出版社 : 幻冬舎
極秘来日していたオノコロ国のトップが“暗殺”された。自首したのは、衆議院議員の息子で創薬研究をする大学院生・一臣だった。しかし彼には動機がまったくなく、殺害方法の供述も二転三転する。一臣を操るのは、オノコロからの美しい留学生・ニキか、かつて一臣と愛し合った義妹・多佳子か。“彼女”の心の底にあるのは、正義感か復讐心かー。
参勤交代をさんざん先送りしてきた藩主・虎之助。さすがにもう国入りしないとまずいが、やくざの抗争が一触即発の今、実家の丑蔵一家から離れることもできない。そんな折、虎之助はある偶然の出会いからこの難題を解く妙案を思いつく。一方国許では、“陰の藩主”が虎之助を早く殺したくて、うずうずしながら待っていた…。痛快シリーズ第六弾!
青森の高校教師・中島升美は修学旅行の引率中、片想いしていた先輩と5年ぶりに再会する。一流企業を辞めて観光バスの運転手になった彼の勝手な案内で、進路指導に手が焼ける生徒たちを連れて東京を巡る羽目にー優等生の突然の失踪、やる気のない教師の意外な告白…。修学旅行中に、大人も子供も人生の大切な決断をする感動の連作長編。
夢を叶えるためホテルで働き始めた宗だったが、一流の味を学校に提供する「ホテル給食」課に配属される。渋々向かった女子校で彼を待っていたのは、舌の肥えた我がままなお嬢様ばかり。豪華な給食にも「太る!」と全く手をつけない。元給食のお兄さんのプライドに懸けて、宗は彼女達のお腹を心を満たすことができるのか。大人気シリーズ、第四弾!
「見送る者は無言の自然のみ。行く先は何処ぞ…」。1941年、行き先も目的も知らされないまま、家族に別れも告げられず、11人の男たちは潜水艦に乗艦した。船酔いに苦しむ大滝、人間関係に悩む二本柳、接吻に憧れる北、軍規に反し日記をつける勝杜…。著者の伯父の日記を元に、明日をも知れぬ男達の真実の姿を描いた感涙の物語。
創陵大学准教授の菅井は患者の黒い肉腫に唖然とした。エイズに酷似するウイルスが骨を溶かし数日で全身に転移、意識障害で死に至らしめる。あらゆる薬が効かず数カ月で日本中にこの「新型カポジ肉腫」が多発したが国は無策で人々は恐慌した。一方ウィーンで天才医師・為頼がWHOの関連組織から陰謀の勧誘を受ける。ベストセラー『無痛』の続編。
誠、正二、香の兄妹は、東京の古いアパートで身を寄せあって暮らしている。父は失踪し、母は寝たきりの状態だ。多額の借金を返し、家族を養うため、兄妹はある犯罪に手を染める。やがて世界の紛争地に生きる少年たちの日々が、兄妹たちの生と響き合う…。愛も夢も奪われた仔らが運命に立ち向かう、究極の希望の物語。第67回毎日出版文化賞受賞作。
太平洋戦争末期、腕利きの零戦搭乗員・陣内武一は、250キロ爆弾を抱いて“鉄の要塞”空母エンタープライズに特攻した。だが特攻作戦の最中に時空がねじれ、平成の東京へと飛ばされる。そんな彼が出会ったのは、冴えないフリーター田嶋慎太。はからずも日本を陥れるテロ計画の存在を知ってしまった二人は、国を守るため、共に戦うことを決意する。
恩師の葬式で再会した五人の女。近況を報告しあううちに、教室で見たビデオの記憶が蘇りー。先生と濃厚なセックスをしていた、あの女は誰だったのか。互いに互いを疑いながら、女たちは今日も淫らな秘め事を繰り返す。不倫、密会、出会い系…。秘密を抱える腹黒い女たちと、それを監視する街、京都。重ねた嘘が崩壊する時、女の本性が放たれる。
