小説むすび | 出版社 : 文藝春秋

出版社 : 文藝春秋

ダブルマリッジ The Double Marriageダブルマリッジ The Double Marriage

著者

橘玲

出版社

文藝春秋

発売日

2017年1月24日 発売

大手商社のエリート社員、桂木憲一は、妻、大学生の娘と幸せな家庭を築いていた。が、パスポート更新のために、戸籍謄本を取り寄せたことから、生活が暗転しはじめる。なんと、最新の謄本には、「婚姻」欄に、妻の里美と並んで、マリア・ロペスというフィリピン人女性の名が書かれていたのだ。 実は憲一は20年ほど前、マニラ赴任中に、このマリアと結婚式を挙げながら、一人で帰国したままになっていたのだった。役所に確認すると、そのマリアから、フィリピンの婚姻証明書が送られてきたため、憲一の戸籍に名前が入ったのだという。しかし、日本では重婚は認められていないはずではないか? 役所に問い合わせると、「刑法には重婚罪がありますが、民法上は、当事者からの請求がないかぎり、行政が重婚を解消する手続きは、定められていないのです」という意外な答えが返ってきた(警察が刑事罰として動くことも事実上ない)。 さらに数日後、憲一の自宅に、一通の封書が届く。中を確認した妻は悲鳴をあげた。 送られてきたのは新たな戸籍謄本で、そこには「長男」として「ケン」という名が書かれていた。 それにしてもマリアはなぜ、今になってこのような行動に出たのかーー。 事実に基づく驚天動地のストーリー。

ITSUKI 死神と呼ばれた女ITSUKI 死神と呼ばれた女

出版社

文藝春秋

発売日

2017年1月16日 発売

脚本界の名匠、入魂のエンタテインメント巨編 「年上の女が憧れなんスよ。駄目ですか。ラブしてくれませんか」 周囲の大事な人が次々と死んでいったことから、死神と呼ばれてきた人妻、斎(いつき)。冷え切った夫との生活に倦んでいた時、しなやかでいて荒々しい筋骨と濃密な体臭をまとった男・志田に出会う。 思いがけず落ちた年下男との恋、そして第三の男の登場。天国とはかくやと酔いしれる斎。しかしその恋と性愛が巻き起こしたさざなみは、次第に大波となって、裕福な病院長一家に集う女たちを巻き込んでいくーー。その果てに惨劇と憎悪の宴が幕を開けた! 氾濫する美意識と諧謔で描く、生と性、死と詩のジェットコースター・ロマンス小説。週刊文春連載で読者を唖然とさせた作品が大幅改稿のうえ満を持して登場! 第一章万引き青年 「年上の女が憧れなんっスよ。駄目ですか。ラブしてくれませんか」 第二章病棟の魔女 「わたしたち親子の絆は誰が断ち切ろうとしたって、ぶっちぎれやしない」 第三章天国へ行きたい 「奥さん、天国に行こう。おれたちもあっちの世界へ行こう」 第四章喪服の似合う女 「わたしは愛する人を食い殺してしまう死神なのよ」 第五章黄金のペンダント 「こっちのオッパイは潮のもの、こっちのオッパイはおれのもの」 第六章血の婚礼 「結婚しても、もうぼくは誰ともセックスはしない」 第七章超常現象 「恐ろしいばかりの因縁の符号。これは尋常のことではございません」 第八章棺の中の天国 「お殺しになるんなら、斎じゃありませんの。全ての元凶はあの死神女なんですから」 第九章万引き青年ら天上に達す 「あんまりじゃないの。これが霊力の正体だとでも言うの」

静かな雨静かな雨

出版社

文藝春秋

発売日

2016年12月12日 発売

「忘れても忘れても、ふたりの世界は失われない」 新しい記憶を留めておけないこよみと、彼女の存在が全てだった行助の物語。 『羊と鋼の森』と対をなす、著者の原点にして本屋大賞受賞第一作。 〈著者プロフィール〉 宮下奈都(みやした・なつ) 一九六七年福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒。二〇〇四年、「静かな雨」が文學界新人賞佳作に入選、デビュー。〇七年に発表された長編『スコーレNo.4』が絶賛される。一五年に刊行された『羊と鋼の森』が本屋大賞、キノベス第一位、ブランチブックアワード大賞の三冠を受賞。その他の著書に『遠くの声に耳を澄ませて』『よろこびの歌』『太陽のパスタ、豆のスープ』『田舎の紳士服店のモデルの妻』『ふたつのしるし』『誰かが足りない』『たった、それだけ』など。 ◯著者の言葉 「静かな雨」は、人の可能性について書きたかったのだと思う。少なくとも自分ではそのつもりだった。でも、どうだろう。可能性の話というよりは、可能性をなくしていく話だったかもしれない。人はどんなふうに生きることができるか。その選択肢をなくした先にたどり着く場所について。 (中略) とりわけ、『羊と鋼の森』にはまっすぐにつながっていた。まったく違う物語なのに、根っこがしっかりとつながっていた。 読み返して一番感情を揺さぶられたのは、作者本人だったと思う。 (月刊文藝春秋1月号より)

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