出版社 : 双葉社
公領水没に気落ちする民百姓を陽気に煽り、たらふく飯を振る舞う隠密廻、八巻卯之吉。だが、炊き出しの元手はなんと横領。幕府が寄越した堤修繕金をちゃっかり着服していたのだ。露見すれば打ち首必至、なのに当の卯之吉は余裕綽々。この始末、いったいどうつけるか。累計五十万部突破、絶妙絶品の大人気シリーズ!
北町奉行・永田備前守正直の三男である豊之助は婿入りの話を断わり、剣客として生きる決心をした。師の中西忠兵衛の命に従い、本所の町道場の師範代となるが、当の師範は借金をつくってすでに夜逃げ!もはや後には引けない。豊之助は懸命にオンボロ道場の立て直しをはかるのだったが…。待望の新シリーズ第一弾!
都心に広大な敷地を誇る代々木公園。3月の最終日曜日、まだどこにも咲いていないはずの桜が舞う今日、公園にいる人間を標的とした、ある伝説が現実のものとなるー。ロカビリーグループ、高校演劇部、殺陣役者、ネットアイドルオタク、お笑いコンビ、イケメン俳優など、何の繋がりもなさそうな人間たちの事情が巧妙に絡まりあい、思いも寄らぬ化学反応を引き起こす。その果てに、伝説の主人公となるのは一体誰なのか?リアルな現実を照射するなかに、人間の愚かさや愛おしさを浮かびあがらせた群像劇。
広島カープの守護神寺谷和章は、順調にセーブを重ね、首位争いを演じるチームの勝利に貢献していた。そんな中、オールスター出場を果たし観客を沸かせた和章だったが、天使“もさん”にエンジェルボールの秘密を打ち明けられ愕然とする。一方、宿命のライバル早野薫もまた、自らを孤独に追い込もうとしていた…魔球の秘密を追う新聞記者伊勢谷仁美の存在、“悪魔のバット”早野が背負う壮絶な過去、そして、ペナントレースの行方は!?胸に迫る想いと熱狂が織り成す長編小説。
球は魂ー。広島カープの絶対的守護神寺谷和章に残されたエンジェルボールはたったの三球。自分の命と引き換えに悪魔と契約した孤高のスラッガー早野薫。日本シリーズ第七戦、土壇場九回裏、遂に二人の運命が交錯する。“愛するものすべてを幸せに”不器用なまでに純粋に、熱き想いを胸にマウンドに立つ男、寺谷和章の願いは叶うのかー!?手に汗握る興奮と熱狂。家族を愛し野球を愛した男の選択と生き様が心を揺さぶる、感動の長編エンターテインメント小説、ここに完結!
ホテル多仲屋の三代目オーナー岸部幸太郎の悩みの種は、ライバルホテルの攻勢による経営難と、裏に建つラブホテル勃ち王の老朽化だ。売却を考える幸太郎の前にファンドの美人コンサルタント内田美紀が現れる。フロント係、ベルマン、宿泊客の童貞人気作家や妖艶女優、市役所職員などが入り乱れて、ふたつのホテルで巻き起こる珍妙で淫気たっぷりな一日を描く、書き下ろし長編艶笑エロス。
都内で起きた強盗事件と窃盗事件。警視庁捜査3課で盗犯捜査ひと筋の萩尾秀一は、ふたつの事件には繋がりがあるとして、部下の武田秋穂とともに捜査を始める。捜査1課との軋轢や駆け引きの中で、ベテランの萩尾は何を見て、若い秋穂は何を考えるのか。「継続」と「ひらめき」が融合した円熟の警察小説、待望の文庫化。連続テレビドラマ原作。
ついに屋敷を出て、外孫・桃子と母親の珠子が住む「かわうそ長屋」へ引っ越してしまった元目付の愛坂桃太郎。何かと世話を焼く桃太郎に、母娘も次第に打ち解けてくる。そんな折、南町奉行の筒井和泉守が桃太郎の長屋に顔を出す。日本橋の薬屋の主人が殺された事件にからみ、大きな悪事が進行しているようなのだ。話題沸騰の新シリーズ第二弾!書き下ろし長編時代小説。
眠り猫の勘兵衛が起居する根岸の黒猫庵に、千住の女郎屋金子屋から足抜けした若い娘おさきが迷い込んだ。取手の百姓の娘だというおさきを匿った勘兵衛は、借金の形に江戸に連れてこられた経緯を探ろうと、船頭の丈吉を取手に走らせる。一方、千住に向かった勘兵衛は、金子屋の主の伝次郎と女衒の富造の悪い評判を耳にし…、人気書き下ろし時代小説、シリーズ第五弾。
両国広小路の見世物小屋に赴いた三日日左門は、小屋で下働きをしている浪人弥彦源内と知り合う。佇まいに惹かれるものを感じた左門は飲みに誘うが、その途上で弥彦を狙う侍の集団の襲撃を受ける。襲撃をやり過ごし、弥彦を匿うことにした左門だったが、この一件が、蓮助を当主に据えた青砥家をも巻き込む騒動に発展していくのだった。稀代の無頼漢、三日日左門の活躍を描く、渾身のシリーズ第二弾!!
