出版社 : 祥伝社
熟年雑誌の読者モデルをつとめる鈴木夫妻が失踪した。楽しみにしていたお伊勢参りの旅に出かける当日、乗車予定の「のぞみ」に姿を見せなかったのだ。それどころか、二人の名を騙り旅行を続ける不審な中年カップルが出現。夫妻に何が起こったのか?捜索願が出されるが、直後、隅田川に他殺体が浮かぶ。遺体は伊勢路に現われたカップルの女性と判明。捜査に乗り出した十津川は、鈴木家で厳重に保管された円空仏を発見する。木彫りの仏像と事件に関わりはあるのか?謎を追って、十津川は伊勢志摩に向かうが…。
「コップ5杯のビールなら、3杯は税金だ」財務省酒税課に出向中のキャリア警官魚崎は、アルマーニを着る変わり種官僚の根津に、ある秘密パーティへ誘われた。熱気あふれる会場に集う怪しげな紳士淑女。彼らは非合法の麦酒自家醸造家たちであった。魚崎は、自らも密造に手を染めてしまう。だが、これこそ、自称特別捜査官・根津の狙いだった!アンタッチャブルな暴走官僚に翻弄される魚崎。そして、自ビール愛好家たちとの、妄想だらけの闘争!悪夢の脱税取締の行方は!?芳醇なコク、極上のキレ味!傑作エンターテインメント誕生。
その死体を見た途端、葛篭桃之進は「ほう」と嘆声した。左脛がスッパリと斬られていたのだ。無気力な無能者、つまり「のうらく者」と烙印を押され、勘定方から町奉行所へ左遷された桃之進だが、かつては御前試合で優勝したほどの辣腕。そんな桃之進と辻斬り事件をつなぐ奇妙な因縁とは?奉行所の腐敗を目の当たりにした桃之進が、剣客として再び目覚める傑作時代小説。
東京・六本木で五十口径もの拳銃を使う殺人事件が相次いだ。被害者はすべてアラブ系人種。傭兵・藤堂浩志はイラクで横行する狂気の「人間狩り」を想起した。日本で何が起ころうとしているのか?折しも一月後、G8地球サミットのため、各国要人が日本に集結する。CIA、米陸軍特殊部隊も暗躍する中、浩志率いる傭兵部隊が始動する!驚愕のアクション巨編、第三弾。
結婚。それは女なら一度はあこがれる理想郷…。ここにその夢に目覚めた女がいた-。引田輝子、29歳独身、グルメ番組のディレクター。今の仕事もライフスタイルも手放したくない!だけど結婚もしたくなっちゃった!果たしてそんなことができるの!?まさに“実現不可能”(?)ミッション開始。
警察OBの越沼が殺された。頭蓋骨が切断され、脳味噌に王冠のように釘を植えつけられて。それはかつて「キング」と呼ばれる殺人者が繰り返した、二十六年前の忌まわしい迷宮入り事件の手口と同じだったー。弘前中央署会計課係長の小松一郎は、幼馴染みの警視庁警視正・風間によって、捜査の最前線に立たされる。少年時代二人はキングの被害者だったのだ。地元有力者を密かに容疑者と目する風間たち。だが、その追跡も空しく、猟奇殺人はさらに続く。そして、解決の鍵となる捜査資料が紛失した。署内に事件と関わりのある者がいるのか?北の街を舞台に心の疵と正義の裏に澱む汚濁を描く、警察小説の傑作誕生。
大学の同窓会で七人の旧友が館に集まった。“あそこなら完璧な密室をつくることができる…”伏見亮輔は客室で事故を装って後輩の新山を殺害、外部からは入室できないよう現場を閉ざした。自殺説も浮上し、犯行は成功したかにみえた。しかし、碓氷優佳だけは疑問を抱く。開かない扉を前に、息詰まる頭脳戦が始まった…。
マレーシアで静養していた傭兵・藤堂浩志を襲った謎の集団。大戦中、ドイツ軍を恐怖に陥れた伝説の組織「悪魔の旅団」が現代に甦ったのか?だが何の目的で?帰国した浩志は、陸上自衛隊からの要請で特別部隊“特戦群”の実戦演習を引き受けるが、矢先、元防衛庁の代議士が殺害され、背後に「悪魔の旅団」の影が…。アクション小説界の新星、待望の第二弾。
深川の中堅材木屋が木材を大量に買い占めていた。不審に思った風烈廻り与力青柳剣一郎が主に訊くと、百年前の明暦大火に匹敵する災厄が起こるという。単なる噂ではない、誰かが途轍もないことを目論んでいると剣一郎は睨む。一方、駿河で残虐な強盗を働いていた闇太夫一味が江戸へ潜入したという報せが。南北両奉行が狼狽るなか、剣一郎の肩にすべてが掛かった。
徳川家宣、重篤!六代将軍の急を知らせる報に吉宗が天下盗りに動いた。紀州藩の奪取から七年、いままさに悲願の時がきたのだ-。着々と家宣の後への礎を固める吉宗一派。しかし、その前に立ちはだかる暗殺者集団・御土居下衆。唸り迫る豪剣の激突、大気を破る手裏剣の嵐。そして、冷徹な智略の応酬。将軍の座をめぐる熾烈な暗闘の行方は!?正徳二年、江戸城を舞台に、亡き真田幸村が描いていた、最後の天下分け目の戦いが始まった。
享保四年暮れ以来、大店を狙った連続火付が江戸の町を騒がせていた。皆殺しの上、金品が強奪された焼け跡には、“火頭の歌右衛門”の名が残されている以外、手掛かりは全くない。折も折、江戸町火消再編成を指揮する南町奉行・大岡越前守をあざ笑うが如く頻発する火付に対し、大岡の懐刀・金杉惣三郎が立ち上がった!火頭の正体は、その真の狙いとは…。
長屋暮らしの金杉惣三郎の許に突如、豊後相良藩から使者が到着した。藩主斎木高玖の側室・清香に御法度である“きりしたんばてれん”の疑いがかかり、藩自体が窮地に陥っているという。旧主を救うべく立ち上がる惣三郎に、次々と襲いかかる兇刃の影。さらに、惣三郎極意の寒月霞斬りを超える“一期一殺剣”とは?「密命」初期の傑作、読みやすくなった新装版で登場。
首のない他殺体が東京で発見、直後、京都、福岡でも同様の事件が起こった。現場には「正義之国王」という署名と、国宝「金印」の朱印の押された死刑宣告文が遺されていた。凄惨な連続殺人と「金印」につながりは?捜査に乗り出した十津川は、三つめの朱印が史書にしか記されていない女王卑弥呼の「もう一つの金印」であることを知る。本物か?古代史学界が騒然となる中、実物を発見したと主張する謎の団体「アドベンチャー・ジャパン」が、幹部の一人を連続殺人の犯人として告発した…。長編推理小説。
戦国動乱の最中、鋭い眼で世を見据える青年、藤堂高虎は、巨躯を生かした槍働きで立身出世の夢を抱いていた。自らの実力に正当な評価を求め主を転々とする高虎だったが、運命の主君羽柴秀吉の弟・秀長に見出される。算用や築城術などを秀長に学び、その名声を徐々に高めていく高虎。だが秀吉の下で頭角を現わす宿敵・石田三成がその行く手を阻む…。