出版社 : 南雲堂
鋭人のところに、家を出て五日間連絡を絶っていた友人の結樹が持ってきたのは、噂だけで存在が疑われていたインディーゲーム「千年王国」だった。翌日、問題がないか先に調べると言ってゲームを持ち帰った担任の木内も無断欠勤をしていた。新しいディスクを持って再び現れた結樹の誘いに従い、鋭人はゲームの世界にのめり込む。ログインしたゲームの中は妙な違和感があるものの、現実と変わらない世界だった。 奇想ミステリーで鳴る山田彩人の真骨頂を堪能できる最新作!
アインスタイン来日に沸く大正11年。歯科医の悠木丈史は白昼夢から目覚めると一週間先の時間にいた。そして庭の焼却炉には人が入れられていた。友人の小説家・藤江に相談にいくと自分がバスにひかれて重体だという噂を聞いたという。一週間の自分の行動を遡ってみるが、周囲の人々からはとても自分とは思えない自身の行動を聞かされる。
数多くの「死に役」を演じ「ダイプレイヤー」と称された役者・忍神健一。その役者生活四十周年を記念するセレモニーを開催することに。それに乗じて役をもらおうと集まる一癖も二癖もある役者の卵たち。イベント準備中、不可解な事象が続くなか足跡のない雪のバンガローで関係者の変死体が発見される。
槙野・東條シリーズの最新作!家族が惨殺され一人生き残った少女は、19年後、小さな情報をもとに事件解決に挑む! 突然事務所を辞めた早瀬未央が行方不明になったと母親から依頼があった。槙野と弁護士の高坂は捜索を始める。早瀬は19年前に両親と兄を押し入った男たちに殺されていた。槙野は捜査一課の刑事・東條有紀の力を借りて当時の事件を追ってゆく。そのさなか槙野が面談した相手が毒殺される事件がおこる。
大学卒業後定職につかずバイト生活をしていた山中幸太は父から将来について問われると、勢いで料理人になりたいと応えてしまう。すると父から旧知の料理屋「天倉」を紹介され、バイトすることになる。やる気のない幸太だが、出入りの魚屋「海原鮮魚店」の娘、海原波美や天倉五助のもとで修行をしたかった料理人、川上洋子との交流のなかで料理人になるという思いが強くなっていく。
栃木県の片田舎に小さな村があった。その村には“アヤの祟り”という言い伝えがあり、アヤという名の女性が村に入ると禍が起こるというものだった。現在村は“梅屋敷”と“藤屋敷”の二つの家を中心に動いていた。東京から戻ってきた“梅屋敷”の跡取り和壱が、密室内で拳銃自殺を遂げた…。
会社社長が渋川市の自宅で殺害された。その右手の近くにはスペードのエースが置かれていた。事件を担当する捜査一課二係の浜中康平は麻薬取締官から被害者が麻薬取引にかかわっている可能性があり、半年前から自宅をカメラで監視していたとの情報を得る。カメラの映像を見せてもらう浜中達だが、そこには犯人と思しき人物は映ってはいなかった。
湾岸の高層オフィスビルの屋上にバラバラ死体が入ったスーツケースが置かれていた。その場所へは警備システムが完備した屋内非常階段を上がるか、ヘリコプターで空からアクセスするしか方法がない。だがいずれもその形跡がなく、死体がどうやって運ばれたか特定できないまま捜査は難航する。令和X年、クルマが東京の空を飛ぶ!!空飛ぶクルマ『エアモービル』研究開発の光と影をえぐる本格ミステリー。
晴海埠頭でバラバラにされた遺体が発見された。さらに遺体には「生ゴミ」と張り紙がしてあった。警察発表を聞いた夕刊紙の記者、工藤夏美は一年前の殺人死体遺棄事件の容疑者の知人であると気づき、捜査一課の刑事・東條有紀に接触する。二人は互いに情報を交換しながら事件の真相へと近づいていくが........
宮村は店舗設計を任されているコルバカフェのオーナー神谷から龍神池近くの別荘にコルバカフェの社員たちと共に招待される。しかし、道路に繋がる吊り橋が斜面の崩落によって落ちてしまう。山道を迂回すれば戻ることが出来ることから落ち着いていた一同だが、深夜密室状態の部屋で神谷が殺されていた。
綾鹿市動物園で行われるチタクロリンのコンサート。予想以上の集客で混乱する中、メンバーの飯岡十羽が撫でようとしたレッサーパンダに指をかみ切られてしまう。チーフ警備員の古林新男は綾鹿署の刑事・谷村の聴取に応じるうちになし崩し的捜査に協力していく。そして関係者が次々に襲われて指を切断される事件が続いていく。
麻衣は大学の友人・弓の結婚式に出席するために島根県の山奥の集落へ向かう。そこはニシのミズチがヒガシのお姫様と結婚を望み、天狗に討伐されたという言い伝えが残る因習的な村だった。70年前のニシとヒガシの結婚式、不可解な弓の言動、麻衣が夢でみていた景色と同じ情景。麻衣は困惑の中で華燭の典が始まる。
ファンとの交流会を豪華客船で行う企画を受けたミステリー作家の高沢のりおだが、クルーズ中に客船にまつわるトリックを二社分作らなくてはならなくなった。高沢は友人でかつて航空機に関わっていた倉崎に同行をたのみ、彼の工学的な知識に頼ろうと考える。高沢の苦難の旅が始まる(『クルーズはミステリーとともに!』)。念願の旧いBMWを手に入れた映像作家の深川は友人たちに自慢するためドライブに誘う。旧いクルマ特有の問題に悩まされながらも楽しんでいる深川だが、友人の警察官僚・園部からクルマに関する謎を相談される(『ドライブは旧き良きクルマとともに!』)。
ホラー作家の失踪、酒蔵関係者の連続惨殺事件、そして9年前の奇妙な依頼。真相は螺旋の記憶の奥底で蠢いていた。 鏡探偵事務所を訪ねてきたのは、9年前に奇妙な依頼を持ち込んだ女性だった。「失踪した息子を探してほしい。息子の失踪には前回の調査が関係している」とーー。 当時の調査記録を元に調査を開始した槙野だったが、9年前の調査で訪ねた人物が2年前に塩素ガスで殺害されていたことが判明。 一方の東條は、奥多摩の山中で発見された凄惨な逆さ吊り殺人事件を追っており、報道で被害者の身元判明を知った槙野から、その被害者が9年前に調査した案件の関係者であることを教えられるのであった。 長らく島田荘司氏に私淑してきた著者が放つ「本格ミステリー・ワールド・スペシャル」中の斬新かつ渾身の第6弾!