出版社 : 朝日新聞出版
5年前の未解決事件で汚名を着せられた倉田沙月。少年課に異動した彼女は、自らが担当する少年の殺害現場に立ち会う。その遺体の胸に刻まれた“殺愛”の文字は、いやが上にも過去の事件を彷彿させた。歯に衣着せぬ完璧主義者の黒崎警視とともに、沙月は驚愕の真実に迫る!
【文学/日本文学小説】15歳の少女、翡翠命は王家の血が流れている自分の命を狙う天孫を名乗る御真木の存在を知り、隠れ里を逃げ出す。西へと向かう彼女が目にしたのはもがき苦しむ人々の姿だった──。20代の若き才能が新しい「卑弥呼」を描き切る。
八歳で逝去した第七代将軍徳川家継の骸が増上寺に納められてから二十年。その存在すら忘れられた世に、岡崎継次郎と名を変えた家継の姿があった。千代田城内で執拗に迫りくる暗殺の謀から逃れた彼は、葵の紋が彫られた名刀を手に、徳川の世を乱す悪漢どもに対峙する!
【文学/日本文学小説】福岡の夕筑市にある寺院・道然寺で暮らす中学3年生のランとレン。人の善意を信じるランと悪意を敏感にかぎ取るレン、正反対の視点を持つ双子が活躍するシリーズ第2弾。熊本地震から逃れ、転校してきた少年の秘めた思いが引き起こした事件の謎を解き明かす。
転職先への入社まで5ケ月ー。ぽっかり空いた“人生における休暇”のあいだ、僕は、新しい何かをはじめられるだろうか。エンジニアとして無我夢中に働きつづけ、33歳で転職を決めた。次の会社に入社する4月まで、僕は自分に何ができるかを試すように、いくつもの「宿題」をクリアしていく。『リレキショ』『夏休み』から『100回泣くこと』まで、青春&恋愛小説の王道を紡いできた著者が届ける、もうひとつの愛と恋。
女優になったが結婚してすぐに引退し、主婦となった正子。夫とは同じ敷地内の別々の場所で暮らし、もう4年ほど口を利いていない。ところが、75歳を目前に再デビューを果たし、「日本のおばあちゃんの顔」となる。しかし、夫の突然の死によって仮面夫婦であることが世間にバレ、一気に国民は正子に背を向ける。さらに夫には2000万の借金があり、家を売ろうにも解体には1000万の費用がかかると判明、様々な事情を抱えた仲間と共に、メルカリで家の不用品を売り、自宅をお化け屋敷のテーマパークにすることを考えつくがー。「理想のおばあちゃん」から脱皮した、したたかに生きる正子の姿を痛快に描き切る極上エンターテインメント!
離婚ののち息子を連れて地元に戻ってきた幼なじみの女性と、「結婚」をしないまま新しい「家族」のかたちを探っていく表題作のほか、小説的企みに満ちた「珈琲」をめぐる五つの物語。珈琲にまつわる書き下ろしの自伝的エッセイ「珈琲に呼ばれる人」も収録。
伝説の殺し屋と言われた男は、雪国の港町で暮らしていた。だが、暴力団組織・巽会に居場所を突き止められ、「再び現場へ戻り、かつてのボスを殺せ」と指示される。しかも望みもしない相棒は、渋谷でキャバクラを経営する若造だった…。ぶつかり合う二人は、仕事を成し遂げられるのか。
左遷部署「イノベーション・ルーム」に異動となった酒井裕介のもとに「ニワトリは一度だけ飛べる」という題名の謎のメールが届くようになる。送り主は酒井らを『オズの魔法使い』の登場人物になぞらえて、何かメッセージを伝えようとしているようなのだが…。
異変が始まったのは、三年ほど前のことだった。作家・姫野伸昌は妻・小雪の「死」を境に、酒浸りの生活を送っていた。突如身の周りで起き始めた不可思議な現象は、やがて自身の肉体にも及び始める。ある朝、右足のかかとが透明になっていたーそれからは次々と、身体のあちこちがプラスチック化し、脱落し始める。これはいったい何を意味するのか!?「作家として忌むべき安定」を選択した故の、あるいは小雪の「死」から酒に逃げたことへの痛烈な報復だろうか。そもそも、愛妻・小雪は何故亡くなってしまったのか。過去を探す壮大な旅に出た姫野は、自身の記憶とことごとく食い違う数々の証言に頭を抱える。何が事実なのだろうか。またそもそも、事実を事実たらしめているものとは一体何かー。
小説家の父、美しい母、そして瀬戸内寂聴をモデルに、“書くこと”と情愛によって貫かれた三人の“特別な関係”を長女である著者が描き切る、正真正銘の問題作。作家生活30周年記念作品。
巡査の滝と原田は、女学生美人くらべや競馬場での事件など厄介事の解決に日々奔走する。だがこの二人と仲間達の周りには時折何やら妖しい気配が漂い…。消えた村と仏像を巡る噂。ワクワクの謎とき物語に時折差し込む薄昏さにゾクリとさせられる連作小説集。「明治・妖モダン」シリーズ第2弾!
【文学/日本文学小説】腹部を切り裂かれ、手錠を詰め込まれた遺体。仲間との交わりを絶った、警視庁捜査一課五係の一條は捜査に走るが、やがて自分を取り巻く不穏な雰囲気に気づく。そんな中、第2の殺人事件が起こり……。大人気作家による、書き下ろしシリーズ第1弾。
警視庁捜査一課の“お荷物”志麻由子は、連続殺人犯の捜査中に、何者かに首を絞められ気を失う。目覚めたのは異次元の「光和26年のアジア連邦・日本本共和国・東京市」だった。もう一人の自分は異例の出世をした“東京市警のエリート警視”。闇組織からは命を狙われ、警察内部でも汚職警官の摘発など、非情な捜査方法が非難を浴び、孤立無援であることを知る。戸惑いながらも彼女は、“エリート警視・志麻由子”となって捜査を継続するしか方法がなかった…。
太平洋戦争末期、東京・品川の戸越保育所では、保母たちが疎開を模索していた。見つかったのは、埼玉県蓮田市の荒れ寺。寒さと食糧難、終わりのない24時間保育に疲弊しながらも、互いに励まし合い、子どもたちを守り抜いた若き保母たちを描く。実話をもとにした感動作!
【文学/日本文学小説】「どこかでお会いしましたっけ?」少女の目は、左右で色がちがっている。「もうわすれたの? きみが私を殺したんじゃないか」(表題作から)。SF・ファンタジー・ミステリ……夢の異空間へと誘う、バラエティーに富んだ異色 ひとり アンソロジー。
【文学/日本文学小説】法務官僚の神谷道雄が殺害された。警察庁警備局の隼瀬は神谷が日米合同委員会に関わっていたこと、キンモクセイという謎の言葉を残していた事実を探り当てるが……。日米関係の闇に挑む、著者初の警察インテリジェンス小説。