出版社 : 幻冬舎
私たち、何を、どこに向かって、頑張ればいいの──?亜希と茗子の唯一の共通点は育児ブログを覗くこと。一人は、親しみを持って。一人は、憎しみを抱えて。ある日、ブログ執筆者が失踪したことをきっかけに、二人の人生は交わり、思いがけない地平へと向かう。自分だけの光が見つかる、心震える物語。「気づいたら、子供の話しかできない人間になっていた」亜希(35) 妊娠を告げた派遣先で雇い止めにあい、現在育休中で求職中。一歳の息子の保育園を探しているが、無職のためハードルは高い。「何かを得たのに、何も失わずにいられると思っているなんて図々しいにも程がある」茗子(37) 過去、後輩にマタハラで訴えられてから「若い女子」が苦手。 妊娠した同僚の仕事のフォローが辛い。
最恐毒舌刑事VSテロリスト毒島真理は大量の連載を抱える人気ミステリ作家。しかしひとたび筆を置けば、警視庁随一の名刑事へと変貌する。冴えわたる舌鋒で、思想に毒された犯罪者に心理戦を仕掛ける!保守系の刊行物で有名な出版社に、何者かが火を放った。公安一課の淡海奨務は、左翼集団の犯行とみて捜査を開始する。そこで出会ったのは同じく事件を追う作家兼業の名物刑事・毒島真理。虫も殺さぬような風貌とは裏腹に、毒島は容赦ない口撃で犯人を徹底的に追い詰める。淡海はその姿にたじろぎつつも、行動を共にすることに。間もなくネットに公開された「急進革マル派」を名乗る過激派の声明。果たして事件は大量殺人の予兆なのか? どんでん返しの帝王がおくるノンストップミステリ!
目に見えているこの体は誰だろう、誰のだろう、ぼくか、ぼくのか、しかし、ぼくとは誰だろう。船が難破し、一切の記憶を失った光。蘭の花が香る清艶な女性に導かれたのは、混沌と秩序がうねり合う“ナーダの国”であったー。神秘の島で解き明かされていく彼自身の正体とは。圧巻のファンタジー小説。身体全体が真っ白なペンギン、十年に一度咲く睡蓮、瓶詰めの「神のあくび」を売る店、土星の輪を千切りにした五目ラーメン…。この世のすべての文化と民族が集結する国で、真の自分を探し求める終わりなき旅が今、始まる。
好奇心旺盛で多趣味なご主人と明るい奥さん、すくすく育つ息子に囲まれた飼い犬・マックス。「寝て、散歩して、食べて、また眠る」それだけと侮るなかれ。家族の日常、そして奇妙な人間社会を犬の目から語るワンダフル・ストーリー。
2022年度、最大の収穫!!キュンと切なくて、だけど心温まる、愛すべき傑作エンターテインメント長篇、誕生!届け、この声。あのひとの、胸の奥深くまで。人形浄瑠璃をまったく新しい境地に導いた、“義太夫節の”開祖・竹本義太夫。百姓だった若者が、恋する女のために夢を追い、仲間と共に七転八倒しながら〈新浄瑠璃〉なる芸術を作り上げた。それはまるで、「芝居」のようにドラマチックな人生だった!「語りたいんだす。語らんと、ワテは死んでまう。そんで大勢に聞いてほしい。ぎょうさんの人の心を動かしたい。ワテが見たいんは客が心を震わせてる姿だす。皆が食い入るように人形を観て、語りに笑って、三味線に涙する姿だす」情を語り、人と心で繋がるーー。人生のすべてを芸事に捧げ、〈人形浄瑠璃〉に革命を起こした太夫の、波乱万丈な一代記!
