出版社 : 毎日新聞出版
麻薬取締官の加納良が姿を消した。20年ぶりに帰郷した双子の弟・将は捜査協力を求められ、凶悪な密売組織に潜入する。将を待ちうける“悪”の正体とはー驚愕、震撼!息つく間もないエンターテインメント巨編。
物書き松重豊、誕生! 軽妙洒脱な筆致で描かれる演者の心象風景。 連作短編小説12編+エッセイ25編を収録。 『孤独のグルメ』『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』『きょうの猫村さん』などさまざまな映画、ドラマで注目を集める著者の初の書籍。書き下ろし連作短編小説「愚者譫言(ぐしゃのうわごと)」と週刊誌「サンデー毎日」の連載エッセイ「演者戯言(えんじゃのざれごと)」の2種を収録。演者だからこそ描くことができた心象風景を、独自の軽妙洒脱な筆致で表現。「サンデー毎日」連載時から人気を呼んだ旭川在住のイラストレーターあべみちこによるイラストが彩りを添える。 「あ、そや、空っぽとな、無、ちゅうのは違うもんなんやで」 そう言って老人は烏丸御池のバス停で降りて行った。 二つの言葉がぐるぐる回る。 あの日からか、自分の仕事が分からなくなった。 (『愚者譫言』プロローグ 「バスの中」より)
脳細胞を蘇らせる人工万能幹細胞「フェニックス7」それは人間の尊厳を守るために生み出されたはずだった。国家戦略の柱としたい日本政府は一刻も早い実用化を迫る。再生細胞による医療が普及すれば、人は永遠の命を手に入れるかも知れないー。しかし、本当に細胞は安全なのだろうか。
国家間の競争に巻き込まれてゆく「フェニックス7」、研究施設周辺では謎の失踪事件が頻発していた。真相を追う刑事はその全貌に戦慄する。果たして、生命の神秘という神の領域に、我々は拙速に突き進んでよいものだろうか。
そなたの罪を告白せい 恐ろしくもいとおしい極めつきの怪異と不思議。おちかに代わり、新たな聞き手は富次郎。心揺さぶる江戸怪談、新章突入ー宮部みゆきのライフワーク新たな(変わり百物語)の幕が開く!
“公安のアンタッチャブル”椿は、代々高級官僚を輩出する名家のスーパーエリート。しかし、その狂人的な言動に部下の宮澤は振りまわされていた。政府の不祥事の関係者が相次いで死に、椿はその背後に官邸の関与を嗅ぎとる。半信半疑の宮澤は、新設された内閣情報調査室の極秘組織に潜入を試みる…馳星周の新境地、痛快ノワール・コメディ第2弾!
〜あらすじ〜 突然、父親が倒れ帰省した望月恵介が手渡されたのは『農業相続人の手引き』と『いちご白書』(苺栽培の教本)。音信不通の間に、野菜農家である父親は多額の設備投資をし、苺栽培を始めていたのだ! 後を継ぐことを迫る母親。しかし、恵介は東京の生活、グラフィックデザイナーとしての夢を捨てられない。何より農業なんてかっこ悪い。 37歳。人生の岐路に立たされた恵介は、試しに父親のハウスに生った苺を囓る。 「あ。何これ。うまい。」 採れたての苺はいままで食べた苺のなかで一番甘くて、おいしかった。 父親の苺に心を動かされ、恵介はしばらく実家を手伝うことを決意する。 ところが、今度は東京にいる妻・美月との間にスキマができ始め……。 甘〜い苺づくりに夢をかける望月農園の“甘くな〜い”お仕事小説!
偶然始まった温かくてどこか噛み合わないご近所付き合い、その行方はーー。 芥川賞作家が描く新たな代表作! 住み心地のいい離れの一軒家で一人暮らしを続ける北川春子39歳。母屋に越してきた、夫を亡くしたばかりの63歳、青木ゆかり。裏手の家に暮らす現実的な今どきの新婚25歳、遠藤沙希。 年代も性格もまったく異なる3人の出会いから始まった、温かく、どこか嚙み合わない"ご近所付き合い"、その行方はーー。 女も男も、人からは見えない、そしてジャッジすることのできない問題を抱えている。年齢や、生きる環境、価値観など、さまざまな違いを乗り越えて、人と人はほんとうに分かり合えるのか? 現代を生きる大人たちに贈る必読の一冊。
2026年、日本は再び這い上がる! 東京五輪後、長期不況に沈む日本・・・巨額の財政赤字、 深刻な労働人口不足で危機的状況に陥っていた。 「身の丈の国」を国政方針に掲げる若き総理大臣、 脱「官僚主導・東京一極集中」を断行する大阪都知事ら、 型破りの夢を描くベンチャー企業家・・・ 明治維新、太平洋戦争と国難の度に新しく国を 創り変えてきた日本は、もう一度どん底から這い上がり、 「三度目の日本」を創ることができるのか。 「団塊の世代」リタイア後、あるべき〈日本の未来〉を活写する最後の予測小説。
緑の石の中に生きる最愛の妻(「翡翠」)、毎夏、夜空に託す姉妹の願い事(「笹まつり」)、二匹の秋の虫になって奏でる愛の歌(「虫時雨」)、正月の夜の突然の訪問者(「ほとほと」)ほか…巡る季節の中で紡がれる24のストーリー。