出版社 : 宝島社
「脳の血腫など特定の三徴候が出た場合、その幼児は被虐待児である」。堀尾雄次は子どもに三徴候があったことから、虐待を疑われて警察に連行された。雄次は容疑を否認。捜査に当たるのは、永久出向制度で警視庁から故郷に戻ってきた刑事・栗秋と若手の細井。栗秋の能力を疑う細井だったが、栗秋は上層部の意向を無視して、血腫について捜査を進める。「出向」刑事が、医療業界の闇を暴く!
東雲清一郎は、大学生活のかたわら書家として活動し、筆跡鑑定も行う超絶イケメン。だが、中身はトゲトゲなハリネズミのような毒舌家だ。おしゃれなカリグラフィー、図書館本の落書き、離別した父からの手紙、そして過去からのメッセージー「気持ちに嘘はつけても、文字は偽れない」。そう断言する彼の秘密が、また一つ明らかになっていく…古都・鎌倉を舞台に、文字と書、人の想いにまつわる事件を描く大人気ミステリー、第4弾!
超霊感体質の大学生・哉汰は、突如現れた謎の美女・東雲に「君には死者を救う素質があります!」と彼女が経営する遺品整理会社『日歿堂』にスカウトされる。初仕事は夫を亡くした老婦人の依頼。亡き伴侶の裏切りを知った依頼人は、遺品を全て処分し、死後離婚する決意を明かす。しかし哉汰の前には亡くなった夫の霊が現れ、とある頼みごとをされてしまう。厄介な依頼に哉汰が頭を抱える一方、現場には不穏な気配が立ち込めておりー?
江戸期に何度も大火に見舞われた東京では、明治維新を機にいくつもの「火伏塚」が築かれ、町を火災から護り続けてきた。しかし、オリンピックを控えて各所で建設・改築が進む中、火伏塚が次々と破壊されるという事件が起こる。相次ぐ火災や爆発事故を前に、警視庁は火伏塚修復の専門家を海外から招聘し、山本はその警護にあたることになった…。怪異と暴力が交錯する異色の伝奇警察小説、待望の第2弾がついに登場!
貧乏大学生・鳳水月の前に現れた、自分に瓜二つの男・古城深夜。鳳の同級生である彼は、オーパーツー当時の技術や知識では制作不可能なはずの古代の工芸品ーの、世界を股にかける鑑定士だと自称した。水晶髑髏に囲まれた考古学者の遺体に、密室から消えた黄金シャトルなど、謎だらけの遺産をめぐる難攻不落の大胆なトリックに、変人鑑定士・古城と鳳の“分身コンビ”の運命は?
早朝にひっそり営業するスープ屋「しずく」。シェフ・麻野がこしらえるスープにかかれば、お客の心と不思議な謎があっという間にとかされる。女の子の母親に幽霊が乗り移った?ジビエにまつわる記憶が抜け落ちたのはなぜ?亡き大叔父が家に隠したお宝はどこ?そして変化を迫られる理恵の進路は?絶品スープに浮かび上がる滋味豊かな人間模様。お腹と心を温めて、元気を注いでくれる全5皿。
伝統とモダンが、新たな市民文化を花開かせる帝都。ドイツ人の母を持つ華族の青年・千崎理人は、職を得ようと訪れたサロンで、謎の美少年と出逢う。少年は、理人の望みー職と住まいを用意する代わりに、グリム童話に擬えた『名前当て』の賭けを持ち掛け…。さらに「自分が事件を解決するから、『探偵』として表に立ってほしい」と頼むのだった。華やかな昭和の初めを舞台に、理人は「少年助手を従えた美貌の探偵」として、様々な事件に巻き込まれていく。第6回ネット小説大賞グランプリ受賞作。
大学生の凛香に突如舞い込んできたのは、変わり者揃いの哲学コースでも有名な若き准教授・塩見〓理人の蔵書整理のアルバイト。海外モデルのような美貌の彼だが、機械音痴で生活力皆無…口を開けば「その発言には誤謬、明らかな誤りが含まれている」と突っ込みわ入れる変人で…!?消えたレポートに、不可解な怪文書。大学で巻き起こる事件の、謎を疑い真理を読み解く、短編連作ミステリー!
科学警察研究所・本郷分室にやってきた三人の研修生たちは、科警研の仕事に興味を示さない室長・土屋の態度に困惑する。かつての彼は科警研の研究室長を務め、鋭い洞察力と推理の切れ味で、警察関係者から「科警研のホームズ」と称されていたらしいが…。土屋にやる気を取り戻させるため、そして自分たちの成長のため、三人は科警研の所長・出雲から持ち込まれる事件の調査に邁進する。
神奈川県警生活安全サイバー犯罪対策課の桐野良一はあるPCから、死体で見つかった女の情報を探っていた。そのPCは、「丹沢山中連続殺人事件」の犯人のものだった。秘密を探るうち、犯人は桐野にある取引を持ちかけー。その頃、巨額の仮想通貨流出事件が発生。セキュリティ会社で働く美乃里のもとに、ハッカーらしき男からコンタクトがあり…。情報化社会の恐怖を描くサイバー・サスペンス!