身長2メートル超のマッチョなオカマ・ゴンママ。昼はジムで体を鍛え、夜はジム仲間が通うスナックを営む。名物は悩みに合わせた特別なカクテル。励ましの言葉を添えることも忘れない。いつもは明るいゴンママだが、突如独りで生きる不安に襲われる。その時、ゴンママを救ったのは、過去に人を励ました際の自分の言葉だった。笑って泣ける人情小説。
ひとつの家族となるべく、東京郊外の一軒家に移り住んだ二組の親子。それは幸せな人生作りの、完璧な再出発かと思われた。しかし、落雷とともに訪れた長男の死をきっかけに、母がアルコール依存症となり、一家の姿は激変する。「人生よ、私を楽しませてくれてありがとう」。絶望から再生した温かい家族たちが語りだす、喪失から始まる愛惜の物語。
政府がひた隠す悪魔村。ここで育つ少年は15歳で“悪魔を発症”し、ほとんどが「使えない」と殺されてしまう。一方少女たちは、悪魔を産ませるために飼われている。少年メロは仲間と逃げ出すが、大好きな友が次々と、魂を喰う邪悪な姿に…。ついにメロの体にも前兆が!それでも愛する少女を守り続けるがー。悲しき運命と戦う少年たちの物語。
純喫茶「昭和堂」の店主・霧子は、美人なのに、ちょっとぐうたらな不思議系。でも、裏の「癒し屋」稼業では、依頼人のどんな悩みも奇想天外な手法で一発解消させる敏腕だ。ところが、そんな霧子にも悲しい過去がー。ある日、彼女宛てに届いた殺人予告。それをきっかけに、霧子は過去と向き合う勇気と未来への希望を取り戻していく。感動エンタメ。
「今日から、あなたたちは鈴木さんです」。巨額の借金を抱えた男女四人が豪邸に集められた。彼らの責務は、ここで一年間、家族として暮らすこと。見知らぬ者同士が「家族ごっこ」に慣れてきたある日、貸主から次なる命令が下った。失敗したら四人に未来はないー。貸主の企みの全貌が見えた瞬間、想像を超えた“二重の恐怖”がつきつけられる!
出奔した道楽者の兄が拵えた大借金。その取り立てに現れた男を見て、骨董店『萬屋』の一人娘・お伊馬はたじろいだ。単なる商家の次男坊というが、白狐の化身と見紛う優男。本当に人間なのか、と疑いたくなるほど異様な雰囲気をまとっている。なぜ兄はこんな男から金を借りたのか?真相を追うお伊馬はやがて途方もない事件に巻き込まれるー。
居酒屋の名物女将・お夏の許に、髪結の鶴吉から思わぬ報せが届いた。二十年前、お夏の母を許し難き理由で無礼討ちにした才次が名を変えて船宿の主に納まっているという。凄まじい殺人剣の遣い手を用心棒に雇い、温和な仮面を被る才次を討つため、お夏は料理人の清次らと共に策を巡らした大勝負に挑む。無念と憤怒を晴らすシリーズ待望の第三弾!
久留米藩の懐はまだまだ火の車。そこで藩主・虎之助は“馬鹿につける薬”という大儲け間違いなしの商いを思いつき、薬作りに自ら奔走する。そんな折、丑蔵一家を束ねる母・辰の行方が知れなくなった。江戸最大のやくざ・万五郎一家の仕業と睨んだ虎之助は、怒り心頭で殴り込んでゆき…。腕っ節と機転が武器の破天荒大名、痛快シリーズ第五弾!
菊太郎の恋人・お信が娘のお清を連れ、神妙な面持ちで「鯉屋」へやってきた。源十郎を筆頭に店の者たちは、すわ別れ話かと気を回すが、お清の進路の相談だった。女だてらに公事師になりたいのだという。その申し出を源十郎は受け入れたが…。大人への階段を上る娘の姿を心温まる筆致で描く表題作ほか全六編。人気シリーズ、待望の第二十一集!
「実兄を見殺しにした男」と周囲から疎まれている武田の家臣・智之介。ある日、幼馴染みが殺害され、その嫌疑が智之介にかけられる。汚名をそそぐ為、そしてある罪の意識から一人調べを進めるうちに、負け知らずの武田家を揺るがす密約に辿りつく。接見することなく、一通の手紙で繋がった一介の武士と信長。誰も知らなかった長篠の戦いが今幕を開ける。