この子たちをひときわ輝く〈スター〉にしてみせるーー。博多で父親を知らずに育ったミチル。東京でお嬢様として我儘に育った真由。反りの合わない二人が、ペアを組んでスターダムを駆け上がる!昭和の芸能界を舞台にした、ド・エンタメのスター誕生物語。東京の大手芸能プロダクション「鳳プロ」のマネージャーながらも、雑用仕事ばかりでくさっていた桐絵は、ある日、博多のライブハウスで歌う15歳の少女・ミチルに胸を射抜かれ、周囲の反対を押し切って東京につれてきた。鳳プロでは、その年、専務の14歳の娘・真由を大型新人としてデビューさせることが決まっていたので、ミチルのデビューの目はないはずだった。しかし、二人はペアを組んでデビューすることになる。正反対の性格で、反りの合わない二人はまったくうまくいかない。しかも二人には出生の秘密もあって……。昭和の芸能界を舞台に、必死にもがく少女たちと、彼女たちをなんとかスターダムにのしあげようとする大人たちによる、ド・エンタメの、痛快スター誕生物語。
「君は幸せだな。僕にはそのことを教えてくれる父はいなかったよ」麻薬に溺れた男、麻薬を取り締まる男、二人の岐路はどこにあったのか。少年が幼い頃に愛おしんだ母犬、そして、麻薬探知犬となったその子犬が結びつける人々の絆と命の救済ー。一匹の犬が成し遂げた奇跡のドラマ。
自立できない夫との関係に悩む麻美は、心に聞こえる「声」の教えに導かれ、自分が生きるたった一つしかない星い星の存在や、人間に課せられた使命に気づき、思考が変化していく。視野が開けていくに従い、周囲の人々との関係性も変化してー。あるがままの自分と向き合うことで、生きることの本質を見出す女性の再生の物語。
北条政子、日野富子、淀君ー彼女たちはなぜ、悪女と呼ばれるのか。三人の生き様を生々しく描くことで素顔に迫る、艶やかな歴史官能小説。激動の中世・戦国を生き抜いた女性たちの、秘められし淫靡な世界。
パチンコ業界紙の記者・工藤武夫の元に届いた一本の電話。相手は自身を「N」と名乗り、業界を席巻する違法の台、通称「裏ロム」の告発をしたいという。しかし、待ち合わせの場に「N」は現れず、そこには、散乱したパチンコ玉の上で揺れる無惨な姿があるのみであった。
厳しく当たり縛り付ける母と同調する父、無関心な兄達。味方をしてくれる人間は誰もいなかった。自分の人生に意味を見出せず死を望んだ時、誰かの声が聞こえてきた。懸命に生きる彼女の人生が少しずつ動き始めるー。絶望の中で藻掻く青少年に贈る、精神的自立と安寧のための物語。
「競馬は9回の落胆と1回の喜び」--ノースヒルズ 前田幸治見果てぬ夢、至高の頂へ。キズナ、ワンアンドオンリー、コントレイル……人馬一体で悠久の未来へと疾走する、感動のノンフィクションノベル!挑戦者の孤独と憂鬱、そして怒り。逆境を越えて、ビジネスでも競馬でも勝つためのアイディアが詰まった一冊。--サイバーエージェント代表取締役 藤田晋正解も方程式もない、競馬の真の面白さがここにある。あのダービーの感動が克明に蘇りました。--JRA騎手 武豊「前田さんは運がいいですな。毎年のようにG1を勝たれるんですから」 「いえ、たまたまですよ」と幸治は謙遜するが、腹の中で思ったことは違う。 ──なにが運がいいだ。俺はこれまで失敗と落胆を繰り返し、めげずにやってきた。この果てしないトライ&エラーの結果を、運の一言で片づけるな。 失敗から学び、辛い時こそチーム全員で手を取り合って前へ進む。諦めずに進化と変革を目指す者だけが、この世界を生き抜くことができるのだ。幸治には、体でそれがわかっていた。
かつて「超高校級」ともてはやされたピッチャーだった大瀧鉄舟は野球の道をあきらめ、人生そのものが停滞したまま20代半ばを迎えてしまった。そのまま生きていくのはツラすぎるけど、現実と向き合って人生をやり直す勇気もなかなか出ない。そんな鉄舟が、ひょんなことから草野球チームを創設することに。だが、彼の元に集まったのは結構クセ強な男女8人。すったもんだの果てに迎えた初の対外試合。全員挫折経験ありのへっぽこナインが、河川敷のグラウンドで奇跡を起こす!(…かも)
人は皆、誰も傷つけず生きていけるだろうか。どんな困難があろうとも痛みを分かち合い、それでも生きることを愛する者たちー。切なくも温かい、ハートフルなヒューマンドラマ。
1998年7月。交差点に飛び出した、様子のおかしな女。彼女の過去に迫る時、戦禍の影に隠された悲痛な叫びが聞こえてくる。消えることのない憎しみの連鎖を鮮烈に描き出す衝撃の社会派ミステリー。
ミトコンドリア「サキ」が、その問いにヒントを与える。病弱な母を救いたいと、再生細胞の研究を続ける純平。石油化学工業会社勤務ながら、環境問題をきっかけに自らの仕事に疑問を持ち始めた朋彦。そして夫の死後、表舞台から約20年間、姿を消した歌手・旭かなえの人生が交錯ー「命」「寿命」「病」について問いかける一冊。
時空を超えて織りなされる、究極の愛の物語。見知らぬ人の夢を見た。しかし、胸に残ったこの気持ちはたしかに現実のものだったー。あらゆる人々の心の奥底を流れ続けてきた愛というもの、その姿を模索してゆくための6話の短編小説集。