出版社 : 双葉社
富生が故郷の館山を離れ上京してから20年以上が経った。母が亡くなってからほとんど帰省することがなくなった実家には、78歳の父が一人で暮らしている。その父の様子が最近おかしい。久しぶりに実家を訪ねた富生が目の当たりにしたのは、父の「老い」だった。不安に駆られた富生は父との同居を決めるが、東京には付き合って8年になる恋人がいて……。
シェパードやドーベルマンなど、訓練を受けた優秀な番犬を自宅に迎えられる「レンタル番犬サービス」。番犬たちの散歩や健康管理は、「スマイルペットサービス・マキタ」の優秀なスタッフにすべておまかせ。利用者は手間なく、日々の安全と癒しを手にすることができる。ただし、月額十万円。高齢のひとり暮らしや女性ばかりのシェアハウスなど、さまざまな事情を抱えた人々に、番犬たちは静かに寄り添い、家を守る。心強い存在によって、利用者たちの毎日が鮮やかに彩られていくーー。犬と人との幸せな絆の物語。
気づかぬうちに犯罪の片棒を担ぐことになってしまった「私」は、共に逃亡することになった手塚という男と話すうち、幼少の頃、解けないはずの謎を解いてしまったことを思い出す。それはノストラダムスの大予言に世間が騒然としていた1998年の思い出。ひと夏立ち寄った海沿いの町で、かつて「ぼく」だった「私」はかけがえのない友人と出会い、償うことの出来ない過ちを犯した。「私」は過去と向き合うため、記憶が眠るその町に向かうことになる。人間として思考し続けることの尊さを突き付ける、ジュブナイル×暗号ミステリ!
魔法が大好きなレシュマがひとめぼれした婚約者・スティーブン。その正体はなんと……女の子がだ〜い好きなクズ男!?彼の心ない言動に傷つけられるも、初恋を忘れられず自分を押し殺す日々。そんな中、超優秀魔法使いとして名高いウォルターによる魔法の授業だけが彼女の心を癒すのだった。ある日、小さなきっかけからスティーブンへの不満が限界に達したレシュマは、ウォルターに心の内を吐露してしまう。それを聞いたウォルターが提案したのはーー”初恋を忘れるため”の魔法修業!?さらにレシュマには新たな恋の予感が訪れる!
いよいよ最強を決めるトーナメント「闘天 TOUTEN」が始まるが、そこに丹波文七の名前はなかった。道田薫に出場を打診されたのだが、答えを保留していた。文七はトーナメントに出る翁九心と闘いたかった。かつて梅川丈二と文七の試合直前に梅川を野試合で壊したのが翁九心だ。だが、道田が主催する大会に出ることは彼の飼い犬になることで、気が乗らない。そんな文七の心を道田は見抜いていた。そして、道田は翁九心と過去に何があったのかを文七に語り出すーー。世界最長の格闘小説、いよいよ最終章に突入!
〈一気読み大賞〉第1位の前作『間宵の母』の続編。前作で孫娘の思考を含め身体を乗っ取った間宵己代子が、今度は寄生先を、自分に復讐しようとしていた十八歳の青年・栢原蒼空に乗り換え「生きることこそわが宿業」と、なおも生き続けようとする。著者最恐のホラー・ミステリー。書き下ろし作品。
世界のいろいろな国で事件を解決してきた赤ずきん。そんな「赤ずきんシリーズ」の第4弾が登場! 今作では「うさぎとかめ」「オオカミ少年」「アリとキリギリス」といった教訓話で知られるイソップ童話の世界で事件が起き、赤ずきんはこれまで同様死体と出会います。シリーズ史上最高の伏線回収にも注目です。
戦国筑後の盟主・柳川の蒲池家。嫡男の鎮漣はその気弱な性質から姫若と揶揄されて育った。永禄元年(一五五八)毛利元就の豊前侵攻により北部九州は乱れ、大友家からの離反者が続出。だが、佐嘉の龍造寺が毛利と画策した「大友包囲網」は大友に仕える鎮漣の活躍によって崩れた。結果、大友・龍造寺・島津の勢力争いはあたかも大陸の三国時代かのように拮抗し、裏切りも横行するなか、領主・鎮漣の戦いはひたすらに柳川の民を守るためにあり。殺戮増やすまじ。弱肉強食の時代に一筋の光を放つ名君の、知られざる感動の一生。
公爵令嬢ローゼリアは、学園の卒業パーティーで親友であるアンジェラをバルコニーから突き落としたとして断罪され、その場から逃げ出したところを馬車に轢かれてしまう。そして死の間際、アンジェラに騙され、貶められていた事実を知る。そうしてローゼリアは絶望と後悔のうちに人生を終えたーーはずだった。 次に目覚めると、ローゼリアは二年生になったばかりの頃に回帰していた。 婚約者候補リアムの協力の元、前回の反省を生かしながら、ローゼリアはアンジェラへの復讐を始めるがーー!? 嫌われ令嬢の復讐譚、開幕!
精霊王たちのうっかりミス(?)で、創造神が降臨してしまった!久しぶりに現れた創造神に神獣たちはでれでれで、ネマの嫉妬が大爆発!? そして創造神から、この世界や愛し子の秘密を聞き出したネマはついに決心する。転生するときの約束、『人間を滅ぼすかどうか決めて欲しい』の答えをーー。 世界の命運を握っていてももふもふなでなでしちゃいます!な大人気異世界もふもふファンタジー、盛り上がり最高潮の第19弾!
