出版社 : 朝日新聞出版
ミステリー作家は、デビュー作の登場人物に殺された!小説『毒殺倶楽部』の著者の死は荒唐無稽な憶測を呼んだ。しかし、毒殺倶楽部のメンバーを名乗る人物が次々と現れるにつれ、事件は思わぬ方向に転がり始める。現実と虚構世界が交錯する、逆転につぐ逆転のラビリンス。
資産家一族が起こした完全犯罪に3人体制となった特命係が挑む。遺体はどこへ消えたのか?右京の進退を賭け、策謀渦巻く難事件に立ち向かう「ボディ」、事故死で処理されていた事件をめぐり、拘禁中の妖艶な女詐欺師が特命係を翻弄する「ブラックパールの女」、カメを尾行した右京がホームレス襲撃事件に遭遇する「うさぎとかめ」など6篇を収録。
黒社会とつながり、警察内部に“黒色分子”として潜む沢渡。義兄弟の契りを結ぶ黒社会「義水盟」の沈は、インドネシアの青年実業家ラウタンを巻き込み、中国スパイ網の摘発に協力する。やがて3人の前にシンシア・ユンと名乗る謎の美女が現れるのだが…。
45歳の好太郎は老人ホームから認知症の父を自宅に引き取ることにしたが…。高齢者医療を知る医師でもある著者が、懸命に取り組むがゆえに空回りする家族の悲喜劇を描く「認知症介護」小説。
監察官・小田垣観月が統括するブルー・ボックス。その視察に訪れた大阪府警の刑事は監察官の尾行を捲き、夜毎行方を晦ます。時を同じくして行われた廃工場の摘発で起きた想定外の事件。身内を疑う観月だが、事件の全貌は決して忘れ得ぬ人物との対峙によって明らかになる!
転籍人事にかちんときた実力派副社長、リストラを完遂した途端に自分の首を切られた人事部長、合併銀行の派閥を背景にした熾烈な社長レース…。「非情人事」を拝命した人々の複雑な思いと行動、人事の裏に潜む人間ドラマを鮮やかな筆致で描いた短編集。
熱い合戦、ハラハラの心理戦、裏切り、涙の別れ…。一言では語り尽くせない三国志の魅力をぎゅぎゅっと一冊にまとめてみました。1700年以上にわたって中国・日本で愛されてきた悠久の大河ロマン。キャラ名鑑300人収録。7つのマンガで『三国志演義』のストーリーがざくっとわかる。
平安の昔、石や虫など自然と通じ合う力を持った風穴たちが、女院八条院様と長閑に暮らしておりました。以来850年余。国の規制が強まり監視ドローン飛び交う空のもと、カザアナの女性に出会ったあの日から、中学生・里宇とその家族のささやかな冒険がはじまったのです。異能の庭師たちとタフに生きる家族が監視社会化の進む閉塞した時代に風穴を空ける!心弾むエンターテインメント。
大坂夏の陣で豊臣家が滅亡してから四年後の元和五(一六一九)年、福島正則が無断で居城・広島城を修築したというしらせを聞き、二代将軍徳川秀忠は激怒する。秀忠は江戸にいた正則を幽閉、福島家の改易を決断した。国元の福島家臣団は反抗の姿勢をしめす。「天下大乱の火種を消すべし!」。福島家謀反の影響が他藩に及ぶことを恐れた秀忠の大号令により、八千余におよぶ城請取の軍勢が広島に向かう。やがて城の守りを固める福島家中の強者たちと一触即発となるがー。いまだ戦国の残り火がくすぶりつづける徳川幕府黎明期に起こった福島家改易の真実に迫る、書き下ろし長編時代小説。
日本初の女子留学生としてアメリカに11年滞在し、帰国後は日本の女子教育に身を捧げた津田梅子。彼女が日本で何を見て何を思い、行動したのか。彼女が創設した津田塾大学で発見された膨大な量の手紙を紐解きながら、その生涯を追いかける。
近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない“わたし”は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。『あひる』、『星の子』が芥川賞候補となった話題の著者による待望の新作中篇。
貴族ヴラドルフ公に見初められ花嫁になることが決まっている娘エマ。下宿人の陽気なベネッサに励まされながらも刻一刻と彼女の運命の日は近づいてくる。エマの恩恵を受ける村人、巨人の用心棒、エマを守るべく雇われた戦闘士たち、そしてD-。それぞれの欲望と思惑が交差するグスマン村での死闘の行方は。
5年前の未解決事件で汚名を着せられた倉田沙月。少年課に異動した彼女は、自らが担当する少年の殺害現場に立ち会う。その遺体の胸に刻まれた“殺愛”の文字は、いやが上にも過去の事件を彷彿させた。歯に衣着せぬ完璧主義者の黒崎警視とともに、沙月は驚愕の真実に迫る!
弥生時代、登美毘古が大王に即位して二十年、泰平の世が続いていたある日、実弟・安日彦が変わり果てた姿となり戻ってきた。その夜、矢の雨が長髄の邑を覆い、村人を襲った。敵は「天孫」を称する二十歳の御真木だった。大陸を祖国とする御真木は、この地を征伐し、新たな国を創ろうと殺戮を繰り返していた。登美毘古には一人娘がいた。その名は翡翠命、十五歳。薬師である老人・左慈と共に山奥で暮らす。御真木の悪辣ぶりは隠れ里まで届き、翡翠命は自らの宿命を受け入れ、御真木と対峙する。新しい国王になるため、古い王家の血を絶やすべく、自らの力を過信し殺戮を繰り返す男と、己の弱さを知るが故に弱き者を救い、均しく包摂する少女。王を巡る壮大な物語が今、始まる。
八歳で逝去した第七代将軍徳川家継の骸が増上寺に納められてから二十年。その存在すら忘れられた世に、岡崎継次郎と名を変えた家継の姿があった。千代田城内で執拗に迫りくる暗殺の謀から逃れた彼は、葵の紋が彫られた名刀を手に、徳川の世を乱す悪漢どもに対峙する!
悪意に敏感なレンと善意を信じるラン。捨て子だった中学3年生の双子は正反対の性格に成長するも、鋭い推理力を発揮して道然寺に持ち込まれる謎を次々に解決してきた。夏休みの直前に、熊本地震の被害から逃れてきた少年。彼が引き起こす事件に、2人はどう向き合うのか。
転職先への入社まで5ケ月ー。ぽっかり空いた“人生における休暇”のあいだ、僕は、新しい何かをはじめられるだろうか。エンジニアとして無我夢中に働きつづけ、33歳で転職を決めた。次の会社に入社する4月まで、僕は自分に何ができるかを試すように、いくつもの「宿題」をクリアしていく。『リレキショ』『夏休み』から『100回泣くこと』まで、青春&恋愛小説の王道を紡いできた著者が届ける、もうひとつの愛と恋。
女優になったが結婚してすぐに引退し、主婦となった正子。夫とは同じ敷地内の別々の場所で暮らし、もう4年ほど口を利いていない。ところが、75歳を目前に再デビューを果たし、「日本のおばあちゃんの顔」となる。しかし、夫の突然の死によって仮面夫婦であることが世間にバレ、一気に国民は正子に背を向ける。さらに夫には2000万の借金があり、家を売ろうにも解体には1000万の費用がかかると判明、様々な事情を抱えた仲間と共に、メルカリで家の不用品を売り、自宅をお化け屋敷のテーマパークにすることを考えつくがー。「理想のおばあちゃん」から脱皮した、したたかに生きる正子の姿を痛快に描き切る極上エンターテインメント!