出版社 : 水曜社
フリーライターの今村が謎の音源を残して姿を消した。彼の行方を追う同業の樫村勝平は拉致され、焼却炉に突き落とされる。闇から湧き出る男たち。政官財と赤い国の外交官…浮かび上がったのは、チェルノブイリ原発事故を背景にした国際汚職疑惑だった。1986年チェルノブイリ原発事故から福島原発につながる30年の物語。佐藤究「Q JKJQ」と62回江戸川乱歩賞を争った「映画がなければ生きていけない」の筆者が、フレンチ・ノアールと日活ムードアクションにオマージュを捧げたハードボイルド長編!!
新田次郎賞作家が描く書き下ろし時代小説。大相撲黎明期を綴る三つの物語。 「雷走る」 相撲に志を抱くも、八百長相撲ばかり取らされてきた雷権太夫は、幕府により禁止されていた勧進相撲を復活させようと町奉行所に掛け合うが──。 「谷風吹きまく」 最強の座を追い、圧倒的な強さで勝星を重ねる谷風、その最大の好敵手・小野川、そして伝説の力士・雷電ー。江戸相撲黄金期に繰り広げられた名勝負。 「陣幕立つ」 明治政府の欧化政策により勢いを失っていた相撲界。陣幕久五郎はその再生のために力士顕彰事業を思いつく。番付最高位“横綱”誕生の秘話。 舞の海氏推薦! 「清く争い勝を制すーー大相撲の真髄がここにある!」 雷走る 谷風吹きまく 陣幕立つ
日常に〈裏打ち〉を刻めば、♂と♀の喜怒哀楽が剥き出しにされるーー。TOKYO FM「JET STREAM」のプロデューサーが街のノイズからトラックダウンした短編集。 村上隆 驚愕!〈さみしくて体が無くなってゆく気持ちが沸きあがって来ます〉 久保田利伸 絶賛!〈人恋しい人ほど、ひとりぼっち。やさしい語りの中に潜むたくましさに圧倒されちゃいました。〉 樹木の葉で見えないが、やっと死ぬことが出来た人間は私の上でぶら下がっている。ぶらぶら足を投げ出して。 セールスマンの妻なんて、クソ味気なく退屈で、しかも亭主は家を空け、アタシは街をうろついた。 営業成績が三カ月にわたり最低でみんなの前で罵倒されてさすがの俺ももう少しで落ち込むところだった。からすがかあかあ鳴いている。 ニホンに着いたその足でまず美容院に連れて行かれデパートで洋服を何着も買って貰った。新幹線に乗って京都にも行った。 「やり直すことにした」これが彼の口癖だった。「すみれと会えて良かった」というのもそうだった。 ガードマンは局舎のフロアーの三箇所に立つ。正面玄関とロビーそして通用門。二時間ずつ直立不動の姿勢を取る。辛いのは夏だ。 タクシー会社に再就職、アクセル踏めば自分の道を進んでいける。家計の助けに妻はモスバーガーでハンバーガーを売っている。 新婚旅行はそれなりに楽しくて人並みに新婚気分を味わって、帰ってきたらタケシが死んだと知らされた。 十代の頃、彼女は自殺未遂を繰り返した。ちょん、と背中を押せばいつだってすたすた向こうの世界に行ってしまったかもしれない。
ファンの想いが結晶した、これが最後の冬ソナ本── KBSメディア公認の「冬のソナタ」モバイル公式サイトに寄せられた、ファンによるオリジナル小説がついに書籍化。ユジンとジュンサンの空白の3年間、不可能な家での再会後の話、じいやとばあやの恋の行方、ジンスクとヨングクの結婚式の一幕、サンヒョクの新しい恋、チェリンのポラリスは?などなど……。誰もが胸に想い描いていたアナザー・ストーリー、もうひとつの「冬のソナタ」がいま、ここに。 第1章 空白の三年間 第2章 雪のかけらたち 第3章 不可能な家で 第4章 春のソナタ 第5章 ポラリスのまわりで 第6章 運命の糸