出版社 : 双葉社
身代金受け渡しの日時を目前に控え、捜査を指揮する神奈川県警の巻島は、被害者家族と警察の間に言いしれぬ溝を感じ取っていた。被害者家族の協力のもと捜査態勢を敷く神奈川県警だったが、それを嘲笑うかのように裏では犯人側の真の計画が進行していたーー。姿の見えない犯人を追う警察、巧妙な罠を張り巡らす犯人グループ、子どもの命を救うため葛藤し続ける被害者家族。三者は互いに牽制し合い、前代未聞の攻防を繰り広げる。そして迎える結末とは!? ミリオンセラーを記録した警察小説の金字塔、渾身のシリーズ第二弾!
夏休み、征人は息子の加奈太を誘い、故郷の島にやってきた。征人はたちまち30年前の日々に引き戻され、加奈太はキャンプに参加する。飛び込みに熱中し、ケンカで殴り合い、自意識を持てあまし、初恋に身を焦がし、友情を知り、身近な死に直面する……。思春期の少年が、心身すべてで感じとったものを余すことなく描いた成長物語。
涙の再会、微笑ましいスレ違い、喜びの因縁……。バイクとツーリングを通して描かれる人間模様、人(ひと)が旅(たび)する意味と人情の機微を掬い上げる珠玉の短編集。単行本未収録の7編を文庫化に際し追加収録。
熾烈な労働争議が続く「本多銃砲火薬店」の工場に勤務する、花城佐紀子の姉・由記子が、遺書を遺して失踪した。社長の一人息子の本多昭一と心中するという。失踪から二日後、昭一の遺体は発見されたが、由記子の行方はわからない。殺人犯として指名手配を受けた姉を追い、由記子の同僚でもある恋人の豊島とともに佐紀子は必死の捜索を続けるが、工場でさらなる事件が起こる。第14回日本推理作家協会賞を受賞した傑作長編ミステリー。
神様や妖怪をゲストとして迎える出雲のお化けホテルに就職した時町見初。気がつけば見初も社会人二年目。少しずつ仕事にも慣れてきた。しかし、陰陽師の名家・「四華」の一つ、蓮沼家の跡取りおぼっちゃまや、海外からやってきた死神と、ホテル櫻葉は今日も不思議なお客様で大賑わい。やはり今日も、見初は大切なゲストをもてなすため、東奔西走することになってしまいーー。シリーズ続々、重版出来! 笑って泣けるあやかしドラマ、待望の第四弾!
人間だけでなくあやかしたちも訪れる喫茶店「万葉茶房」で働き始めた高校生の草壁彰良は、奈良での生活にも慣れてきていた。夏休みが終わろうかという8月の終わり、彰良がいつものようにあやかし相手に歌を披露していると、観光客風の男が喫茶店を訪れる。津田と名乗ったその男はあやかしの名を口にすると、無言のプレッシャーをかけて立ち去った。不穏な空気を感じつつ、彰良は2学期を迎えることになったー奈良の喫茶店を舞台に、あやかしと人間たちの交流を描いたハートフルストーリー第2弾。
赤赤裸々に綴られた不倫の詳細。偶然見つけてしまった妻の日記を盗み見た夫の、苦悩と予期せぬ効果を描いた「不倫日記」。アダルトサイトの動画に、高級官僚である上司の美人妻のあられもない姿を見つけた男が、あわよくば恩恵に与ろうと女を誘い出す顛末を描いた「淑女に棲む淫虫」。日常のありふれた生活からほんの少し逸脱したために、さまざまな形で陥ってしまう性愛の世界を描いた傑作オリジナル官能短編集。
"浦賀で暗躍する武器弾薬の密貿易一味を、馬庭念流の剛剣で押さえた幕府の密使・不知火隼人。だが、頭目の男は江戸城に護送される途中で舌を噛んで自害し、関与が疑われた札差の出雲屋も一家皆殺しされた。大奥御年寄・歌橋から伊賀者が操る門外不出の火器を授けられ、黒幕を追う隼人に、妖艶な女が近付いてくる。剣戟の名手による伝説の娯楽大作、装いも新たに登場!"
菩提寺改築を好機ととらえ、正紀と正広の失脚を図る建部と正棠は、執拗に第二、第三の罠を仕掛けてきた! 思いもかけない策謀にはまり、窮地に陥る二人。はたして建部らの悪巧みを斥け、無事改築をなし遂げられるのか!? 二か月連続刊行・シリーズ第五弾!
第34回小説推理新人賞受賞作家のデビュー作。「天下の台所」として活気溢れる幕末の大坂を舞台に、町奉行所の心優しい青年同心・鳳大吾と、梓巫女見習いの活発な少女・お駒が手を組み、数々の事件を解決していく。町の風物に根ざしたユニークな謎と、事件の中で明かされていく庶民の人情が、心を揺さぶる一冊!
