出版社 : 勉誠社
古代・中世の日本において、書物を読み、解釈し、伝えていくことは、限られた人びとにのみ許される特権的な営みであった。 特に中国大陸ないしは朝鮮半島経由で伝えられた漢籍(漢語で書かれた書物)は、国家を支える政治や法、さらには思想や文化体系を伝える最先端のものとして重要視された。 中国の文化全般を学ぶことを目的としたこれらの学問ー漢学ーは、国家の制度のなかにも位置付けられ、それを担う家では、書写・刊行された諸種の漢籍を入手し、独自の学問を形成していった。 書物に残された注釈の書き入れ、来歴を伝える識語、古記録や説話に残された漢学者の逸話など、漢籍の読書の高まりをいまに伝える諸資料から古代・中世における日本人の読書の歴史を明らかにする。 貴重資料の図版収録点数総50超!
栄華を誇った藤原道長の目にとまり、その娘中宮彰子の女房として仕えた宮廷生活の記録だけではなく、鋭い人物批判と、自己の内面を告白した稀有な日記文学。 紫式部と紫式部日記を理解するための充実の附録付き。『正訳 源氏物語 本文対照』に続く、平安文学研究の泰斗による本文対照で読める現代語訳、第二弾! 本書は親王誕生を中心とする宮廷行事、自己の反省や告白をもつづる深い人間性などが記された、『源氏物語』作者による、唯一の生活記録。 女流日記文学の傑作として必読の書である。 【本書の特色】 ◎美しく正しい日本語にこだわった、読みやすい現代語訳。 ◎本文を忠実に訳し、本文と訳文を対照できる本文対照形式。 ◎本文の敬語の語法を重視し、その語りの口調を活かして全文を「ですます調」で訳す。 ◎訳文に表わせない引歌や、地名・歳事・有職・人名などの説明、あるいは和歌の技巧などの解説を上欄に簡明に示す。 ◎訳文には適宜段落を設け、上欄に小見出しをつけて内容を簡明に示す。 ◎巻末に紫式部日記の理解を深めるための附録を掲載。 紫式部日記 附録 解説 登場人物要覧 紫式部日記参考系図 紫式部年表
人びとは何を読み、どのように学んできたのかー。古代・中世の日本において、書物を読み、解釈し、伝えていくことは、限られた人びとにのみ許される特権的な営みであった。特に中国大陸ないしは朝鮮半島経由で伝えられた漢籍(漢語で書かれた書物)は、国家を支える政治や法、さらには思想や文化体系を伝える最先端のものとして重要視された。中国の文化全般を学ぶことを目的としたこれらの学問ー漢学ーは、国家の制度のなかにも位置付けられ、それを担う家々では、諸種の漢籍写本・刊本を入手し、独自の学問を形成していった。書物に残された注釈の書き入れ、来歴を伝える識語、古記録や説話に残された漢学者の逸話など、漢籍の読書の高まりをいかに伝える諸資料から古代・中世における日本人の読書の歴史を明らかにする。