「阿弥陀小僧」の盗みの予告「南無阿弥陀仏」の御札が、人気役者・川村彦四郎の家に貼られ、江戸の街は大騒ぎになる。彦四郎は“お宝”を芝居小屋に持ち込み、町方も厳重警戒するが、数日後、芝居の最中に舞台で殺されてしまう。人を傷つけないはずの阿弥陀小僧がなぜ?さっそく事件を調べ始める。話題の新シリーズ第二弾!
あることで人を殺した喫茶店『珈琲屋』の主人・行介。行介の幼馴染で、かつて恋人だった冬子。ふたりの、互いを大切に思う気持ちを軸に、東京のちいさな商店街に暮らす人々を描いた連作短編集。連続テレビドラマ化もされ、多くの支持を集めた『珈琲屋の人々』続編。この物語を読み終えると、きっと熱いコーヒーが飲みたくなる…。
広島県因島でトラック運転手をしながら、小学生の息子二人を育てるバツイチ41歳の寺谷和章は、ある夜、交通事故に見舞われ、目の前に現れた謎の天使に“思いのままに飛んでいく魔球”を授かる。“プロ野球選手になって、カープを日本一にするー”子どもの頃に思い描き、いつしか諦めていたその夢を叶えようと、和章は広島カープの入団テストを受けに行くが…。家族とそれを取り巻く人間模様を通して、男の選択と生き様を描く興奮と感動の長編エンターテインメント小説。
復調の兆しが見えず、広島カープの二軍球場で調整中のルーキー寺谷和章は、取材に訪れた美人記者伊勢谷仁美と新聞記事を巡って衝突する。そんな中、ある事件をきっかけに魔球が復活、やがて一軍に返り咲いた和章は再起を賭け、超満員にふくれあがる甲子園のマウンドへと向かう。父の活躍を信じ続ける息子たち、因縁の若手キャッチャー達原との再会、宿命のライバルにして孤高のスラッガー早野の登場ー、圧倒的な興奮と清々しさが胸を打つ長編エンターテインメント小説。
東京育ちの加藤恵太は呑気さが崇って就職活動に失敗。やっと得た職はM県小古村で亡夫の地盤を継ぎ、村長選挙に立候補した北里佳代の秘書見習い兼雑用係だった。一目で佳代の美貌に魅せられた恵太は後援会長や対立候補の魔の手から未亡人を守ろうと奮闘。ついには都会から来た恵太に興味津々の村の女やウグイス嬢までもが“下半身の総選挙”に欲情参戦してー!?村社会の背徳の極みを描く超力作書き下ろし。
文武両道の学問所設立を目指す佐賀大左衛門は、剣術指南方の師範代として湯瀬直之進と倉田佐之助の二人を迎え入れようとしていた。そんな折り、大左衛門の屋敷を旗本岩清水家の用人が訪い、若年寄遠藤信濃守に進呈するに相応しい刀の鑑定を依頼してきた。だがこの刀選びが元で、大左衛門の身にとんでもない災難が降りかかる。人気書き下ろしシリーズ第三十弾。
元目付の愛坂桃太郎は、不肖の息子が芸者・珠子につくらせた外孫・桃子と偶然出会い、その可愛さにめろめろになった。孫可愛さのあまり、いつも桃子を背中に背負って、子守りする日々を送るようになる。ところが、売れっ子芸者の珠子の周囲では、なぜか奇妙な事件が多発。可愛い孫を守るため、桃太郎の秘剣が唸る!待望の新シリーズ始動!
三保の松原に舞い降りた天女の妙耶は、羽衣を盗賊に奪われてしまう。その賊に父親と許嫁を殺されて敵討ちを誓った菓子職人の太一と出会い、ともに盗賊の行方を追う。そんな日々の中で妙耶は市井に交わり、身内ゆえの情や、よすがなき女の哀しみ、職人がもつ矜持など、人間の心のありように触れてゆく。しだいに妙耶の胸にも、ある想いが兆してきて…。哀歓に満ちた連作時代小説。
小学六年生になった息子の様子がおかしい。どうも恋をしているらしい。探偵である“おれ”が訊ねるとあっさり認めたが、彼女は間もなくイギリスへ引っ越すという。それでも告白するという息子に、おれは全力で応援することを告げる。一方、ある事件を通して知り合った老人から「知り合いが振り込め詐欺に遭った。何とかしたいので手伝ってくれ」との連絡が入る。おれは話をきくため、カフェに向かった…。東京・吉祥寺の町を探偵・川庄が今日も走る。個性的な脇役も光る書き下ろし探偵ミステリー。