出版社 : 双葉社
結婚まで夢見た恋人が突然消えた。金持ち男と街を出ていったと聞かされた三沢亮二は必死で後を追うが、屈強な用心棒に叩きのめされ、なけなしの全財産を奪われる。意識を取り戻した亮二の前に謎の美女・彩子が現れる。「あなたを五百万で買ったの」-彩子に性技を仕込まれた亮二は、憎き仇に復讐し恋人を取り戻すため、色と欲の裏階段を駆け上り始める。日刊ゲンダイで話題を呼んだ超人気ハードエロス、待望の単行本化!
八〇年代のこの国に生を享けながら、豊かさとは無縁に、飢えて育った峰岸晄。感情を殺して生きる晄の、心の底に差す光は何なのか?全編を覆う「無温の世界」。身を震わせるラストの衝撃!胸を撃ち抜く傑作長編!
「氷のザキ」と異名をとる警視庁捜査第三課の神崎は、相棒の水沢とともに大規模な美術品窃盗事件を捜査していた。その盗品を追う過程で榊田恵、学の姉弟が浮かび上がってくる。姉弟はさる老富豪の隠し子で、屋敷に同居して、老富豪を介護しているということだったが…。事件の臭いを感じた神崎はひそかに内偵を始めたー。
老舗酒造の杜氏である父親と衝突して、実家を飛び出した次男。七年後、父親の訃報にやむなく戻ると、「喪主はお前に」と不可解な遺言が残されていた。なぜ父親は、跡を継ぐ長男を差し置いて、次男に式を任せたのか?(「父の葬式」)葬儀を省く「直葬」が主流になった国で、死者をめぐる「謎」に戸惑う遺族たち。-女社長・紫苑が率いる北条葬儀社の面々は、式を滞りなく進められるのか。気鋭の放つ傑作連作ミステリー。
写真専門学校に通う奥野弘志はヌード撮影実習で興奮のあまり失神してしまう。気落ちして地元商店街に逃げ帰った弘志の目に見慣れぬ惣菜屋が飛び込んでくる。「いらっしゃいませ」。優しく微笑むエプロン女性は、実家の写真館に長らく飾られていた憧れの振袖美女・麻奈美だった。今は若後家の身だという彼女に童貞の弘志の心は一気に傾いていく。週刊実話で大人気を博した連載、ついに単行本化!
私の名は最上俊平。私立探偵だ。フィリップ・マーロウを敬愛する私は、ハードボイルドに生きると決めているが、持ちこまれるのはなぜかペットの捜索依頼ばかり。正直、役不足である。そろそろ私は変わろうと思う。しかるべき探偵、しかるべき男にー。手始めに、美人秘書を雇うことを決意したが、やってきたのはなんとも達者な女性で…。心優しき私立探偵とダイナマイト・ボディ(?)の秘書が巻きこまれた殺人事件。くすりと笑えてほろりと泣けるハードボイルドの傑作、待望の新装版。
いつものようにアルバイト先のコンビニに出かけようとしていると、日本で一番会いたくない男、警視庁の工藤が訪ねてきた。きれいな女子大生を連れていて、彼女を守ってくれと言う。聞けば、ストーカー被害に遭っているらしい。それなら放っておけないと、警護を引き受けた“おれ”。怪しい男を見つけ、追跡するが…。緊迫感とユーモアが溶け込んだ書き下ろし探偵ミステリー。不器用だけど静かに熱い探偵・川庄の活躍と、ひとりの男の成長に注目!
廻り髪結のおゆりは、かつての許嫁で御家人の島崎清之助に付き纏われ、怯える日々を送っていた。岡っ引の弥平次は、おゆりの窮状を知り船宿「笹舟」に匿うが、その最中、久方ぶりに元臨時廻りの同心が柳橋に姿を見せる。ろくでなしの島崎をおゆりから遠ざける策を思案していた弥平次は、一芝居打つことを思いつき…。人気の人情捕物シリーズ第六弾、待望の書き下ろし!
深手を負った、七人殺しの下手人・野うさぎの鉄二を匿い、施療をした師・幻宗に疑問を覚えた新吾だったが、幻宗は「医者の務めを果たしたまで」と言い切る。鉄二は順調に快復していったが、ある日、看護をしていた老夫婦が惨殺され、鉄二の姿は消えてしまった!新吾は鉄二を捜して奔走する。書き下ろし青春時代小説、シリーズ第二弾!!
