出版社 : 河出書房新社
雪深いホテル。古いダンスホール…地方でくすぶる従業員カザマは、梅毒と噂される盲目の老嬢ミツコに出会う。ある夜、孤独な彼がミツコを誘い二人でタンゴを踊る時、ブエノスアイレスにも雪が降る。ベストセラーとなったリリカル・ハードボイルドな芥川賞受賞作。
妻がわが子である赤ん坊の首に噛みつき血を吸っているー怪奇なる名作“サセックスの吸血鬼”や、巧妙な語り口による傑作“三人ガリデブ”をはじめとする、晩年のドイルが描く最後のホームズ。四〇年にわたる物語がついに幕を閉じる。決定版『シャーロック・ホームズ全集』の最終配本。「全集への前書き」「参考文献抄」付。
読んでいるとどんどん面白くなってくる、だんだん怖くなってくる、その奥深い魅力。アタマでは分からない中国を、カラダが知った。 ーー谷川俊太郎 莫言、残雪は露払い!? チャイニーズ・マジックリアリズムの真打ち登場に思わず叫んだ「受活(キモチイイ)!」 ーー豊崎由美
「働け、そして愛せよ」彫刻家の父と画家の母を持ち、世界中で愛されるムーミン一家を創った稀代の芸術家、トーベヤンソン。その知られざる側面と色鮮やかに生きた姿を丁寧に描いた決定版・評伝。
結婚式場・寿々殿に勤める井倉靖子は男性経験ほぼゼロの奥手で、仕事もなんだかうまくいかない全部崖っぷちのアラサー。なのに他人の幸せのために働く彼女のまわりでは、超ド派手婚(予定)カップルの破局の危機や、近隣のライバル店出現など難題続きで…。人生の一大イベントの舞台裏を、笑いあり、涙ありでお届けするハッピーなお仕事小説!
フランス革命下のパリ。血に飢えた絞首台に送られる貴族を救うべく、イギリスから謎の秘密結社〈べにはこべ〉がやってくる! 絶世の美女を巻き込んだ冒険とミステリーと愛憎劇。古典ロマンの傑作を名訳で。
兄マイクロフトの依頼で盗まれた国家機密の行方をさぐる「ブルースーパティントン設計図」、死病に冒されたというホームズが意外なる解決を導く「瀕死の探偵」、探偵業引退後のホームズを描いた「最後の挨拶」ほか、数奇な発端とあざやかな解決に満ちた第四短編集。コナン・ドイル円熟期の傑作群。
われら木津西、甲子園へGO!三流高校に入学した失意の「特待生」がなぜか生徒会会長に担がれて!?生徒会選挙、夏の選手権大会、初恋と失恋ー。汗と涙と笑いに彩られた甘酸っぱい青春物語。
クソったれのボケってなもんだ。神はどうして私にこんなことしたの?暴力・痛み・性・死…サノバビッチとジャンキーまみれのファックライフ!村上春樹『月曜日は最悪だとみんなは言うけれど』でもおなじみ、トム・ジョーンズの作品をあの舞城王太郎が初翻訳。解説:柴田元幸。
昭和六年、母を失くし「ひのもと救霊会」を訪ねた少年・千葉潔は、教団に拾われた。やがて時代は戦争へと向かうなか、教団は徹底的に弾圧を受け、教主は投獄される。分派、転向、独立…壊滅へ向かう教団の運命は?一九七一年三九歳で早逝した天才作家が『朝日ジャーナル』に連載した日本文学の金字塔。
たび重なる戦時下の弾圧でばらばらになった教団。敗戦後、生き残った者たちが戻り、再興を目指す。かの千葉潔はリーダーとなり、長女と共謀して教主の座を簒奪。教団は急進化し、国家からの独立をもとめて武装蜂起し、破滅へとひた走る…天才作家の最高傑作にして、今もあまたの読書人が推薦する永遠の“必読書”。圧倒的完結篇!
リンバロストの美しい森の端に住む、優しく賢い少女エルノラ。実の母親に無慈悲で理不尽な仕打ちをうけながらも、虫の収集で学費を稼ぎ、町の学校に通うことを決意する。翻訳者・村岡花子が、「アン」シリーズとともに愛した永遠の名著。村岡花子がこの作品との出会いを綴ったエッセイ「夏のおもいで」を特別収録。
エルノラは、優秀な成績で高等学校を卒業し、美しい女性に成長した。娘への愛情にようやく気づいた母親に見守られながら、大学を目指す。ある日、療養のためにリンバロストの森を訪れた名家の青年フィリップと出あい、惹かれあうエルノラ。しかし、彼にはすでに許嫁がいた。この作品を誰よりも愛した村岡花子の名訳で贈る。
ある日ホームズのもとに届いた暗号の手紙。見事解読するも、殺人はすでに行われていた!背後にひそむホームズ最大の宿敵・モリアーティ教授の影。奇妙な殺害現場からホームズが導きだした意外な答えとは?そして事件はかつてアメリカに存在した謎の殺人者集団の存在を明らかにしてゆく…。「ホームズ物語」最後の長編作。決定版、充実した注と解説、全イラスト復刻。
「さよならなんて、ぜったい言えないよ」魅惑の未発表作品集。バーで出会った殺人アドバイザー、夫の新発明を試した妻、“見る影もない”上司と新人女性社員…やさしくも皮肉で、おかしくも深い、ヴォネガットから14の贈り物。
制服を着せられた狼少女たち。 ワニとレスリングする少女。雪の宮殿を守るイエティ婦人。 ミノタウロスは西部を目指し、海賊の子孫は雪山で歌う……。 スティーヴン・キング絶賛! ファンタジー、ホラー、現実と非現実の境目を跳躍する、カレン・ラッセル初短篇集 摩訶不思議で奇妙、孤独で可笑しい10の物語。 ★不協和音を奏でるイメージがページから飛び出しては読者をさらう。 「タイムズ」 ★エイミー・ベンダー、ジュディ・バドニッツ、ケリー・リンクに続く、新しい世代の書き手! 「パウエルズ・ブックス」 ★大胆不敵なラッセル独自の作風に最高にワクワクさせられる。 「ガーディアン」 ★目がくらむほど独創的。 「メトロ」 ★本当に摩訶不思議で奇妙な設定! 「デイリー・メール」 カレン・ラッセルは、明るく絶望を語ることのできる作家だ。奇想天外な設定もただ奇をてらっているのではなく、人間が持つ可笑しさや哀しさを増幅させるために選択されており、とても正しいと感じる。彼女のはじめての作品集である本書を翻訳することが叶い、心の底からうれしく思う。 --松田青子(「訳者あとがき」より)