"赤坂宿で土地のやくざの抗争に駆り出されそうになるもなんとか逃げ出した巳之吉は、赤坂から遠ざかるべく先を急ぐが、橋の袂で下りた河原でお峰という女と知り合い、岡崎宿まで同道することに。奉公の年季が明けて生まれ在所に帰る途中だというお峰だが、思わぬ事実を打ち明け、巳之吉にある願いを託してくるーー。愛嬌たっぷりの若旦那が繰り広げる、笑いと涙の珍道中! 時代劇界の超大物脚本家が贈る人気シリーズ第三弾!!"
算術家として身を立てるため、「天文方」の採用試験を受けることを決意した柏木新助。与えられた課題は、ひと月後に起こるとされる月蝕の正確な予測だった。偶然再会した旧友の俊芥とともに、課題に挑むことにした新助は、北城家の庭に小屋を建てて観測機器を持ち込み、さっそく月の観測を始めるが、ボヤ騒ぎが起こるなど、何者かに妨害されてしまう。静かな感動を呼ぶ、大朝目の新鋭のシリーズ第二弾!
パンク歌手として世に蔓延る嘘や欺瞞と闘った日々も今は昔。40代半ばとなった吉永は、下請けコピーライターとして、養育費の支払いに四苦八苦する毎日だ。ある日、今や紅白歌合戦に出場するほど出世(堕落?)したかつての相棒から久々に電話がかかってきてーー。たとえ中年と呼ばれる歳になっても未熟さと決別できない、すべてのできそこないたちに送る、永遠の青春小説。
昭和30年代の名古屋の繁華街・大須。何でもありのごった煮の街で終戦直後に生まれた碧は母親と二人、つましくも幸せな日々を送っている。将来、映画監督になることを夢見て、アルバイト代で映画館に通う碧。そんなある日、一人の男が母娘の前に現れるーー。街を行き交う市電の優しい揺れに乗せて描く、少女のゆるやかな成長物語。
母は死に、父は人を殺したー。五歳で伯父夫婦に引き取られた峰岸晄は、中華料理店を手伝いながら豊かさとは無縁の少年時代を過ごしていた。心に鍵をかけ、他者との接触を拒み続ける晄を待ち受けていたのは、学校での陰湿ないじめ。だが唯一、同級生の木下怜菜だけは救いの手を差し伸べようとする。数年後、社会に出た晄は、まったき孤独の中で遂にある計画を実行へと移していく。生きることに強い執着を抱きながらも、普通の人生を捨てた晄。その真っ暗な心の底に差す一筋の光とは!?衝撃のラストが心を抉る傑作長編。
十五歳ながら経歴はワケありの尾崎由美は、大企業グループトップ・風祭信代の孫・歩美の身代わりとなった。信代やその周りは歩美と会ったことがないため、由美はすんなり迎え入れられる。慣れない“お嬢様生活”に苦戦する由美だったが、正体を暴こうとする者が動き出し…。歩美の存在が消された理由、由美の周りで次々と起こる事件の真相はー大人でも子供でもない、冷静だけど果敢な少女を待ち受けていた運命は!?予想のつかないノンストップサスペンス。
ここ渋谷で“悪意”と戦っているーー。行人が出会った制服姿の香砂はそう言った。彼女は世間を震撼させる連続事件現場に必ず現れることから、刑事に追われていた。 “悪意”とは何なのか? 香砂の目的は? 学生の行人と少女を追う刑事。二つの追跡行はやがて交錯し、衝撃の結末へと至る。青春ミステリー・サスペンスの傑作!
武装市民団体との死闘から生還した公安0課作業班員・瀧川。だが、幹部と約束していた少年課への異動は一向に叶わず、さらに、共に死地を潜り抜けた藪野が行方不明になったとの凶報がもたらされる。藪野の安否に揺れる瀧川は心ならずも0課に復帰。左翼系環境団体を探るため大学の聴講生になりすました瀧川に、20億円の最高級ルビーがミサイル取引に使われるという衝撃情報が飛び込んでくる。超人気ハードアクション、怒濤の第2弾!
1月の仕事始めの日、『城之内相談事務所』に前世を知りたい、という少女・梓が現れる。朋美と所長の城之内、バイトの海斗は梓と一緒に”いつも夢に出てくる”という清水寺に向かうが、梓は「何か違う」と。城之内の「京都にはもうひとつの『清水の舞台』がある」という一言で、4人は『狸さん』へ向かうがーー大人気キャラミス、第二弾!