出版社 : 新評論
1952年、北ドイツの町ヴィンデビーの沼で、一体のミイラが発見された。調査の結果、「およそ2000年前に処刑された推定13歳の少女の遺体」と断定される。少女はなぜ非業の死をとげたのか?両目を覆う布にはどんな意味があったのか?稀代のストーリーテラーの導きで、わたしたちはミステリアスな古代世界へといざなわれてゆく…考古学・法医人類学の最新知見と帝政期ローマの民族誌をもとに、古代ゲルマニアを生きた名も知れぬ「女子ども」の真実に迫る、異色の歴史ミステリー小説!
少女は14歳で“イレモノ”となり、“産品”を身ごもった。やがて産まれた男児には、ある「欠陥」があったーはたして少女は“母”になることができるのか?全世界1,200万部のミリオンセラー『ギヴァー』(2014年映画化)、その続編『ギャザリング・ブルー』『メッセンジャー』で提起されたすべての謎が、いま解き明かされる!“ギヴァー4部作”堂々完結。
魔法の指をもつ少女・キラとの別れから6年。マティは、相互扶助の平和な“村”で幸せに暮らしていた。しかし、あるとき“村”が不気味に変わりはじめ、マティの運命は予想だにしない方向へと急旋回していく。第1作と第2作の登場人物が出会い、「力」が覚醒する…そのとき、世界はー?壮大な四部作の「転」をなす雄編!“ギヴァー四部作”待望の第三作。
現在、欧州議会議員を務める著者は、強制追放のためにシベリアの寒村に生まれ、スターリンの死後の「雪解け」を機に、4歳の時に両親に連れられて祖国ラトビアの地を初めて踏んだ。本書は、独立回復以降に入手可能となった公文書や、家族の日記とシベリア体験者の声をもとに、旧ソ連における大量追放の犠牲となった家族の足跡を追い、追体験する自伝的な作品。歴史に翻弄される個人の悲運を浮き彫りにし、バルト三国の近代史に残る傷跡に光をあてる。
脚の不自由な少女キラは、母を亡くし、天涯孤独の身となってしまった。「欠陥のある者」に非寛容な村のおきてにしたがい、「守護者評議会」の評定をうけることになったキラ。しかし、召喚された彼女を待っていたのは、思いもよらない運命だった…「青という色」をめぐるスリリングな展開のなかに、前作『ギヴァー』同様、思索と議論を呼びさます巧妙なしかけをちりばめた、“フィクションの達人”ローリーの面目躍如たる傑作。
スペインが誇る名ジャーナリストが、世界的ベストセラー作家パウロ・コエーリョの自宅で1週間にわたっておこなった濃密な単独インタビューの集大成である。「今後20年間は自分の過去を語らずに済むことを願う」-作家がそう述懐したほど、アリアスのインタビュー手腕は卓越していた。1999年の出版と同時に大きな話題を呼んだ「幻の書」、待望の邦訳。
舞台はアフリカの架空の地方。そこには、選ばれた老人が少女にキスするという儀式があった。ところが、あろうことか、キスを受けた少女バノス・マヤが老人オスカル・アナに恋してしまう。すると、神々はその不埒なキスに怒り、自然を通して怒りを表明しはじめる。天変地異が次々と起こり、奇怪な出来事が続く。天に穴があいて、空が落ちそうになってくる。村人は、二人を結婚させて、神々の怒りを鎮めようとするが、オスカル・アナは理屈をつけて応じない。ますます天は荒れ狂い、地は揺れ動く。さて、この荒唐無稽なドタバタ騒ぎの顛末は…。人間の愚かさへの怒り、絶望、祈りを特異な文体で爆発させた、現代ブラックアフリカ小説の挑戦的文学形式。
ヒマラヤに魅せられた山岳写真家・和人の突然の死。典型的大学生活を謳歌する弟・秀人は、ある日、和人の遺言に従いやむなく兄の命の恩人であるシュルパ族のテンジンに、お礼の「自転車」を届ける旅に出る。ネパールの大地を背景に様々な異文化体験に遭遇し、自己に目醒めてゆく秀人の姿を、21世紀世代へエールを込めてシナリオ作家石森史郎が書き下ろす、感動のヒューマンドラマ。
本書は、「絶望の不条理」を実践したるハチャメチャ小説にして、エロあり、グロあり、ゾンビあり、少々の辻褄の合わぬは何のその、世にも快奇なる人物が入り乱れ、近代小説の約束ごとをすべて打ち壊しては、ところせましと動き回る。舞台はカタマラナジーなるアフリカの新興国。あらんかぎりの暴虐をつくす独裁者とがっぷりと4つに組むは、殺されても殺されても甦って歯向かう政敵。そこに、絶世の美女が絡み、あらゆる魑魅魍魎が跋扈して、この世を破滅に導きまする。さてさて、いかにしてこの世が終わり、その後に何が残るかは、最後まで読んでのお楽しみ。さあさ、はじまり、はじまり。神話、黙示録、近未来SF小説などなど、あらゆる小説ジャンルをごたまぜにしたる世にも珍奇なる書のはじまり、はじまり。