出版社 : 双葉社
11月になり、『やおよろず』の辺りも寒さが厳しくなったきた。中秋の名月は過ぎたがお月見をすることになり、天、燦、因幡とともに準備を進める芽衣。近くの野原にススキを調達に行った芽衣は、鹿屋野比売神という神様に出会う。彼女は「夫も天さんにお世話になっている」と言うがーー日本中の神様がお伊勢参りにやって来る宿『やおよろず』を舞台に、神様との心温まる交流を描いた大人気シリーズ。
神様の通う甘味処『甘露堂』で働く瑞樹は、五山送り火を見に行っていたところ、神様を憎む『ナリソコナイ』に遭遇してしまう。危害を加えようとするナリソコナイから逃げていると、ある神様が救いの手を差し伸べてくれー。京都×神様×甘味のハートフルストーリー第三弾。
桜の季節とともに、町中の至る所でひときわ目を惹く新人OLたち。真新しいスーツに身を包み、弾けるような笑顔を振りまく彼女たちに、男は癒やされ、淫心をくすぐられる。そしてひょんなことから、スーツの下の瑞々しい肢体と思う存分戯れる、望外な幸運が訪れるなんてこともあってー。初々しくも妖しいフレッシュOLと、その姿に魅せられた男たちが織りなす、極上のエロティック・ストーリー。
あなたのセックスではイケないのーそんな捨て台詞とともに妻に家を出て行かれて以来、男としての自信をなくしてしまった35歳の田辺清太郎。会社も辞めて、便利屋集団『よろず屋』に入った清太郎だが、不用品回収を頼んだ人妻や、引っ越しの手伝いをしたOLに誘われるまま、関係を持ってしまう。それをキッカケに「女性専用のお助けマン」になった清太郎は、女性たちの淫欲を次々と満たしていく。オリジナル回春エロス。
三人の侍と斬り合いをしていた、初老の武士と若い娘を助けた源九郎と菅井。初老の武士からお礼かたがた声をかけられ、源九郎は彼がかつて自分と同門で、剣の腕を競い合った戸坂市三郎であることに気づく。戸坂は上州高崎で馬庭念流の道場の師範代をしていたが、師匠が一刀流の遣い手に暗殺され、敵を討つため、師匠の娘と江戸に出てきたという。源九郎たちは戸坂と娘をはぐれ長屋で匿い、仇敵を探り始める。大好評シリーズ第四十二弾!
裏小路で居酒屋を営む八雲兼四郎の武勇を見抜き、悪を闇に葬る浪人奉行の影役目を与えた升屋九右衛門が新たな“仕事”を頼んできた。東海道の大井村近辺で殺しが頻発し、大坂へと発った大番頭の安否が気がかりでならぬという。早速後を追った兼四郎が見たものは、僧と侍の無残な骸だった。必死で手掛かりを探すなか、笑顔眩しい浜の娘おさちと出会う。大反響シリーズ、堂々の第四弾!
浜松藩井上家本家が、菩提寺である浄心寺改修のため、それぞれ金二百両の供出を分家である高岡藩井上家、下妻藩井上家に言い渡した。困惑する正紀と正広だが、本家の意向に逆らうわけにはいかない。またもや訪れたこの危機をどう乗り切るのか!? 待望のシリーズ第四弾!
桜吹雪の吉原仲之町を道中する、世にも美しい花魁篝火。滅多に姿を拝めぬばかりか、決して客と同衾しない伝説の花魁に、今日も男たちは身悶えするばかり。だが、篝火にはとんでもない秘密があった。その正体は、若鮎の如き美丈夫ーーしかも故あって幼少時より吉原に匿われていた尾張家の御落胤、徳川竜之進だったのだ。無敵の”見返り柳剣”が浮き世の悪をしなやかに斬る!! 超期待の新シリーズ第一弾。
2009年に「NHK土曜時代劇」で連続ドラマ化された人気作が、本年、舞台でお目見え! 5月に「大阪松竹座」「新橋演舞場」で相次いで公演(公演名「蘭 RAN 緒方洪庵 浪華の事件帳」主演/藤山扇治郎・北翔海莉)されることを記念し、傑作シリーズ2作を新装版、同時刊行!! 備中から大坂に出て思々斎塾で勉学に勤しむ緒方章(後の洪庵)は、師匠の言いつけでご禁制の蘭学書を入手するため、禁書売りと取り引きする。だが、その男が殺され、章は否応なく事件に巻き込まれる……。物語の幕開け、第1弾!
