出版社 : 角川春樹事務所
ーこちらは朝鮮人民軍屋久島解放部隊です。現在、われわれは全島を武装制圧しています。違反を見つけた場合は警告なしに射殺しますー突如、町中に響いた宣言。部隊は上陸に際し、多くの島民を虐殺、警察署などを爆破し、あらゆる通信を遮断した。山岳救助隊員・高津夕季と山岳ガイド・狩野哲也らは生き残りを賭けて、山嶺を駆け巡る!そんな中、作戦の鍵を握る敵特殊部隊隊長にして、美貌の女兵士ハン・ユリ大佐との邂逅が、彼らの運命を変えるー。島民によるレジスタンス、海上自衛隊特別警備隊小隊長・国見俊夫の奮闘、そして占領軍総司令リ・ヨンギル将軍の目的と秘策。すべてが絡み合い、導かれる結末。奇跡を、目撃せよ!
米系大手広告代理店・オメガエージェントに勤務している矢吹蛍子は、バンクーバーに出張し、ケビン坂田という人物と会って欲しいという社命を受けた。クライアントが60億円ものフィーを支払う謎のデータサイエンティスト・ケビンは、無事来日し、高田馬場に仕事場を構えるが、担当の矢吹にも極秘プロジェクトの中味は知らされず…都知事選を目前に控えた東京。水面下ではあまりに危険な極秘プロジェクト「レッドネック」が始動していた。結末には、すべての読者が震撼する!
「宇和島藩伊達家の墓所の中にある」柴田家の墓。重臣といえるほどの名家ではない柴田家が、なぜそのような所に祀られているのか。その謎を解く鍵となる人物が、著者の四世代前の祖先、高祖父に当たる“柴田快太郎”であったー!八代藩主伊達宗城の密命を受け脱藩したという高祖父の伝説を、『下山事件』で昭和史の謎を掘り起こした柴田哲孝が、再び現代に蘇らせる!幕末の動乱を迫真の筆致と視点で描く、歴史小説の傑作、誕生。
凶賊「六道丸」に、大坂の庶民が脅かされていた文政三年ー。豪商・杣屋徳兵衛は奉行所とつるみ、御政道をねじ曲げていた。捨訴からその実態を知った若き与力・大塩平八郎は、その不正を暴くべく、放蕩息子の久代助を捕えるが…。男も惚れる快男児を、気鋭の著者が描く新たな代表作登場!
横暴な舅、病持ち・癇癪持ちの夫と姑…修羅の家で見つけたお路の幸せとは?当代一の人気作家・曲亭(滝沢)馬琴の息子に嫁いだお路。作家の深い業にふり回されながらも己の道を切り開いていく。直木賞受賞後第一作。
30年間隠されてきた幼女誘拐連続殺人。県を跨いだ、幼女を狙った卑劣な事件。縄張りに拘る無駄な県警のプライド。利権を死守したい政権による圧力。すべてを乗り越え、真相を追え。20周年を飾る、記念碑的作品、誕生。
新鋭とベテラン、ふたりの新聞記者の矜持は最悪の殺人事件の真相を暴けるか。自ら命を絶った警察署長。圧力をかけられ辞めた、元警察官僚の女性覆面作家。そして現れた、巨大なる黒幕。20周年を飾る、記念碑的作品、誕生。
「俺はね、こんな人生だったけど、しろひげ先生や中鉢さんに仕事とはいえ優しくしてもらえたことがさ、嬉しかったんだ。人間として扱ってもらえてるって感じがしてね。なんかわからないけど泣けてくるよ」「大丈夫。私の人生のなかで二宮さん、面倒くさいランキング上位ですから。とっても人間らしい、一生忘れない私の大切な友人ですよ」(第五話 「誰もずっとひとりではない」より)最期まで寄り添いたい。夜の歌舞伎町やケニアの島で、最年少の市長として、そして在宅医として、運命に流され、人の縁をつなぎ、かけがえのない人生を共に生きる物語。
高貴な出自で、妖しいほどの美貌をもつ稚児・〓と孤児で底辺から這い上がった、両刃の剣を操る少年・一若。ふたりは、堺の慈済寺で暮らしていたが、ある日、僧を殺め火を放った〓は、一若に罪を着せ共に出奔、京に向かう。暗殺、裏切り、一揆、下剋上…荒廃した乱世を、悪童たちは、己らの力で、生き抜く!能役者の一若、美しい稚児の〓。山名宗全、細川勝元、骨皮道賢…らが激突する応仁の京で、彼らは業と知恵と美貌を武器に、命を賭して戦う。血湧き肉躍る歴史エンターテインメントの金字塔。