北海道十勝の外れにある限界集落「オーロラ町」に、28歳の自動車整備士・大祐は帰ってきた。病に伏した父の仕事を手伝うための一時帰省だ。しかし町おこしに腐心する料理人・安藤の熱意に触れ、地元への想いに変化が生じ始める。一方、町では灯油泥棒や募金詐欺、殺人事件が勃発。なぜだか探偵役を担うはめになった大祐は、事件と過疎から町を救えるのか?北海道の魅力も満載の全4篇!
大学生の関口藍は、前世・前前世の記憶を所持して生まれてきたという少女・伊藤杏寿と出会い、生まれ変わりを防ぐ手助けをしてほしいと頼まれる。情報を得るため、前前世の少女・木綿子の生家を訪ねた藍たちは、そこで謎のポルターガイスト現象に遭遇する。その翌朝には当主の毒殺死体が発見され、現場には木綿子の署名が残されていた。三十二年前、彼女は何者かに殺害されたらしく…。
高校三年生の八月。北沢鳴海は、自ら「最後のチャンス」と位置づけたピアノコンクール予選に落選した。自分の才能の限界を痛感しながら、それでも諦められない彼は、コンクールの前まで「時間を巻き戻す」能力を使うことを決意する。時間を戻すために必要なトリガーは、かつて才能の差を見せつけられた相手ー音楽の神に愛された少女、神崎杏子と会うことだった…。何度も繰り返される夏の日の果てに待つ、驚きの結末とはー?
違法捜査の数々で交番勤務に配置換えされていた公安警察の来栖惟臣は、警備部長の厚川から呼び出しを受ける。対立が激化している米中両国の動向を探ってほしいという。調査を始めた来栖は、一連の事件の背後に、違法ドラッグで荒稼ぎをしている横浜の半グレ組織の存在があることに気付く。一方、“マトリの疫病”と呼ばれる女性麻薬取締官もまた、組織を摘発するため内情を探っていたー。
古びた学校、曰くつきの遊園地、山奥の病院、誰も居なくなった集合住宅。…人々に打ち捨てられ、時代の流れと共に世間から忘れ去られた“廃墟”。そこに足を踏み入れた人間が遭遇するものとはー?Web小説投稿サイト「小説家になろう」のホラージャンル約11,000作品から厳選した『首をはねられた君とすり潰された僕』『鬼ごっこ』ほか、書き下ろしを加えた計7作品を収録。様々な廃墟にまつわるホラー短篇集の決定版!
秋葉原FMの人気パーソナリティの西園寺沙也加が殺された。彼女に最後に会ったのは、ラジオディレクターで沙也加の恋人でもある矢嶋直弥だった。死体の首には、矢嶋が沙也加から貰ったものと同じネクタイが巻かれており、警察は矢嶋を疑う。矢嶋は否定するも、泥酔して記憶がない。さらに殺害トリックを暴けない警察からは「お前が作った密室現場の謎を解け!」と迫られ…。
新米航空管制官の藤宮つばさは、優秀な管制官だった叔母の真紀子に憧れ、一人前の管制官となるべく日夜奮闘していた。同期の情報官・戸神大地とともに、鳥が原因のエンジントラブルや外国要人専用機の離陸失敗事故など、空港で発生する様々なトラブルを乗り越えていく。つばさは、叔母が口にした「管制官に一番必要なもの」を見出すことができるのか。空港を舞台にしたお仕事ミステリー!
警察庁から郷間班に来た捜査協力の依頼。新宿署の利根警部に暴力団から金銭を受け取っている疑いがあるため、調査してほしいという。利根と接触していた御坂組の黒川は、三日前に刺殺体で発見されており、同時に利根も姿を消していた。果たして利根が犯人なのか。郷間と班員たちは秘密裏に調査を開始するが、越権捜査の末、郷間は謹慎を命じられてしまうー。郷間彩香、最後の事件!?
かつて天才詐欺師としてその名を馳せた夏目は、突然目の前に現れた女子中学生・小春から、とある依頼を受ける。自分の娘だという小春からの頼みごととあって、久しぶりに動き始めた夏目だったが、次々と訳ありな依頼者たちが訪ねてきて…。ある時はYouTuberと大人気ゲーム機の不正抽選の謎に迫り、またある時は闇カジノで結婚詐欺師を懲らしめる。己のポリシーに忠実な天才詐欺師が大活躍!笑って泣ける、父と娘の連作短編ミステリー。