出版社 : 勁草書房
甘く、切ない彼女たちの“秘密”。全米図書賞最終候補、ペン/フォークナー賞受賞、最注目アフリカ系アメリカ人作家による初短篇集。 毎週月曜に訪れる愛人の牧師のため母はピーチ・コブラーを作り、オリヴィアは彼を神と信じる。牧師夫人に恋焦がれる少女ジャエルとその日記を盗み読む曾祖母。母を献身的に介護するも名前を呼ばれない娘──自らの欲望に従うこと、教会、母娘の葛藤を親密に描き、全米を魅了した4世代・9つの彼女たちの物語。解説=小澤英実・榎本空 【原著】Deesha Philyaw, The Secret Lives of Church Ladies(West Virginia University Press, 2020) ユーラ EULA ノット=ダニエルーーダニエルではない男 NOT-DANIEL ディア・シスター DEAR SISTER ピーチ・コブラー PEACH COBBLER 降雪 SNOWFALL 物理学者との愛し合いかた HOW TO MAKE LOVE TO A PHYSICIST ジャエル JAEL 既婚クリスチャン男性のための手引き書 INSTRUCTIONS FOR MARRIED CHRISTIAN HUSBANDS エディ・リヴァートがやって来る時 WHEN EDDIE LEVERT COMES 謝辞 解説 ハガルの娘たち(榎本 空) 彼女たちの欲望、その名づけえぬもの(小澤英実)
植民地期末期から直後の朝鮮、台湾の人々の出会い=接触を記録・文学を通して分析、他者化と比較が生じない出会いの可能性を探る。 被植民者同士は植民地的尺度に基づいた比較なしに出会えるか。脱植民地性と他者性は共存できるか。日本帝国植民地末期から終戦直後にかけて朝鮮、台湾、日本において書かれた記録文学、座談会、ビラや新聞記事、風聞などを分析し、暴力と支配のなかで不可能ながら存在した被植民者たちの共鳴と連帯、抵抗の身振りを拾い上げる。
戦時下で、難民となった人びとは何を食べていたのか。卵と生クリームなしのマーブル戦争ケーキ。停電で溶けだした冷凍庫の肉で銃弾に怯えながら催すバーベキュー大会。第一次、第二次大戦、ユーゴスラビア内戦、コソボ紛争…戦争の絶えないバルカン半島に長年住む著者が戦火のレシピを集めた。食べ物とは思い出のこと。料理とは甦りのこと。繰り返される歴史のなかの、繰り返しのない個人の人生の記憶と記録。
したたかで賢いシンデレラ、近親姦の匂いがする白雪姫、メタファーを読み解くと、謎めいた行動の真意が判明し、従来の通説を覆す解釈が浮上。日本に導入される過程で加えられた改変も分析し、新たな解釈を提示する。
本書では、1941年12月の日本軍によるマレー半島占領から始まり、当時16歳のラザク青年がマラッカの興亜訓練所で日本語を学び、南方特別留学生に抜擢されて来日、広島文理科大学で原爆に遭遇し、わずか1年半の日本留学を止むを得ず中止して帰国するまでの、太平洋戦争に重なる4年間の青年時代をとりあげている。
日の東より出ずるごと必ずや来たらん我が時代…。第二次世界大戦前夜のビルマ、高まる独立闘争のうねりの中、悩み、模索しながら、やがて抗日闘争に決起する青年の恋と青春の軌跡を壮大なスケールで描いた長編。(全三巻)