出版社 : 双葉社
若きヴァイオリニスト香坂のもとに、解散した名門オーケストラ再結成の話が舞い込む。だが練習場は廃工場、集まったのは負け組楽団員たちとアマチュアフルート奏者のあまね。現れた謎の指揮者・天道に楽団員たちは猛反発するが、次第に彼が導く音の深さに引き込まれていく。はたして復活コンサートに天道が仕掛けた秘密とはー。感動の音楽エンタテインメント『マエストロ!』、映画ノベライズ版。
江戸城中を揺るがした佐野善左衛門の刀傷騒ぎのあと、尚武館から姿を消した松浦弥助は、自らが手にかけた薮之助の遺髪を懐に忍ばせ、伊賀泉下寺を目指していた。一方江戸では、坂崎磐音が月に一度の墓参のため忍ヶ岡の寒松院を訪れていた。その帰路、竹屋ノ渡し場に立った磐音は、向こう岸から近付く乗合船に思わぬ人物の姿を認め…。超人気書き下ろし長編時代小説第四十七弾。
晩秋の江戸で侍・町人の別なく針を突き立て切り刻む凄惨な殺しが続発。暗殺奉行の依田は両国に突如現れた唐人一座と長崎との接点に巨悪の存在を察知し、将軍家重公の下知を待つも、なぜか一向に沙汰が下りず焦りを深める。一方、急患に手を焼く女医彩香の前に傲岸不遜な男が現れる。彩香を押しのけ、鮮やかに小刀を捌いて患者を救った男は、長崎から来た医者だと名乗る。大反響のシリーズ第四弾!
長崎で蘭方医学を学び江戸に戻ってきた宇津木新吾は、師に託された手紙を携え、町医者・村松幻宗の施療院を訪れた。幻宗は、患者から薬代をとらないという。その真摯な姿勢と、見事な施術を目の当たりにした新吾はしだいに幻宗へと傾倒していくが、一方で施療院を支える資金についての疑問も膨らんでいくのだった…。書き下ろし青春時代小説、シリーズ第一弾!!
悪辣な勘定奉行を斬り捨て、相良藩を出奔した村松壮志郎、江戸表に訴え出ようと東海道を急いでいた。そこへ現れたのが相良藩主・田沼意次の懐刀で、剣の達人といわれた安川市兵衛だった。覚悟を決めた壮志郎に、市兵衛は意外な提案を持ちかけた…。純朴で素直な田舎侍が、華やかな大江戸を舞台に獅子奮迅の活躍!書き下ろし時代文庫、痛快シリーズ第一弾!!
天下統一目前で本能寺に斃れた織田信長。そのあとを継ぐべく羽柴秀吉は山崎で明智光秀を討ち、清須会議で柴田勝家をいったん退ける。だが、信長の筆頭家老にして北陸の王者・勝家は黙っていなかった。秀吉と勝家。織田家中の勢力争いはやがて、天下の行方を決める抗争に発展していく。腹の探り合いに疑心暗鬼。ギリギリと息の詰まる心理戦に、大きな決断を要する決戦が迫る。各地・各地位の戦国武将たちが命をかけて挑んだ大合戦を、広い視点で描く戦国歴史群像。待望の文庫化!
ある夜、僕は崖から突き落とされた。目が覚めると、巻き添えになった美形の高校生の姿に変わっていたー入れ替わった姿で、僕は犯人探しを始める。僕を殺した奴は、誰だ。容疑者=クラスメイト。
贈賄の罪が明るみに出る前に失踪した男と、その妻、姉、娘、浮気相手。考え抜いたそれぞれの胸の内からこぼれでた“たった、それだけ”のこと。本屋大賞ノミネート作『誰かが足りない』の感動ふたたび。人の弱さを見つめ、強さを信じる、著者の新たなる傑作!
ついに始まった「警視庁武術試合」は、新興勢力の講道館と、古流柔術各派との争いになった。肉体と精神のどんづまりで、漢たちの汗が、血が、涙が散る!講道館の名は世に轟いた。だが、門下生が謎の男「梟」に次々と襲われる。鍵は秘伝の武術「御式内」にあると聞き、保科(西郷)四郎は孤高の武術家、武田惣角のもとへ向かった。
身体のあらゆる部位を必殺の武器となす琉球の武術「唐手」。二度目の「警視庁武術試合」で、保科(西郷)四郎の相手は唐手の使い手に決まった。しかし強さの頂点に迫る中で四郎は「闘うことがこわい」と告白する。骨が砕け、肉が潰れ、魂が軋む死闘をへて、苦悩の末に下した決断とはー。明治の武道界に嘉納治五郎が起こした革命の物語「天の巻」感動の最終巻。
誘拐事件が連続して起きていた。しかし数百万程度の身代金を払えば子供が無事帰ってくるため、泣き寝入りのケースが多く、警察は誘拐があったことに気づかない。ネット上で“ジーニアス”と自ら“天才”を名乗り、闇に身を潜める卑劣な犯人を炙り出す。警視庁の影の捜査チームに招集がかかった。だがその時、メンバーの一人、武藤隆は、托鉢中に知り合った男のために、別の誘拐事件に巻き込まれていたーページを繰る手がとまらない、面白さ抜群のシリーズ第2弾!
