出版社 : 双葉社
アジアの西の果て、荒野に立つ直方体の白い建物。一度中に入ると、戻れない人間が数多くいるらしい。その「人間消失のルール」を解明すべくやってきた男たちは、何を知り得たのか?めくるめく幻想と恐怖に包まれる長編ミステリー。人間離れした記憶力を持ち、精悍な面差しで女言葉を繰り出す、魅惑のウイルスハンター・神原恵弥を生み出した、シリーズ第一作!
北国のH市を訪れた神原恵弥。不倫相手を追いかけていった双子の妹を連れ戻すという名目の裏に、外資製薬会社の名ウイルスハンターとして重大な目的があった。H市と関係があるらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。人々の欲望を掻きたててきたそれは、存在自体が絶対の禁忌であったー。謎をめぐり、虚実交錯する世界が心をとらえて離さない、シリーズ第二作!
錦戸虎治と本田麗香は、同じ孤児院出身。どん底の生活を経て再会したふたりは、性を武器に成り上がることを決意する。大金をつかむまで互いとのセックスはしないという約束のもと、ターゲットを捕獲していく虎治の前に、絶好の獲物・小浜真央美という天使のような令嬢が現れる。草凪ワールドのダーク系とライト系が融合。書き下ろし長編官能、ダーク系の前編。
母親を自分が通う学校の教師に殺された真裕子は、大学を卒業後、親元を離れる。一方、父親が加害者となった大輔と絵里は、その事を知らずに長崎の祖父母のもとで生活を送っていた。また、事件を取材した新聞記者の建部は長崎に転勤となり、そこで新たな殺人事件に接していた。-運命が変わったあの日から7年。事件に関わる人間の姿を、熟練の筆で描く大作。
長崎で起きた中学生撲殺事件の取材をする建部は、その再会に運命のようなものを感じていた。殺害された少年の通夜に、かつて加害者の妻だった香織が被害者の遺族として現れたのだ。-心に癒しがたい傷を負い、今も母を強く想う真裕子。父母を知らず、心にもやもやしたものを抱える大輔。ふたりの行く先に待っているものとは。
見事な花を咲かせる桜の古木と、その木を見守り続ける老齢の植木職人の姿を描いた表題作「さくら」。女房に間男がいることを知った朝顔売りの懊悩と、男女の心の機微を取り扱った「いい女」など、心に沁みる四つの物語を収録した書き下ろし時代短編シリーズ、待望の第二弾。
京人形に仕込まれた爆弾による殺人事件が東京と京都で起きた。警視庁と京都府警の合同捜査が始まり、十津川警部は人形師・京屋一太郎を重要参考人として指名手配した。しかし、京屋一太郎は来日中のカナダ副首相夫人を誘拐し、名所旧跡の無差別爆破予告と京都の景観改善を要求する脅迫状を京都市長に送ってきた。難事件解決に十津川警部が動いた。
バーで出会った男は荒れていた。なんでも、妻の浮気が判ったという。それを聞いた私の同伴者は、男に語り始めた。「あなたを見て、以前の自分を思い出したものでー」その意外な結末とは。(「遅すぎた忠告」)一編わずか4ページでも、面白さは長編並み!?巧みな謎と鮮やかな推理がぎっしり詰め込まれた、傑作ショートショート・ミステリー集の第2弾。60作収録で読み応え抜群の一冊!
古いアパートを改装してショッピングモールとなった『夢玄館』。そこに入居する、自分の“夢”を追い求める各ショップのオーナーが起こす事件と、失業中で仕方なく管理人を引き受けた“わたし”の心の葛藤を描いた連作ミステリ。
高校教師の杉本康介は兄・駿介の妻である美里に密かな憧れを抱いていた。兄が事故で亡くなって二年、康介の懊悩は増すばかりだったが、美里は独り身の康介を案じ「婚活」を勧めてくる。美里が勤める結婚相談所に入会し、そこで出会った魅惑的な女性たちと体を重ねていく康介だが、美里への思いは断ち切り難く…。長編癒し系エロス。
江戸の街で盗賊「怪盗阿弥陀小僧」が大評判となる。盗みの予告は「南無阿弥陀仏」の御札。変装の名手で、いくら厳重に警戒しても、鮮やかな手口で大切なお宝を盗んでいく。そんなある日、日本橋の豪商「三浦屋」に盗みの予告が届く。三浦屋の若旦那でありながら、いまは役者修業中の中村捨蔵は、独自に探索を始める。注目の新シリーズ始動!
警視庁捜査二課から所轄に異動した西澤は、書店で万引きをした老婦人を取調べた。身なりもよく教養溢れる彼女は、なぜ万引きをしたのか。そこには、深い事情があった…。大震災と原発事故。そして、「福島にはカネが埋まっている」と嘯く詐欺師が仕掛ける被災地支援詐欺ー。最も卑劣だと言っていい犯罪を、心熱き警察官が暴く社会派長編警察小説。
埼玉県内の高校で再び始まった死のゲーム。開始から1週間で、32名のクラスメイトは18名まで減った。そして届いた新たな命令はー“林英行は王様と思われる生徒の名前を書け”
地味な派遣社員の三智子は彼氏にフラれて落ち込み、食欲もなかった。そこへ雲の上の存在である黒川敦子部長、通称“アッコさん”から声がかかる。「一週間、ランチを取り替えっこしましょう」。気乗りがしない三智子だったが、アッコさんの不思議なランチコースを巡るうち、少しずつ変わっていく自分に気づく(表題作)。読むほどに心が弾んでくる魔法の四編。読むとどんどん元気が出るスペシャルビタミン小説!
上州倉賀野に騒擾あり!荒天続きの凄まじい雨の中、不気味に膨らむ神憑き一行はついに宿場を襲い出す。その陰には一行を操る稀代の女悪党の姿が。もはや川堤は決壊寸前、このままでは公領水没も時間の問題ー漫遊、否探索中の隠密廻・八巻卯之吉が捻り出した、神頼みならぬカネ頼みの仰天対抗策とは。シリーズ屈指の壮大なスケールで描く文句なしの傑作第十六弾!
本所南割下水に住まう御家人、三日日左門の屋敷の近所に元旗本の青砥家の兄妹が越してきた。父の不祥事により、禄を減らされお役を取り上げられた二人はお家の再興を願うが、妹の智与の美貌に目をつけた無法の集団が蠢きだすー。紛うことなきサンピンなれど、頭も腕も天下一品。気が向かなければ動かぬが、ひとたび動けば華麗に蹴飛ばす、圧巻の無頼漢、三日日左門の活躍を描く、注目の新シリーズ!
揚羽座に格上の花村座の花形役者、春牡丹寒次郎が訪ねてくる。曰くつきの芝居『情女濡色鐘』再演直前に脅し文が届き、座員が次々と怪死を遂げているというのだ。花村座の危機を救ってほしいと懇願する寒次郎に、恋之介は「酒と豪華弁当と広い楽屋」の破格の条件を呑ませ、魔の桧舞台に上がることに。弟子の“鬼がらす”堅四郎は剛剣で師を守り抜けるか。ドラマ『猫侍』で注目の黒木久勝が放つ痛快新シリーズ第二弾!