出版社 : 朝日新聞出版
外国人を狙った襲撃事件が相次いで起こり、単独捜査を開始した伊丹。その窮地を救うべく特命係が動き出す「刑事一人」、凱旋帰国した世界的歌姫が誘拐事件に巻き込まれ、さらなる殺人事件へと繋がっていく「ディーバ」、警察密着番組のディレクターが現場に現れた右京と亘をメインに撮影し、お蔵入りになってしまった映像が事件を解く鍵となる「密着特命係24時」など6篇を収録。(連続ドラマ第17シーズンの第8話〜第13話を収録)
東日本大震災の翌日、子宮体ガンの宣告を受けた「わたし」は、家族と離れ、特殊なエックス線照射治療を受ける。この治療に反対する身内、肺ガン闘病中の元同僚、放射線宿酔の夢に現れる今は亡き祖父母たち。著者の実体験をもとにした病と魂の変容をめぐる傑作長編。
銀行強盗の訓練で起きた出来事の顛末(「共犯者」)。殺人犯が改心した理由とは?(「手紙」)。数多ある警察小説を黎明期から覚醒期まで3期に分け、各時代の名手による傑作短編を厳選したアンソロジー。信念を貫きながら組織で揺れ動く等身大の刑事の姿が、多彩に浮かび上がる。
立入制限区域をパトロールするロボット「ウルトラエイト」の居住区に、国税庁から派遣されたという謎の女・財護徳子が現れる。だが彼らには、人間の訪問が知らされていなかった。戸惑いながらも、人間である徳子の命令に従うことにするのだが…。
槍も取らず、舌先で戦う男ー甲斐・武田晴信(信玄)の側近向山又七郎は、外交交渉を担う計策師。不可能と見られた調略や降伏勧告を成功させて平然と生還する。元来飄々として捉えどころのない美男の剣豪は人を寝返らせ、騙して、武田に勝利をもたらすが、妻子を亡くし、己を使い捨ての駒だと自嘲するうち、心も荒んでいた。主君の敵を言葉で滅ぼしてきた計策師が、暇乞いと引き換えに晴信から下された最後の仕事は、武田が戦国の世を生き抜くための「甲駿相三国同盟」の締結という巨大な外交課題であった。足を引っ張る武田の重臣たちや刺客、次々と現れる諸国のくせもの計策師たち。要人の利害・裏切り・謀略に翻弄されながらも、又七郎は同盟を実現できるのか!?
小箱の番人、歌でしか会話ができないバリトンさん、息子を失った従姉、遺髪で竪琴の弦をつくる元美容師…「おくりびと」たちは、孤独のさらに奥深くで冥福を祈っている。『ことり』以来7年ぶりの書下ろし長編小説。
神秘の山“冥府山”に集まった腕利きの男女たち。そして行方知れずの母親と恋人を探す女性ミルドレッドに旅の同伴を頼まれたDもまた、山頂の冥府城を目指す。この山に集まる彼らには共通する過去があった。彼らを呼び寄せた者の正体、そしてその目的は一体ー?
ミステリー作家は、デビュー作の登場人物に殺された!小説『毒殺倶楽部』の著者の死は荒唐無稽な憶測を呼んだ。しかし、毒殺倶楽部のメンバーを名乗る人物が次々と現れるにつれ、事件は思わぬ方向に転がり始める。現実と虚構世界が交錯する、逆転につぐ逆転のラビリンス。
資産家一族が起こした完全犯罪に3人体制となった特命係が挑む。遺体はどこへ消えたのか?右京の進退を賭け、策謀渦巻く難事件に立ち向かう「ボディ」、事故死で処理されていた事件をめぐり、拘禁中の妖艶な女詐欺師が特命係を翻弄する「ブラックパールの女」、カメを尾行した右京がホームレス襲撃事件に遭遇する「うさぎとかめ」など6篇を収録。
黒社会とつながり、警察内部に“黒色分子”として潜む沢渡。義兄弟の契りを結ぶ黒社会「義水盟」の沈は、インドネシアの青年実業家ラウタンを巻き込み、中国スパイ網の摘発に協力する。やがて3人の前にシンシア・ユンと名乗る謎の美女が現れるのだが…。
45歳の好太郎は老人ホームから認知症の父を自宅に引き取ることにしたが…。高齢者医療を知る医師でもある著者が、懸命に取り組むがゆえに空回りする家族の悲喜劇を描く「認知症介護」小説。
【文学/日本文学小説】幼い頃の事故で感情を失った監察官・小田垣観月。彼女が統括する、警察の捜査資料保管庫ブルーボックスに、大阪府警から2人の刑事が送られてくる。彼らの不審な行動に疑問を抱く観月だが……。公安J、組対特捜Kたちと織りなす、人気シリーズ第2弾!
【文学/日本文学小説】転籍人事にかちんときた実力副社長、リストラを完遂した途端に自分の首を切られた人事部長、合併銀行の派閥を背景にした熾烈な社長レースなど、「非情人事」を拝命した企業人の複雑な思いと行動を、鮮やかな筆致で描いた短編集。
熱い合戦、ハラハラの心理戦、裏切り、涙の別れ…。一言では語り尽くせない三国志の魅力をぎゅぎゅっと一冊にまとめてみました。1700年以上にわたって中国・日本で愛されてきた悠久の大河ロマン。キャラ名鑑300人収録。7つのマンガで『三国志演義』のストーリーがざくっとわかる。
平安の昔、石や虫など自然と通じ合う力を持った風穴たちが、女院八条院様と長閑に暮らしておりました。以来850年余。国の規制が強まり監視ドローン飛び交う空のもと、カザアナの女性に出会ったあの日から、中学生・里宇とその家族のささやかな冒険がはじまったのです。異能の庭師たちとタフに生きる家族が監視社会化の進む閉塞した時代に風穴を空ける!心弾むエンターテインメント。
大坂夏の陣で豊臣家が滅亡してから四年後の元和五(一六一九)年、福島正則が無断で居城・広島城を修築したというしらせを聞き、二代将軍徳川秀忠は激怒する。秀忠は江戸にいた正則を幽閉、福島家の改易を決断した。国元の福島家臣団は反抗の姿勢をしめす。「天下大乱の火種を消すべし!」。福島家謀反の影響が他藩に及ぶことを恐れた秀忠の大号令により、八千余におよぶ城請取の軍勢が広島に向かう。やがて城の守りを固める福島家中の強者たちと一触即発となるがー。いまだ戦国の残り火がくすぶりつづける徳川幕府黎明期に起こった福島家改易の真実に迫る、書き下ろし長編時代小説。
日本初の女子留学生としてアメリカに11年滞在し、帰国後は日本の女子教育に身を捧げた津田梅子。彼女が日本で何を見て何を思い、行動したのか。彼女が創設した津田塾大学で発見された膨大な量の手紙を紐解きながら、その生涯を追いかける。
近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない“わたし”は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。『あひる』、『星の子』が芥川賞候補となった話題の著者による待望の新作中篇。