死んだ当日、彼女は私に何かを打ち明けようとしていた…。小田切可憐は、食事を約束していた女性が飛び込み自殺をしたと知って絶句する。彼女と出会ったパチンコホールは、本名すら知らない女性達との気楽な関係と大当たりの時の高揚感が、可憐自身を救ってくれる場所だった。その中で最も美しく飾り立てて、充実した生活を送っていたように見えた彼女は、なぜ死んだのか?次々と明らかになっていく、嘘と虚飾に満ちた人間関係の真実と絡み合った欲望。現代社会で彷徨う女性達を息詰まる筆致で描いた傑作長編。
職を失った木崎淳平は、鬱屈した心を抱えてハワイ島にやってきた。長期滞在型のホテル・ピーベリーは小さいけれど居心地が良く、他に四人の日本人旅行者がいた。だが、ある夜、客の一人が淳平に告げる。「楽しみにしてろよ。今におもしろいものが見られる」不吉な予感の通り、客の一人が溺死し、やがてもう一人ー。様々な気候を併せ持つハワイ島の大自然と、人生の夏休みに絡め取られた人々の心の闇。巧緻な筆致で衝撃の真相へと導かれる。一気読み必至の傑作ミステリー。
鎌倉の山中に庵を結ぶ僧に、謎めいた旅の男が語り聞かせる驚くべき来歴ー数奇な運命により、日本人でありながら蒙古軍の間諜として博多に潜入した仁風。本隊の撤退により仲間とともに取り残されるが、やがて追われる身となった一行を、邪神「窮奇」に仕える巫女・鈴華が思いのままに操りはじめる。(第一話「異神千夜」)元寇に際して渡来した一匹の獣。姿形を変え、時に悠然とたたずみ、時に妖しく跳梁する。古より潜むものたちの咆哮を、瞠目の幻視力で紡ぐ、傑作ダークファンタジー四篇。
たとえ互いの距離は遠くとも、心は近くにいられるのが家族。長い年月を過ごせば、色々とあるけれど、けっきょく家族の繋がりは、かくも強くしなやかでたくましい。-本書には八つの家族のかたちが。大学入学で上京する息子の素っ気なさと、見送る側の親の寂しさ。そのギャップがもどかしく、一計を案じる母親の姿を描いた「笑えよな」など、くすり、ほろりの珠玉の短篇が揃いぶみ。読むほどに“家族が見えてくる”大人気シリーズ第7弾!
銀行の合併によるシステム統合は簡単ではないー。サーバーダウンやATMに表示されるエラーメッセージ。次々に起きるトラブルに立ち向かうエンジニアたちの苦悩や葛藤、仕事に対する思いやそれぞれの生き様を描く、リアル・ビジネス・エンターテインメントの快作。仕事上の悩みも、これで解決?かも!-つまずいたら、再起動!
天下一と評判の運命師、幼六は、ただ頭を掴むだけで人の過去、未来が視えるという。ある日、都でも指屈りの商人、伊勢屋が六条の占い場を訪れた。店の行く末を視てもらいたいという。しぶしぶ注文に応じた幻六の視た光景は!?室町の都を焦土に変える幻六対魔物の闘いはこのとき始まった!長編伝奇小説
ある日の昼下がり、平和な高校がテロリストに占拠された。テロリストたちは謎の生物兵器を所持しており、重傷を負ったテロリストの女リーダー、鬼灯は、生物兵器のウィルスを自らの体に注射させた。それは、自衛隊すら侵入を躊躇させる危険なものだったーテロリストと高校生による、命がけの戦いが始まった!!
夢のない人は嫌い、と恋人に言われたことから、片桐慎也は大学卒業後、ミュージシャンを目指す決心をする。芸能プロに準社員扱いで入った慎也にとって、雑務や営業活動に加え、得意先の女性と身体を交えるのも重要な仕事の一つとなる。肉弾接待のほか、毎朝濃厚な性的サービスをしてくれるデスクや所属タレントと肉体関係を結ぶ慎也だが、いつも心には音信不通となった恋人の影が浮かんでいた。長編癒し系エロス。