出版社 : 宝島社
金がほしいわけではない。己れの能力・可能性の証明として、その対価を求めるのだー闇の世界にしなやかに生きるヒーロー朝倉恭介のクールな魅力で、たちまちベストセラーとなった楡周平のデビュー作「Cの福音」の続編。ニューヨークを舞台に、マフィア間の抗争、リンチ、陰謀、裏切りの渦の中で、コカインルートの危機に恭介の血が沸き立つ。読者を待つのはフロリダの空を焦がす大夜襲。
インターネットに“凌辱”された天才女性プログラマーの狂気!?たったひとりの犯行が、世界を音もなく破壊し尽くしていく。最新鋭旅客機が制御不能に!!「犯行声明」ホームページに7000万のアクセス。だが、そこには恐るべき罠が…。サイバー・テロの恐怖を描く大長編傑作エンターテイメント!
謎の重武装軍団が日本海沿岸の原発を狙う。機動隊は殱滅され、住民は一斉に避難。折しも日本海では米原潜の頭上でロシア船が爆発炎上。航行不能となった原潜を挾み「北」と米日韓はまさに一触即発。その時東京で、米国大使館と警視庁に同時爆破テロ。さらに衆参両院に仕掛けられる青酸爆弾…。誰が、一体何のために!?安逸を貪る「虚飾の花・日本」を襲う未曾有の危機。各メディア騒然の問題作。
1968年12月21日、毛沢東は「知識青年は農村へ行って貧農・下層中農の再教育を受ける必要がある」との指示を発した。いわゆる“下放(挿隊)”である。69年1月、本書の作者史鉄生は陜西省の農村に向かった。彼、17歳の冬であった。その村で見たものは…。-文革期の青春の“光と影”と今を生きる自分の思考と感性を過去への巡礼として総括した記念碑的作品の邦訳ついになる。
林市はなぜ夫を殺害し、その死体を切り刻んだのか?飢えのためにいきずりの兵士に身を任せ、一族により川に沈められた母と、少量の豚肉との交換で屠夫のもとに嫁にだされた娘…。嗜虐的な凌辱、獣のようなセックス、飢えと恐怖と絶望の果てに、林市が見たものは?中国社会の暗部を怒りと悲しみで描き、容赦なく人間性の最深部を抉る現代台湾フェミニズム文学の最高傑作。
うだつのあがらぬ男、営業課課長代理(40歳)妻子あり。エキゾチックな女、営業課為替係(23歳)独身。男の転勤が決まった時、僕は、支店の書庫で寄り添うふたつの影を見た-。銀行員の恋は小説よりもロマンティック。
なにも知らない子どもだった私は、ロールのパパ、ママの愛人、かかりつけの医者に、つぎつぎと弄ばれ、どんどん悪い子になっていく。でも私はそれが嫌いじゃないみたい…。みずみずしいタッチと軽快なテンポで描いた少女ソフィの性の受難と復讐の物語。
お気楽に生きてきた私の前に現れた破滅型のギャンブラーとニューヨーク帰りのトレンド野郎。ドロドロの浮気騒ぎの果てに流れ着いたNYでの、愛のないSEXと快楽のためだけのDRUG。だが心やさしきゲイたちとのナイト・クラビングの中で私は少しずつオトナになっていった-。豊かさに惑える女の子の自立を描く世紀末のヴィルドゥングス・ロマン。
人妻のベアトリスのアルバイトはヌードモデル。が、もちろん夫には秘密。男たちの視線の前におしげもなくさまざまな姿態をさらすたびに、彼女は生きる喜びにうち震える。そんある日、突然、…。ブリジット・ラエが、自らのAV女優体験をもとに、〈見られること〉で高まっていく女の官能を、大胆な描写とともにみごとに描きあげたエロティック小説。
1989年6月4日「血の日曜日」事件以来、事実上、発表禁止とされた莫言は、黙示録的小説「花兵を抱く女」をひっさげて、二年ぶりに文壇復活を遂げた。-地域共同体も血縁共同体も崩壊に瀕している現代中国農村の状況を的確に描き、新しい中国文学の胎動を伝える待望の第2短篇集。
旅の男との欲望の狂乱に身をまかせたアンジェール。灼熱の抱擁のなかで、過去の異常な性の体験を明かすうちに、彼女と男は、いつしか快楽と幻想の不思議な世界へと入り込んでいく。官能の嵐のなかで、常識人の心を痛撃し、欲望の源へとさかのぼる衝撃の物語。
19世紀末のロンドンで起こった売春婦5人の連続殺人。その手口の残虐さで、現代に語り継がれる『切り裂きジャック』事件を、著者現地取材により緻密に再現した猟奇のセミ・ドキュメント・ノベル幽界版ロンドン・ガイド同時収録。
人間とはなにか?私たちが生きるというのは、いったいどういうことか?今という時代を生きのびるために、そして根拠のあるよろこびと明るさをどこまでも持ちつづけ、問いを生きつづけるために、子どもの本を通して見えてくるものを等身大のことばと低い静かな口調で語りかけるもうひとつの児童文学入門。
資金量では第一勧業銀行に抜かれ,収益性では住友銀行に抜かれ,かつての都銀第一位の名声にしがみついているF銀行。この病める大銀行に就職した若き銀行員の体験。そこは、想像を絶する奇妙な世界だった。