出版社 : 同学社
トーマス・マン『魔の山』の新ルートー刊行百年記念論集ートーマス・マン『魔の山』の新ルートー刊行百年記念論集ー
今年はトーマス・マン生誕150年、昨2024年は『魔の山』が刊行されて100年目の年だった。これを記念してベテラン登山家一人と新進気鋭の登山ガイド四人がタッグを組んで、従来の研究について反省的に考察を深め、『魔の山』100年の彼方を問う論集を企画した。それぞれに複数のルートで登頂したが、未踏の新ルートがあるやも知れず。読者諸賢は今後も自らの新ルートを探し続け、『魔の山』に挑んで欲しい。 はじめに 第1部 登山案内 トーマス・マン略年譜/トーマス・マンについて/『魔の山』成立史/『魔の山』の主要登場人物/『魔の山』の邦訳/日本におけるトーマス・マン受容/文献一覧 第2部 『魔の山』ペーペルコルン・エピソードにおける「愛」と「終末論」/コラム 言葉の英雄/『魔の山』における有機体とフマニテートの関係/コラム 忘却と想起の物語/『魔の山』における耳を聾する音ー雪山、滝、そして戦場/コラム あれって老兵かい?/陶酔と夢の魔法ー『魔の山』の認識論/コラム 結びにかえて/編者・執筆者紹介
ドラゴミラドラゴミラ
謎の美女ドラゴミラが果たそうとする使命とは何か。可憐な少女アニッタの愛の行方は。19世紀半ば、絢爛たるポーランド貴族の日常と小ロシアの農民の生活を背景に、スラヴ人の土着の魂を描く、光と闇、愛と裏切りの物語。これはマゾヒズムとは別なもう一人のマゾッホが描く、恐るべき異端信仰の世界。この宗教殺人の狂気から、誰も目をそらすことはできない。
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