出版社 : 幻冬舎
五千メートルのレースで貢に敗れた碧李。その時、碧李の胸には勝ちたいという新たな衝動が込み上げる。一方、天才ランナー・貢の知られざる過去が明らかに。以前、名門高校に籍を置いていたが、ある事件がきっかけで、一度走ることを諦めていたのだったー。走ることで己と向き合う少年たちの、心の疼きと渇きを描いた人気シリーズ第三弾。
「死んだら会いに来るよ」。そう言い残して、若くして死んでしまった、年上の女性。合図は話しながら耳をかくことだという(「猫のしっぽ」)。かつて気まずい別れ方をした女性から送られていた、鞄。苦労してナンバー式の錠を開けると、中には褐色のかたまりが…(「鞄の中」)。男と女の関係は、妖しく不思議で、時に切ない。十三の傑作短篇集。
練達の外科医・当麻鉄彦のもとに末期癌の患者が訪れる。苦慮の末、選択した抗癌剤が劇的に効き、患者はめざましい回復を見せるが、折しもその頃、日本癌治療学会では、癌と戦うなと唱えて一躍時の人となった菅元樹の発言をめぐり、シンポジウムが紛糾するのだったー。患者の為の真の医療とは何かを問う、シリーズ最新刊。
京都路地裏にある「ジャスミン荘」は、居酒屋や喫茶店が軒を連ねる昔ながらの長屋。摩利が大家さんになってから、住人は路地入口の伝言板に毎日メッセージを書く約束なのだが、ある朝、ひとつ空欄が。部屋を訪ねると、中に死体!?この長屋は私が守る!居酒屋店主の絶品料理と、イケメン刑事の笑顔をエネルギーに、摩利は果敢に謎解きに挑む。
青春の思い出を語り合うだけのはずだった。同窓会で再会した洋輔ら四人は、旧交を温め合ううちに、かつての体罰教師への仕返しを思いつく。計画通り暴行し置き去りにするも、教師はなぜか別の場所で溺死体で発見された。犯人は俺達の中にいる!?互いへの不信感が募る中、仲間の一人が殺されて…。衝撃のラストに二度騙される長編ミステリー。
蛍川鉄道の藤乃沢駅で働く若手駅員・夏目壮太は“駅の名探偵”。ある晩、終電を見送った壮太のもとに、ホームレスのヒゲヨシが駆け込んできた。深夜密かに駅で交流していた電車運転士の自殺を止めてくれというのだが、その運転士を知る駅員は一人もいないー。小さな駅を舞台に、知らぬ者同士が出会い、心がつながる。あったか鉄道員ミステリ。
ある少年の体内で見つかった未知の臓器。以後、世界中で発見され、彼らはギフテッドと呼ばれる。当初、何の特徴も表れなかったが、彼らを恐れた人間ばかりが肉片と化す事件が起き、人々の心に恐怖が宿り始める。差別か、共存か。自分と異なる者に直面した時、人はどんな残酷な決断を下すのか?人間の限界と本性が暴かれる、エンターテインメント大作。
警視庁強行犯係・樋口顕のもとに殺人事件の一報が入る。被害者は、キャバクラ嬢の南田麻里。彼女は、警察にストーカー被害の相談をしていた。ストーカーによる犯行だとしたら、警察の責任は免れない。被疑者の身柄確保に奔走する中、樋口の娘・照美にある事件の疑惑が……。警察組織と家庭の間で揺れ動く刑事の奮闘をリアルに描く、傑作警察小説。
こんなはずでなかった結婚。捨て去れない華やいだ過去。拭いきれない姉への劣等感。夫から切り出された別離。いつの間にか心が離れた恋人。……真面目に、正直に、懸命に生きてきた。なのに、なぜ? 誰にも言えない思いを抱え、山を登る彼女たちは、やがて自分なりの小さな光を見いだしていく。新しい景色が背中を押してくれる、感動の連作長篇。
時は戦国。甲斐の武田が大軍を引き連れて志賀城を攻めた。狙いは、九尾の狐の怨念が宿った殺生石。志賀城の姫・咲弥は、殺生石を守るために城を抜け出すが、山賊に襲われて、谷底に転落してしまう。そんな彼女を助けたのが、山奥に住む一吾という少年だった。妖魔の追手が迫る中、ついに闘いの火蓋が切られるー王道エンタメ、開幕!!
殺生石を砕く力を持った「封魔の鎚」を探すため、那須岳に向かうことになった咲弥たち一行。自らの力の無さを悔やみながらも、彼女を助けるためにその後を追う一吾。それぞれが試練に立ち向かう中、山本勘助の人ならざる力により、休む間もなく窮地に追い込まれる!妖魔が蠢く絶体絶命のピンチを切り抜けられるか?-王道エンタメ、第二弾!!
世界中の女性に愛されるウエディングドレスを制作し、国際的なファッションデザイナーとして活躍する佐倉玖美。草分け的な婚礼貸衣装業を展開し、結婚式のひとつの様式を築いた服飾研究家の田代窓子。生い立ちも性格も体つきも対照的な女学校の同級生。「夢」と「自立」をめぐる女たちのレジスタンス!
深夜の救急医療室で働く岬純也のもとに、白銀の瞳をもつ美少女・悠が現れる。致死率95%の奇病から生還した「ヴァリアント」である悠は、隔離地域「憩いの森」からの脱走者だった。ヴァリアントに異常な憎悪を抱く刑事・毛利の追跡が迫る中、悠は反政府組織が企む「ある計画」を純也に明かすのだがー。手に汗握る怒涛の展開、一気読み間違いなし!
久留米藩主・虎之助がついに江戸の町に戻ってきた。まずはやくざの若親分として最大勢力の万五郎一家を潰したいところだが、相手は千二百人もの大軍勢。そこで虎之助が一発逆転を狙って挑んだのは、なんと相手の得意な舟いくさだった。その一方、将軍・綱吉に疑念を抱かれた虎之助はとうとうこの国の首領とも戦うことに…!?ド迫力の最終巻!
徳弥は父の急逝で若くして住職となった合コン好きの不良坊主。彼の元に、小六のとき一瞬だけ同級生だったフリーターの一時が訪ねてきた。父の遺骨を引き取るためだ。再会した二人は、かつてのマドンナ・美和の自殺にある男が絡んでいたことを知り、仕返しを企てるが…。爽快でちょっと泣ける男の純情物語。