出版社 : 徳間書店
あさな子の柔らかい肌。いたぶるのは麹町署生活安全課の刑事・友定伸。息子の雄介への暴力を止められない。ある夜、雄介が行方不明になった。託児所から抜け出した雄介を保護したのは女子高生の大原妙子。実父から性的虐待を受けていた妙子は雄介を紫音と名づけて、新たな生活を夢見る。夜の闇の中、焦燥と絶望が疾走する。馳ノワールが深化した。
京の地蔵寺は、願主の祈りを聞き届け、悪人に誅伐を下す足引き寺。そこの住職宗徳のもとへ、ある日愛犬の豪が、斬り落とされた左腕をくわえてきた。折しも洛中では子どもが誘拐される事件が頻発し、山姥の仕業と噂されていた。その事件と左腕が意外なところで結びつくことに…。闇の仕事師たちが活躍する好評シリーズ第六弾。
秘密テロ組織“亜細亜のあけぼの”は、遂に日本壊滅の“旭光作戦”を発動する!狙われるのは日本海最大規模の浜高原発。日本の運命は…。今回も平和憲法を逆手に取り、空自防空網を翻弄する謎の男“牙”が襲って来る。スホーイ27に乗り換えた“牙”に、撃てない空自のF15は立ち向かえるのか。
日本海最大の浜高原発!襲いかかるミグ・スホーイの混成編隊…!航空自衛隊vs.謎の航空テロ組織、日本の運命をかけた激烈な空中戦が火蓋を切る…!闘え、第六航空団。行け、特別飛行班…!巻末に、月刀慧の少年時代を描いた新作書下しの番外篇を特別に収録。
一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして、新たな人生を歩み始めた十歳の少女。だが、彼女の人生は、いつしか狂い始めた。人生は、薔薇色のお菓子のよう…。またひとり、彼女は人を殺す。何が少女を伝説の殺人鬼・フジコにしてしまったのか?あとがきに至るまで、精緻に組み立てられた謎のタペストリ。
今より少しだけ未来の202X年。小学生の間では、ウェラブルコンピューター「電脳メガネ」が大流行していた。この「メガネ」をかけると、必殺技を手に入れたり、電脳ペットを飼ったり、子どもたちだけのとびきり刺激的な秘密の遊びをすることができるのだ。ただし、「メガネ」を楽しめる時間には限りがあって…。ヤサコを目の敵にしてつけ狙う他校の「三人組」、イサコを危険視して遠ざけようとするおとなたち、それに反発してイサコに心酔する“信者”たち。ヤサコたちの周囲は、ますます不穏な空気に包まれる。そんな中、大黒市からイサコの姿が消える。イサコの行方を懸命に捜すヤサコたちの前に、二度目の赤い柱ー“合図”が立った…。
友だちのこと、家族のこと。抱えきれないほど悩みはあるけれど、ふつうの高校生活を送っていた水嶋ほのか。でも、芸能プロダクション・サザンクロスのオーディションを受けたときから、ほのかの人生は、大きく動き出した。一緒に地区予選突破を誓う、友だちのひかり。初めての恋に悩みつつ、ほのかを応援するミッチー。大切な友だちの想いを背負って、オーディションにのぞむほのかだが、その会場には学校中の憧れの人、サッカー部キャプテンの松山先輩もいて…16歳のひと夏の想いをすべてこめて、ほのかは今、これまでの人生では考えられなかった華やかなステージへの階段を上り始める…。ピュアで胸が熱くなる、青春小説。
群馬県の田舎町で起きた夫婦殺害事件。警察は被害者の幼馴染で建設現場労働者の大船貢を逮捕した。全くの濡れ衣であったが、逮捕・裁判の過程で、貧しいながらも幸せだった家庭は一挙に崩壊した。三女・典子は看護師として働いていた。ある日、元教師の老人が入院してきた。毎夜うわごとを繰り返す老人の言葉は、偶然、冤罪事件に関係したものだった。意外なところから、真相をつきとめる手がかりを得た典子は、冷たい復讐の心を宿しながら謎を追い始める。書下ろし長篇社会派ミステリー力作。
