出版社 : 藤原書店
共産党建党記念祝賀行事と北京万博が重なる空前の式典年に勃発した感染症パニックと、その背後で密かにうごめき始めた極秘の暗殺計画ー。SARS事件、ウイグル問題、ファーウェイ疑惑など、現代中国をめぐる事態を髣髴とさせる、インターネット時代の『一九八四年』。現在、行動の自由を厳しく制限されている反体制作家による、中国本国で未公刊の問題作、邦訳刊行!
原爆が炸裂した朝、一組の若い男女が広島の街で愛し合っている。-文化混淆の街モントリオールを舞台にした日本女性と黒人男性との同棲生活。人種、エロス、そして死を鮮烈にスケッチする、俳句的ポエジー。破天荒な話題作を続々と発表し、アカデミー・フランセーズ会員にも選ばれたハイチ出身のケベック在住作家による邦訳最新刊。
天草生まれの著者が、十数年かけた徹底した取材調査ののち完成させた、天草・島原の乱を描いた最高傑作「春の城」。取材紀行文「草の道」、多彩な執筆陣による解説、地図、年表、登場人物紹介、系図、関係図を附した完全版!
胎動期近代日本の主役の一翼を担った玄洋社は、戦後の日本史の中で、なぜ抹殺されたのか?その玄洋社は、どのようにして生まれたのか?玄洋社生みの親である女医・高場乱の壮絶な生涯を描き切る名作を、新たに解説を加え刊行!
編集者に督促され、訪れたこともない国名を掲げた新作の構想を口走った「私」のもとに、次々と引き寄せられる「日本」との関わりー国籍や文学ジャンルを越境し、しなやかでユーモアあふれる箴言に満ちた作品で読者を魅了する著者の、アイデンティティの根源を問う話題作。昨年アカデミー・フランセーズに選出され、今、世界的に注目を集める作家の最新邦訳。
1976年、夏。オリンピックに沸く北の街、カナダ・モントリオール(モンレアル)に、母国ハイチの秘密警察から逃れて到着した、23歳の黒人青年。熱帯で育まれた亡命ジャーナリストの眼に映る“新しい町”の光と闇ー芭蕉をこよなく愛するフランス語作家が、一瞬の鮮烈なイメージを俳句のように切り取って投げつける、文体の破壊力!