本所のボロ長屋で不遇をかこつ剣豪「鬼がらす」こと烏森堅四郎の隣に、花形役者の揚羽恋之介が越してきた。長屋の女たちを目で殺す恋之介に猛反発する堅四郎。だが、否応なく観に行かされた恋之介の芝居に大感激し、一転弟子入りを志願する。国惑する恋之介は無理難題をふっかけるがー!?前代未聞の凸凹師弟が、お江戸の難事件を鮮やかに解決!ドラマ『猫侍』で注目の黒木久勝が放つ痛快デビュー作。
城中で十代家治の御不例が囁かれ、水面下で十一代就位への準備が進められる中、雨上がりの小梅村には嫡男空也に稽古をつける坂崎磐音の姿があった。その日の夕暮れ、尚武館の住み込み門弟の一人が突如行方をくらます。翌日内藤新宿に姿を現したその門弟は食売旅篭の店先に立っていた。一方、八月朔日、金龍山浅草寺の門前に新たな紅屋が店開きし…。超人気書き下ろし長編時代小説第四十八弾。
西田りかは、上司の柏木荘太に惹かれ、不倫関係になった。それを知った荘太の妻、美津子はりかに接近し、見合い話を持ちかける。相手に選んだのは一人娘の美羽が兄と慕い、家族ぐるみのつき合いをしている落合圭一だったが、思惑は一人歩きを始め、それぞれの思いは変化し、その先には予想もしない展開がー。愛憎、嫉妬、プライド。女たちの内面を艶やかにリアルに描く、傑作情愛群像。
乙霧村という小さな村で一家五人を惨殺し、犯人も斧で頭を割られて絶命するという凄惨な事件が起こった。事件から二十二年後ー大学教授であり『乙霧村の惨劇』の著者でもある泉蓮が顧問を務める、文学サークルの大学生六人が村を訪れた。そこに斧を持った正体不明の男が現れた!戦慄の長編ミステリー。
岡野藩領内で隣国との境にある峠の茶店。小柄で寡黙な半平という亭主と、「峠の弁天様」と旅人に親しまれる志乃という女房が十年ほど前から老夫婦より引き継ぎ、慎ましく暮らしていた。ところが、ある年の夏、半平と志乃を討つために隣国の結城藩から屈強な七人組の侍が訪ねてきた。ふたりの過去に何があったのか。なぜ斬られなければならないのか。話は十五年前の夏に遡るー。『蜩ノ記』『川あかり』の著者による傑作時代小説。
版画家の黒木が消えた。美しい蝶“ユリシス”の木版画を託された親友の善如寺は、黒木の才能を信じ、この「複数性に頼らない、絵画のような版画」を大切に守ってきた。だが18年後、善如寺は4枚もの複製の存在を知る。それらは偽物なのか?あるいは黒木に裏切られていたのか?衝撃を受けた善如寺が探偵に依頼した調査は、思わぬ人物へと波紋を広げてゆく。“信頼”と“希望”をめぐる傑作長編ミステリー。
殺人を他人から依頼されて代行する者がいるかもしれない。警視庁の環敬吾は特殊工作チームのメンバーを集め、複数の死亡事件の陰に殺し屋の存在がないか探れと命ずる。事件の被害者はみな、かつて人を死に至らしめながらも、未成年であることや精神障害を理由に、法による処罰を免れたという共通点があったー愛する者を殺されて、自らの手で復讐することは是か非か。社会性の強いテーマとエンターテインメントが融合した「症候群三部作」の掉尾を飾る傑作!
父親の秘密を見つけた女子高生の日記「トロフィー」、母の死を引きずる43歳独身男性の日記「道化師」、妹と同居している結婚を控えた姉の日記「サムシング・ブルー」、熟年夫婦の日常を記した夫の日記「夫婦」。まったく無関係な4人だが、本人たちも気づかぬところで、実は不思議な繋がりがあった…。絶筆となった著者最後の小説。
人は、生きるために働いている。だから、仕事で死んではいけないんだー。労働基準監督官である三村は、“普通に働いて、普通に暮らせる”社会をめざして、日々奮闘している。時には友人刑事とコンビを組み、工場内で起きた密室殺人の謎に挑むことも、職務にまっすぐな情熱を捧げる姿がまぶしい、エンターテインメントお仕事小説!
日本中を襲った悲劇から3カ月ー北海道各地で、腹部を切り裂かれた死体が見つかった。それは、とても人間による犯行とは思えなかった。そして9月19日の深夜0時、北海道に住む人たちの携帯電話に、人類をあざ笑うかのような命令が届くー人類による人類への挑戦が始まった!大人気サバイバルホラー、最新刊!