出版社 : 南々社
<日清・日露戦争から、太平洋戦争へ 戦争の真実に迫る高校生たちの物語> アメリカ・トルーマン大統領は、広島の原子雲の写真を見せられて、 『原子雲の下に女と子どもがいるのか、そんなばかな』と絶句した。それはーー 東京の高校二年生6人が修学旅行で広島の似島を訪れることから始まる物語。 似島は日清・日露戦争では検疫所の役割を担い、原爆投下後にはおおくの被爆者、 それも幼い子どもたちが運ばれてきた島です。 1万2000発の核兵器をつかわせないために、高校生たちは歴史クラブを立ち上げ、 明治から昭和にかけての歴史を学び、真実をひも解いていく。 日清・日露戦争はだれが仕掛けたのか? どうして太平洋戦争はすぐに終わることができなかったのか? なぜ広島に原爆が落とされたのか。 本書は、歴史書と青春小説が融合し、近現代史が小説で学ぶことのできる作品です。 プロローグ 第一章 修学旅行は旧宇品線 第二章 似島の悲しみから 第三章 広島で大惨事を見据えた男 第四章 高校生たちの淡い恋心 第五章 雨降る横須賀の戦艦三笠 第六章 日比谷で青春の歴史クラブ発足 第七章 日銀の改造紙幣から大陸侵略へ 第八章 生と死は神様が決めるの 第九章 二十分の空白から大戦争へ 第十章 初日の文化祭で戦禍を語る 第十一章 そんなばかな エピローグ
<僕の思いがあなたに届くのは何時だろうか> 古希を迎え、体の衰えと向き合う日々を過ごすトシ。ある日、青春時代の思い人・蘭子と半世紀ぶりに再会。彼女のいまの境遇、そして「被爆2世」だと知ったことをきっかけに、現在の平和に対する思いが過去の記憶とともに溢れ出すーー。 ヒロシマに生きる作家の静かな怒りと、祈りを込めた物語。 核兵器廃絶を願う、紙礫(かみつぶて)。