、隠し階段に隠し部屋と聞いて、張り切るばかりー二人の少女の冒険が“お屋敷ミステリー”に、さわやかな新風を吹き込む。
銀行員ヨーゼフ・Kは、ある朝、とつぜん逮捕される。なぜなのか?判事にも弁護士からもまったく説明されず、わけのわからないまま審理がおこなわれ、窮地に追い込まれていく…。「草稿」に忠実な、最新の“史的批判版”をもとに、カフカをカフカのまま届けるラディカルな新訳。
恋人に別れを告げるために訪れた海辺の宿で起こった奇跡を描いた表題作「月下の恋人」。ぼろアパートの隣の部屋に住む、間抜けだけど生真面目でちょっと憎めない駄目ヤクザの物語「風蕭蕭」。夏休みに友人と入ったお化け屋敷のアルバイトで経験した怪奇譚「適当なアルバイト」…。珠玉の十一篇を収録。
地元弱小新聞の自称エース記者・折原けいに殺人容疑が?京都の裏情報を取材に来ていたフリーライターが毒殺され、接触していた彼女に警察が目をつけたのだ。マイナーな名刹・大悲閣千光寺の寺男・有馬次郎は、容疑を晴らしてやるため、調査に乗り出すがー(表題作)。知る人ぞ知るミステリアス京都と、古都ならではの謎解きの妙味。
数理情報工学の天才、久珠場博士が死去。遺産は百億円にも上るという。遺産は子供三人が相続し、最新の研究成果を収めたディスクが、博士の恩人の子孫に遺されることに。遺書開示の立会弁護士・森江春策の助手・新島ともかは、ある奇縁から、遺族への潜入捜査を開始する。そこには連続殺人の惨劇が待ち受けていた…。凝りに凝ったプロットが光る、本格推理の傑作。
諏訪湖に沈んだ車の中で死んでいた男。そして、政財界の大物を顧客に持つクラブのホステスが刺殺された。作家を名乗り、湖畔に隠れ住む男が、捜査線上に浮かぶが、その動機は何なのか?十津川たちの必死の捜査によって、政敵のスキャンダルを握ることで、日本の政治を壟断せんとする秘密組織の黒い野望が暴かれる!政界の闇をテーマに、巨匠が描く傑作サスペンス。
警視庁組織犯罪対策部の刑事・秋川は、自殺とされた旧友の死に不審を覚える。彼の妻から「夫を殺した連中に狙われている」との電話がー。直後、彼女は謎の失踪を遂げた!独自の捜査を始めた秋川の前に立ちはだかる検察の影、背後で暗躍する暴力団組織…。さらに浮かび上がってきた、四年前の殺人事件の真相とは?一刑事が巨悪に迫る、警察小説の新たな傑作。
殺人を犯した者の詳細な運命がつづられる最終巻。ラスコーリニコフをはじめ、母、妹、友人、そして娼婦ソーニャなど、あらゆる「主人公たち」が渦巻きながら生き生きと歩き、涙し、愛を語る。ペテルブルグの暑い夏の狂気は、ここに終わりを告げる…。
麻布永坂町の高稲荷。蕎麦屋から少し奥に入った局見世の入口に、人の腕が落ちていた。それも二度も。まるで“羅生門”のように。誰が何のために捨てたのか(「茨木の腕」より)。幕末のお江戸で今日も一大事。芝神明の目明し万吉、果敢に挑む。冴えた勘と粘り強い聞き込みで人様から恐れられる岡っ引き。街の裏側にはびこる有象無象を相手に、江戸中を駆け回る人気シリーズ第三弾。
私立鯉ケ窪学園に転校した赤坂通は、文芸部に入るつもりが、何故か探偵部に入部してしまう。部長の多摩川と部員・八橋とともに部活動に励むなか、学園で密室殺人事件が発生!被害者は、アイドルを盗撮しようとしたカメラマン。妙な名前の刑事コンビや、個性派揃いの教師たちが事件をかき回すなか、芸能クラスのアイドルも失踪!学園が誇る探偵部の推理は。
柏木夏美19歳。ロックバンド「ペルソナ・パラノイア」のギタリスト。男の目を釘付けにするルックスと天才的なギターの腕前の持ち主。いよいよメジャーデビューもという矢先、敬愛するボーカルの城戸薫が自殺してしまう。体には不審な傷。しかも、彼の名前は偽名だった。夏美は、薫の真実の貌を探す旅へと走り出すー。ロック&ガーリーな青春小説。
大学二年の夏、サキは母親の計略に引っかかり、大っ嫌いな歯医者で受付のアルバイトをすることになってしまう。個性豊かで、患者に対し優しく接するクリニックのスタッフに次第にとけ込んでいくサキだったが、クリニックに持ち込まれるのは、虫歯だけではなく、患者さんの心に隠された大事な秘密もあって…。サキの忘れられない夏が始まった。
牧村伸郎、43歳。元銀行員にして現在、タクシー運転手。あるきっかけで銀行を辞めてしまった伸郎は、仕方なくタクシー運転手になるが、営業成績は上がらず、希望する転職もままならない。そんな折り、偶然、青春を過ごした街を通りかかる。もう一度、人生をやり直すことができたら。伸郎は自分が送るはずだった、もう一つの人生に思いを巡らせ始めるのだが…。
信彦は、中学生の頃からいじめに苦しむ清志をずっと助けてきた。清志はある日、街角の質流れ品屋で見つけた壊れかけたギブソンのレスポールを手に入れる。その日を境に二人の間には決定的な溝がうまれた-学校での恐ろしい毎日を、ぼくは息を殺してやり過ごした。あのギターと出逢うまでは-幻想と恐怖の分水嶺に挑む、著者の新境地。