囚獄・石出帯刀の命により死罪を免れ、ひそかに悪を斬ってきた佐久間音次郎。だが、音次郎の身辺を探る者が現れた。音次郎の名を知りたがり、東軍流の遣い手であることを見破った凄腕の浪人は、ついには仲間を引き連れ、きぬをさらっていく。囚獄からの連絡も途絶え、孤立無援のなか、音次郎は多勢を相手に、愛しいきぬを救えるのか…。
若者が群れ集う深夜の渋谷に怒声が響き、武装した十数人の少年たちが次々と路上に叩きのめされた。現場を去ってゆくサングラスにマスク姿の大男。その後も頻発する事件。被害者はすべて暴走族のメンバーだった。渋谷署強行犯係の刑事・辰巳は、武道家でもある整体師・竜門光一のもとを訪れた。素手で一撃のもとに相手を倒す謎の大男の目的は。
出合茶屋で役者が首をつった。どうやら心中らしいが、女の姿が見えない。検死医師の話から同心の鹿戸吾市は自死と決めつけたものの、役者と知り合いだった中間の砂吉は納得せず、ひとりで調べはじめることに。ところが今度は、砂吉が首つりにみせかけて殺されかけた。深く悔いる吾市を手助けすべく、祝言を目の前にした文之介も探索に加わるが。
尖閣諸島を、イージス艦を、謎の国籍不明機が襲う!風谷修を撃墜した謎のスホーイ24が、今度は尖閣諸島に出現。平和憲法を逆手に取った巧妙な襲撃に、緊急発進した自衛隊F15は手も足も出ない。目の前で次々に沈められる海保巡視船、海自イージス艦!「日本本土襲撃」の危機が高まる中、空自新人女性F15パイロット・漆沢美砂生は、スホーイと遭遇…。
新潟市内に三十数名の北朝鮮精鋭特殊部隊が潜入!拉致情報機関員の奪還を端緒として“戦争”が偶発したのだ。初めての実戦を経験する陸上自衛隊の激闘ー。防衛庁対遊撃検討専任班の桂川は対策に追われるが、彼の狙いは他にもあった。それは…。息をもつかせぬ急転また急転。そして、衝撃の結末!いま一番の注目株・黒崎視音の文庫最新作。
葬儀をだしていた男が殺された。死んだはずの商家の隠居は葬儀の最中に刺し殺され、本当にあの世に送られてしまったのだ。文之介と勇七が調べたところによると、いたずら好きの隠居は、自分の葬儀を眺めて、どんな人が来てくれるのか、確かめたかったのだという。さっそく、探索をはじめたふたりだが、今度は定町廻りの先輩同心が殺されて…。
黒十字サナトリウムは患者様の性別、年齢、人種、また資産や社会的地位など一切を問いません。けれども一つだけ共通点がございます。此処にいる方は、どなたも御自分を吸血鬼のたぐい、異形の存在だと思い込んでいらっしゃるのでした…。ある朝、目が覚めて自分が狂っていることに気づいた梶原章吾教授は、知人の医師を殺害し、北へ向かった。結核患者である凪雲龍司は美貌の伯爵夫人に魅せられ、眠りとは違う圧倒的な底へと沈みこんだ。ミシィカとレイナ、双子の兄妹は易出血症と虐待に悩み、母と主治医を殺害。その家はいつしか『吸血鬼屋敷』と呼ばれるようになった。そんな彼らが集う、黒十字サナトリウム。復活祭の日、何かが起こる-。第9回日本SF新人賞を受賞した、流麗かつ壮大な幻想譚。
K・S・P特捜部の沖幹次郎は突然の人事でチーフをはずされた。新チーフはキャリア警部の村井貴里子。怒りを抑えきれない沖だが、その矢先、射殺事件が起きた。標的は神竜会のヤクザ二人。新宿進出を目論む関西系暴力団・共和会傘下の鳴海興業による犯行だった。さらには首領を失い凶暴化するチャイニーズマフィア・五虎界も、新宿再開発を巡って暗躍を始め…。警察の縦割り組織と序列に苦しめられ、愛する者を危険にさらしながらもなお、敢然と凶悪犯罪組織に立ち向かう刑事たちの姿を描く、これぞ警察小説の最前線。