魔王討伐の勇者パーティーの補佐役として異世界に召喚されたマーギン。彼は最終決戦の中、なぜか魔王の核を撃ち抜いた直後に仲間から石化魔法を掛けられてしまう。、石化が解けたのは数千年後であった。優しい人々に助けられつつ冒険しながら時々やらかしをして周りを驚かせたり、弟子を取ったり、偉い人に目を付けられたりするも楽しい日々を過ごしていたが、何やら近頃、魔物の討伐依頼や調査依頼が増えているようで……。千年後の世界で新しい人生を歩む異世界冒険ファンタジー! 第12回ネット小説大賞グランプリ受賞作です。
最愛の妹・リリスと離れて暮らすことが決まったルルク。冒険者として自立し、必ず迎えに行くと決意を固めた。リリスとの別れの日、突如長い黒髪の美少女がルルクたちの前に現れる。彼女は「神秘王」ロズーー。次々と護衛の兵士たちを倒し、遂にララハインまでも戦闘不能にさせてしまう。あまりにも強大な力に恐れおののくルルクだったが、ロズはルルクに問いかける。あなた、私の弟子になりなさいーーと。第12回ネット小説大賞受賞作、第二弾!
「神山藩シリーズ」で人気の著者による戦国歴史ロマン小説。豊臣秀次の遺児である孫七郎は、「大坂の陣」前夜、大坂方の密使として全国に散らばる牢人たちを説得する役目を受ける。家臣の源蔵、そして大坂方からの目付である左門とともに、最初に向かったのは紀州・九度山に蟄居する真田幸村のもとだったーー。なぜ父や兄弟たちは無残な死を遂げたのか、己は何者なのか。若者は旅を通して自らに向き合い、そして成長していく。戦国の烈風にさらされながらも、前を向き歩く若者たちの物語。
鳴神冴良が営むお弁当店「ききみみ堂」には、特別な「しふく弁当」がある。依頼主の事情や想いを仕立てた、心を届けるお弁当だ。「育休明けの仕事と家庭の両立に悩む同僚へ、そっと応援する味を」「新しい生活になじめずひとり落ち込む大学生に、元気をくれる一品を」「亀裂の入った親子の仲を修復するお弁当を」。冴良が作るやさしい味わいが心に染みわたり、食べる人の背中をそっと押す。ひと口食べれば、心がほどける。 あなたの想いを、お弁当に詰めて届けます 。小さな包みに込められた、あたたかな絆の物語。
政略結婚で結ばれた夫婦、クロヴィスとアネット。そんな2人に、養子として引き取られたフィーナだが……ある日、突然すべてを理解した。 ここは前世で大好きだった小説の世界。しかも両親はクロアネ……つまり最推しカプだと!!原作小説では心がすれ違い離縁してしまう2人だが、絶対そんなことはさせない! フィーナは幼女のふりをして、2人の仲を取り持つことに。しかし推し愛が爆発すると、大人顔負けの早口で萌え語りしてしまい……結果、クロアネの魅力がどんどん広まっていく!? 両親大好き幼女の推し活×家族愛コメディ!
リゾルト=ロバルディア王国を魔獣の大移動から救った、魔除けの聖女・アンジェリーナと隊長・ジルベルト。 国外追放になり旅に出た2人は、依頼を受けセザイア帝国に魔獣を狩りに行くことに。 セザイア帝国の公爵子息・ラシムールとも協力して魔物を狩ることになるが、日を追うごとに仲良くなるアンジュとラシムールの様子にジルベルト隊長が嫉妬して…!? 思わぬライバルの出現で、想いを伝え合ったものの、ぎこちない関係が続いていたアンジュと隊長の関係が急加速‼ 糖度アップの第2巻‼
侯爵令嬢カーラーは、妊娠を告げられた直後に前世の記憶を思い出した。自分の婚約者アシュリーは、乙女ゲームのヒロインと仲を深め、奪われる運命。 彼女はゲームの前作の悪役令嬢フェリーに助言を求めつつ、アシュリーから離れて暮らすことを決めるが……。 妊娠したことで運命が大きく変わりだす、新たな悪役令嬢の物語。
31歳の松谷遼平は会社の懇親会で8歳下のアルバイト・隠善つくみと初めてまともに話すと、奇妙な感覚に襲われる。……この人は俺に会いに来たんじゃないか? 遼平は幼少期、生死の境を彷徨ったことがある。その記憶とつくみとが不思議と繫がってくる。遼平がつくみと結婚すると、別れた恋人の友莉が失踪してしまう。その捜索によって知った関係者の出自や記憶が大分のある地域に奇妙に収斂し、人間関係が因縁めいた連環の形となっていく。やるせなさ、ずるさ、だらしなさが随所に描かれながら、どこまでも澄んだ読み心地がする物語。
風汰が中二の時に授業の一環で行われた職場体験。「子どもとあそんでいればいいってこと?」と安易な気持ちで保育園を選んだが、のちにまさかの保育士に。しかも勤務先は、夜間保育園。仕事と育児に追われるシングル保護者、自身も一人の母親である保育士、そして自宅を改築して夜間保育園を開いた園長。様々な想いに触れながら、風汰も保育士として成長してゆく。子どもを幸せにするには、親も幸せにならないとーー。都会の片隅で、夜の保育園が灯す温かな光を描いた物語。