出版社 : 宝島社
『ドッグカフェ・ワンノアール』に勤める森川凛は、幽霊が見えるという能力を持つ。カフェの前に捨てられていた仔犬を育てることにした凛は、シルビーと名づけたその犬も死者が見えることがわかる。その能力を生かして、凛とシルビーはカフェの周囲で起こる不思議な事件を次々と解決していくが、そのカフェにはある大きな秘密があったー。幽霊が見えるカフェ店員と看板犬のコンビが活躍する連作短編ミステリー。
五年前に失意の美星を救ったのは、いまは亡き大叔母が仕掛けた小さな“謎”だったー。京都にひっそりとたたずむ珈琲店“タレーラン”の庭に植えられたレモンの樹の秘密を描いた「純喫茶タレーランの庭で」をはじめ、五つの事件と書き下ろしショート・ショートを特別収録したミステリー短編集。
“「死神」と呼ばれる殺し屋のターゲットになると、24時間以内に偶然の事故によって殺される”。特ダネを追うライター・陣内は、ある組長の死が、実は死神によるものだと聞く。事故として処理された彼の死を追ううちに、陣内は破天荒な天才投資家・本宮や、組長の仇討ちを誓うヤクザとともに、死神の正体に迫っていく。一方で、退官間近の窓際警部と新人刑事もまた、独自に死神を追い始めていた…。第8回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
ファッション雑誌編集者の藍は、ある日ゴールデンレトリバーのリラを飼うことになった。恋人の浩介と一緒に育て始めたものの、仕事が生きがいの藍はは、日々の忙しさに翻弄され、何を愛し何に愛されているかを見失っていく…。浩介が去り、残されたリラとの生活に苦痛を感じ始めた頃、リラが癌に侵されてしまう。愛犬との闘病生活のなかで、藍は「本当に大切なもの」に気づきはじめる。“働く女性”と“愛犬”のリアル・ラブストーリー。
私立大学で教鞭をとり、犯罪被害者救済活動を続けてきた大原奈津子は、衆議院統一補欠選挙への出馬を決める。そんな折、元犯罪者のプライバシーを侵害するビラを撒いて騒ぎを起こしていた団体「凶悪犯罪抑止連合会」から推薦状が届いた。戸惑う奈津子は元刑事の平澤栄治に相談する。抑止連の正体を突き止めるべく栄治の捜査が始まった。第5回『このミス』大賞優秀賞受賞作の文庫化。
雑誌『smart』にて連載された、リップスライム自身の筆による官能小説がついに文庫化!メンバー5人のリレー小説の他、「届かぬ思い。」フォト・ストーリーや、メンバーが文豪に扮したミニ写真集、男の本音が炸裂するディープなエロス討論、豪華作家陣とリップスライムのコラボによるオリジナル漫画などの企画も充実。読んで楽しい&見て楽しい、エンターテインメント・ブックです。
26歳、フリーター、処女。彼氏も友達も仕事もない苫子は、人の首の後ろのスイッチを探すのがクセ。スイッチを押せばその人はいなくなる…と空想する。夫の浮気で熟女ホステルになろうとするオバチャン、オヤジ専門のギャル、家具オタクで、家具目当てで結婚した嫁と離婚に陥ったサル男。ちょっと風変わりな人々に振り回され、苫子の人生が変わり始める。第1回日本ラブストーリー大賞審査員絶賛賞受賞作。
北海道の北端に大樹海が広がっている。神奈川県の広さに匹敵する広大な森だ。平均気温は北極圏より低く、冬にはマイナス40度を下回る日も珍しくない。そんな土地の研究林を管理する鳥類学者の元で年末年始を過ごそうと、彼の親族や学者仲間たちが集まっていた。そこへ、ヒグマに襲われたという密猟者が逃げ込んでくる。車が横転してしまい動かず、電話も通じない。小屋に集った人々は完全に孤立してしまったのだった。やがて、体重350キロを超す巨大なヒグマが小屋を襲う。秋に食いだめに失敗して冬眠できず雪の中を徘徊するシャトゥーン(穴持たず)と呼ばれる危険なヒグマだった。密猟者の銃程度ではヒグマの動きを止めることはできない。ヒグマによって少しずつ破壊されてゆく小屋。そして、人食いヒグマへの恐れが、人々から冷静さを奪い去ろうとしていた…。第5回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作。
「ハリー・ポッター」シリーズの人気ぶりはいまだすさまじい。最新刊の発売はその都度世界中でニュースになる。そんな大人気のシリーズ1〜4巻を、本書では登場人物別ストーリーダイジェストにして紹介。全巻を読んだ人、まだすべてを読破していない人、映画しか見ていない人、そしてこれからハリー・ポッターに浸りたい人たちに贈る10倍愉しくなる早わかり決定版。
自らの全知力と肉体を振り絞って作り上げた完璧なコカイン密輸のシステムー悪のヒーロー・朝倉恭介の完全犯罪が、ついに白日の下に…。追う警察、暗殺を企てるCIA、そして訪れた川瀬雅彦との決闘。はたして恭介は逃げ切ることができるのか?『Cの福音』で颯爽と登場した優雅なる野獣・恭介。闇に生きる者は闇に消えるー待ち受けるのは生か死か?6連作シリーズの掉尾を飾る雄篇の文庫化。
日本の天才科学者と彼が培養に成功した石油生成バクテリアをめぐって、掠奪・爆破・拉致・殺害の指令が乱れ飛ぶ!やがて戦慄すべきバクテリアの真の姿が明らかに…。科学者である前に人間としてどう生きるべきか-読む者の胸を熱くするヒューマン・エンターテインメント。「サントリーミステリー大賞・読者賞」ダブル受賞作家がおくる21世紀の知的冒険小説第1弾。
金がほしいわけではない。己れの能力・可能性の証明として、その対価を求めるのだー闇の世界にしなやかに生きるヒーロー朝倉恭介のクールな魅力で、たちまちベストセラーとなった楡周平のデビュー作「Cの福音」の続編。ニューヨークを舞台に、マフィア間の抗争、リンチ、陰謀、裏切りの渦の中で、コカインルートの危機に恭介の血が沸き立つ。読者を待つのはフロリダの空を焦がす大夜襲。
インターネットに“凌辱”された天才女性プログラマーの狂気!?たったひとりの犯行が、世界を音もなく破壊し尽くしていく。最新鋭旅客機が制御不能に!!「犯行声明」ホームページに7000万のアクセス。だが、そこには恐るべき罠が…。サイバー・テロの恐怖を描く大長編傑作エンターテイメント!
謎の重武装軍団が日本海沿岸の原発を狙う。機動隊は殱滅され、住民は一斉に避難。折しも日本海では米原潜の頭上でロシア船が爆発炎上。航行不能となった原潜を挾み「北」と米日韓はまさに一触即発。その時東京で、米国大使館と警視庁に同時爆破テロ。さらに衆参両院に仕掛けられる青酸爆弾…。誰が、一体何のために!?安逸を貪る「虚飾の花・日本」を襲う未曾有の危機。各メディア騒然の問題作。