蘭学塾・思々斎塾で医学を学ぶ日々を送る緒方章(後の洪庵)は、北前船の隠し荷をめぐる争いに巻き込まれる。船頭に連れられて大坂にやって来た謎の少女。その身に隠された秘密とは? 悪どい武士や役人、商魂たくましき大坂の町人たちを相手に、緒方章と、大坂を陰で守り続けてきた“在天別流”の血統を受け継ぐ男装の麗人・東儀左近が難事件に挑む。そして章と左近の淡い恋の行方は!? シリーズ第2弾。
地方在住の売れないフリーライター・白銀力也のもとにインタビュー取材の依頼が舞い込んだ。取材相手は、俳優業の傍ら飲食店経営を成功させた合馬邦人。奇しくも合馬は、これまで力也が一度も会ったことのない実の父親だった。取材の翌日、「会って謝らなければならない人が四人いる。その場に同行してほしい」と請われた力也は、初対面の実父と旅をすることに。一代で財を成した父親と貧乏ながらも愛情溢れる家庭を築く息子ー。人生において大事なものとは何かをハートフルに描いた親子の物語。
東北の寒村で受け継がれる千里眼・予知・呪殺の「三つの奇跡」。儀式を執り行う糸瀬家は、「憑き筋」として厭われてきた。探偵の海老原はその解明に挑む。一方、警視庁の鴻上管理官は、都内で発生した不可解な連続殺人の捜査に行きづまっていた。事件解決の鍵は被害者の血縁にあるかもしれない。村で邂逅した海老原と鴻上は、四半世紀前に発生した少女の神隠し事件、さらに憑き筋の糸瀬家と村を牛耳る染矢家の、怨嗟の歴史に巻き込まれてゆく。
事件は起こる前に潰せーそんな指針のもと、危険な組織や犯罪者を闇処理する部署、それが警視庁特殊企画課だ。山神翔二は特殊企画課工作班のエース刑事。山神が今回手がけるミッションは、中国の諜報機関「赤蛇頭」と半グレ集団「城南連合」、ふたつの反社組織を挑発し、双方を暴発させて一挙に潰す、というもの。さっそく作戦を開始した山神だが、「赤蛇頭」の背後にさらなる大物が控えていた。著者渾身の書き下ろしハードボイルド!
一月になり大学にも慣れてきた葵だが、京都郊外の伏見にある老舗酒造「幸谷酒造」で修業中の清貴とは、なかなか会えない日々。近頃は、親友の香織が所属するフラワーアレンジメントサークルを手伝っていた。ある日、三回生のサークルリーダー・郁美が突然、サークルを辞めると言い出す。一方、幸谷酒造では家宝の徳利がなくなったと大騒ぎ。二つの出来事の裏には、それぞれの切ない想いが潜んでいた。また、第三章『復讐のショータイム』では、ひらかたパークを舞台に、清貴と秋人が大活躍する!
僕は春が嫌いだ。春になると、僕の前からサッカーボールや自転車が突然消えて、みんなに気味悪がられてきたー大学2年生の春休み、叔父の和菓子屋でバイトをするために京都を訪れた僕は、気を失ったところを一人の女性に助けられた。僕は彼女に惹かれた。春が終わっても会いたい、と思った。でも、彼女は桜の木の下で…消えた。彼女は、何のために僕の前に現れたのかーその結末に涙が止まらない。
わたしの家族は焼き殺されたー。雪深い田舎町の中学に転校してきた少女・春花を待ち受けていた、あまりに切なく残酷な出来事。そして巻き起こる凄惨な復讐劇…。押切蓮介の伝説のコミック『ミスミソウ“完全版”』を、オリジナルエピソードを交えてノベライズ。カバーイラストは押切蓮介の特別描き下ろし。
「腹を切る前に、珠子の唄を聴きたい」という岡崎玄蕃の願いを受け入れ、岡崎の屋敷に入った珠子。愛坂桃太郎、そして息子の仁吾も、珠子と行動を共にする。屋敷では、江戸城に向けられた大砲がいまにも火を噴かんとする中、ぎりぎりの交渉が続くが、ついに事態が動く。桃太郎、仁吾、そして玄蕃、用人の田所十三郎ー四人の剣が閃いたのだ。無傷で屋敷から出てきたのは、はたして…?大人気シリーズ衝撃の最終巻!
読売屋の新しい主人、庄之助に、なぜか武士のような威厳がある。しかも日に焼けた逞しい体つきからして、かなりの遣い手のようだー乾物屋への強請をとっちめた琢ノ介が、直後に襲われた。悪評芬々の読売屋「かわせみ屋」の仕業と見られたが、養子に入った庄之助が跡を継いだ昨今は、奉公人を厳しく取り仕切り、行状は改まっているはずだ。定廻り同心の樺山富士太郎と湯瀬直之進らが琢ノ介襲撃の下手人を追うなか、独自に探索を始めた旧知の岡っ引の姿が消えた。大人気の書き下ろしシリーズ第四十巻。