出版社 : 水窓出版
2011年に文學界新人賞を受賞し、兼業作家として今まで創作活動を続けてきた馳平啓樹初の作品集。 著者の作品は今まで従事してきた仕事での体験を反映させた作品が多く、今回の作品集も「労働」というテーマでまとめた短編集になります。多くの人がいつかは社会に出て、好むと好まざるとにかかわらず特定の仕事に従事することになると思いますが、決して都合の良いことばかりが起こらない、誤魔化しのない労働の日々を描く物語たちが、地道に働く人達に寄り添ってくれる希望になればと願っています。 かがやき 梨の味 クチナシ きんのじ あとがき
阿部昭没後三十年。「内向の世代」の代表的作家であり、私小説の書き手であり、短編小説の名手でもある阿部昭の傑作短編選集。 阿部昭の短編小説は、誰にでもふりかかる可能性のある人生の一端を描き出している。別の年代、別の地域、別の世界という舞台設定にも関わらず、不思議にどこか既視感のある物語をみせてくれる。そして、誰にでも昔確かにあったろであろう普遍的で懐かしい感覚を思い出させてくれる。 人生の一部分を切り取ったような珠玉の短編小説たちから、わたしたちの「人生の一日」が発見できるはずです。簡潔で平明な文章ながら、鋭い観察眼で人々の生活を表した名短編集です。 天使が見たもの 幼年詩篇(I馬糞ひろい II父の教え IIIあこがれ) 未成年 ふくろぐも 人生の一日 十年 子供の墓 あの夏 三月の風 いのち あとがき 阿部三郎
「性愛の対象としても、結婚の対象としても認められていない若い男など、どんな意味があるだろう? 娘たちが<友人>としてわたしを扱うことは、お前はどこへでも行って勝手にしろ、ということ以外ではあり得なかった。」(「炎に追われて」より) 異性への畏怖、憧れ、情欲という切実な問題にぶつかる若者の姿を繊細に表現し、男女の機微を丁寧に描写することで、感受性豊かなイメージが喚起される。鋭敏な<性>の物語。 第68回芥川賞候補作、三木卓第一小説集の復刊です。(表題作他二編収録) 巣のなかで 炎に追われて ミッドワイフの家 あとがき