有名広告代理店を早期退職したキョウコは、貯金を切り崩し、古いアパート「れんげ荘」で相変わらずつつましく暮らしている。元住人で、旅人だったコナツさんの新しい彼とその子どもとのことを心配したり、折合いが悪かった母親が倒れたり…と、いろいろあるものの、時にはお隣さんたちとゆっくりお茶を飲みながら、自由に穏やかに過ごしている。そんなキョウコの一番の楽しみは、心の恋人・猫のぶっちゃんと散歩途中で出会うことだ。
翌日からの雪まつりを楽しむため世界中から観光客が押し寄せ沸き立つ札幌。北海道警察本部大通署の佐伯宏一は部下の新宮とともに自動車窃盗現場に向かっていた。その頃署内では、生活安全課少年係の小島百合が釧路から家出した少女が札幌に向かっているという電話を受けた。一方、機動捜査隊の津久井卓は住宅街で起こった発砲事件の現場に向かっていた。これら複数の事件は、やがてもつれ合いながら、雪まつりを舞台に激化していくー。
強大な敵を前に、一度は勝利を掴んだはずの彼らは何を過ったのかー。しかし同時にそれは、しくじりから教訓を得た彼らの再起への道程でもあった。戦国を照らす光と闇は、現代を生きる我々にも通じる教科書だ。
「読書はどんなに孤独な行為に見えたとしても、人や世界とつながることです」神楽坂に盲導犬と住むよう子は、出版社の担当・希子と隔週の木曜日に、打ち合わせを兼ねたランチをするのが楽しみだ。一方、神楽坂で“古書Slope”を切り盛りするバツイチの本間は、五歳になる息子のふうちゃんと、週に一度会えるのが木曜日だ。書物への深い愛、物語への強い信頼、それを分かち合える大切な人。本に込められた“想い”を伝えていくー。
「夫は必ず戻ってきます」。彰義隊に入った夫が金が必要になり妻・けいを質屋に預ける。けいは夫を信じ、帰りを待っている…。エンターテインメント性を高く評価された時代小説の新しい波!第12回角川春樹小説賞受賞作。
探偵・茶畑徹朗の元にもたらされた、「前世で自分を殺した犯人を捜してほしい」という不可思議な依頼。前世など存在しないと考える茶畑と助手の毬子だったが、調査を進めるにつれ、次第に自分たちの前世が鮮明な記憶として蘇るようになる。果たして犯人の正体を暴くことはできるのか?
ある縁談に秘められた切なる祈り…浅草の油屋、利根屋の娘・お玉と、本所髄一の大店の主人との縁談が持ち上がったが、見合いの前日にお玉は置手紙を残していなくなってしまう。利根屋の命運を賭けて、身代わりとなったのは奉公人・おまい。当日、“えにし屋”を名乗る謎めいた女が現れて、おまいは美しく着飾らせてもらうが、その後もお玉の行方は一向に掴めないままだった…。縁を商いとするひとびとの物語。
明治38年8月30日。『時事新報』の号外で、それまでの戦勝の喜びが消え去り、世間に失望と怒りが広がっていった。警視庁第一部第一課・葦名警部と四人の巡査たちは、赤坂榎坂にある桂首相の妾宅の警備を担当。九月五日、「講和問題国民大会」が日比谷公園で開かれ日比谷焼打事件が勃発…。暴動が広がるなか、伯爵の孫で探偵の西小路が妾宅で死体を発見。葦名警部たちは「騒擾による死亡」として片付けようとする赤坂署に疑問を持ち捜査を始めるー。
九州北部にある人口300人の星母島。そこで育った千尋は、1年前に戻ってきて、託児所を併設した民宿を営んでいた。島には「母子岩」と呼ばれる名所があり、家族・子供・友達のこと…悩みを抱えたひとびとがそのご利益を求めて訪れる。
創業50年(おおよそ)の喫茶店「純喫茶パオーン」。トレイを持つ手がいつも小刻みに震えているのに、グラスにたっぷり、表面張力ギリギリで運ぶ「おじいちゃんの特製ミルクセーキ」と、どんなにお腹がいっぱいでも食べたくなっちゃう「おばあちゃんの魔法のナポリタン」が看板メニューだ。その店主の孫である「ぼく」が小学5年・中学1年・大学1年の頃にそれぞれ出会う不思議な事件と、人生のちょっとした真実。