出版社 : 講談社
五人兄弟の長男をとつぜん亡くした夏目家の通夜に、長男の婚約者を名乗る妊婦が現れた。親代わりに五人を育てた伯父夫婦の苦肉の策は、どんな頼まれごとでも「いいよ」と引き受ける末っ子・伊代太との無茶ぶりすぎる結婚! 圧倒的人気「猫弁」シリーズ著者真骨頂、涙と感動のラストがあなたを待つ。 まえおき 第一章 厄介な五男坊 第二章 結婚式 第三章 奇妙な嫁 第四章 苺 第五章 そのとき世界は
深刻な麦の不作に苦しむアルデシュは、背後に接するニザマに嗾けられ、今まさに一ノ谷に戦端を開こうとしていた。高い塔のマツリカは、アルデシュの穀倉を回復する奇策を見出し、戦争を回避せんとする。しかし、彼女の誤算は、雄弁に言葉を紡ぐ自身の利き腕、左手を狙った敵の罠を見過ごしていたことにあった。 第三部 一ノ谷、ニザマ 文献学講義と糸繰る者達 30 どうらんのきせつはまぢかにせまり 31 まつりかがぐりもわーるのかずかずを 32 ぎしょをめぐるぶんけんがくこうぎ 33 きりんのふざいはすうしゅうかんにおよぶ 34 しゅくさいのちまたをとおくはなれ 35 にざまへむかうしせつだんがそしきされた 36 しゅっこうのあさはみぞれまじりのゆき 37 にざまていはみずからのあしでひのおましに
手を汚さずして海峡に覇権を及ぼす、ニザマの宦官宰相ミツクビの策謀に対し、マツリカは三国和睦会議の実現に動く。列座したのは、宦官宰相の専横に甘んじてきたニザマ帝、アルデシュ、一ノ谷の代表団。和議は成るのか。そして、マツリカの左手を縛めた傀儡師の行方は?超大作完結編。第45回メフィスト賞受賞作。 第四部 ニザマ、アルデシュ 円卓会議と双子座の館の対決 38 わぼくのえんたくはにざまにしのりきゅうに 39 まつりかさまはにざまていのいしをごぞんじ 40 このがくではたしてなにがあがなえる 41 しんせつのやまみちにこっきょうをこえ 42 みとぅなのきょじょうにつくまえから 43 さいじょうかいにはあかりはなく 44 はながさけばあらし
甲斐の虎・武田信玄が毒を盛られる。武田軍の若虎・真田幸村は、昏睡状態の信玄を目覚めさせるため、 猿飛佐助とともに各武将の下へ下手人探しの旅へ。しかしその間にも関ヶ原の決戦の日が迫りつつあった……。人気沸騰のスタイリッシュ英雄(HERO)アクションゲーム・ノベルがついに文庫化!4ヶ月連続刊行第1弾!
「お金がないなら、知恵を出すのよ!」赤字ローカル線の再生を託されたのは、地元出身の新幹線カリスマ・アテンダント篠宮亜佐美、31歳。沿線住民やファンを巻きこむ企画をくり出し、体あたりで頑張る姿に社内も活気づく。しかし不穏な事件が相次いで亜佐美たちは頭をかかえることに。逆転の手はあるのか?
島部の小さな警察署から警視庁人事部ヒトイチに苦渋の電話が入る。署長に酷いパワハラを受ける部下が不憫で……榎本は調査に乗り出す 第一章 身代わり出頭 第二章 公安の裏金 第三章 告発の行方
聊異斎と捨吉に逃げられ、半四郎を我が手に引き込む画策を続ける田沼意次。浅間山噴火の報を聞き、服部半蔵を焚き付ける松平定信。聊異斎と捨吉が潜むのは噴煙が舞い山鬼の出没する浅間山麓であった。かの地で二人の命が狙われていると知った半四郎は、妖刀・鬼鍛刀を携え運命の地に急ぐ。
伊達勢大軍による味方討ちで、神保隊三百余名は全滅。伊達の権勢に遠慮した家康側は、事件を闇に葬る。真相を知り、娘婿神保長三郎の無念を思うお勝は、ひそかに一計を案じて洛中の街頭に立つー武士の悲哀を描きつづけた時代小説の名手が、大坂夏の陣を題材に豊臣・徳川の交代劇を活写した傑作歴史小説集。
「犯罪だって一般の消費者選択理論と同じ」。連続殺人事件の特捜本部に乗り込んだ行動経済学者の捜査に、誰もがあっけに取られた。被害者女性たちの自宅から足跡や血痕が発見されたのに解決の糸口すら見つからない難事件を、経済学で独自の容疑者を割り出したというのだ。まったく新しい知的警察小説の快作! 一章 経済学者とプロファイラー 二章 最大と最小 三章 双子の息子 四章 見つからないもの 五章 見つかるもの エピローグ
父親が亡くなり天涯孤独の身となったおきみは、後ろ足の先だけ白い黒猫が出る夢を見るようになる。すると夢と同じ出来事が実際に起こるのだ。残された借金返済のため根付を売りに皆塵堂へ行ったおきみだったが、たいした金額にはならず、女郎屋に売られることに。皆塵堂・主人の伊平次は一計を案じるのだが…。そしておきみが夢で見た黒い子猫は何者なのか?面白さ抜群の「人情怪談騒動記」ついに完結!!
芸人になりたい。あの舞台に立ちたい。南部芸能事務所のライブを見て決心した新城は、大学の友人、溝口とコンビを組み「メリーランド」としてデビューする。事務所のライブに出演しながら上を目指して努力を重ねるうちに、全国ネットの芸人オーディション番組への出演が決まった。毎週3組が出演し、その評価で残った者のみが再度出演できる。最後まで勝ち残れば、レギュラー番組が持てるという大きなチャンスだ。夢に向かってひたすら努力あるのみ。ただし努力をしているのは自分たちだけではない。同じ事務所の先輩トリオ、大手事務所の同い年コンビ、皆が皆、欲しいものはひとつ。とにかく上へ、その一心でもがく若手芸人たちの苦悩と前進を、鮮やかに細やかに描ききる群像ドラマ。講談社文庫も刊行開始。絶好調シリーズ第4巻。 第一話 第二話 第三話 第四話 第五話 第六話 第七話
あの夏、真賀田研究所でプログラマとして働いていた島田文子は、いくつかの職を経て、香港を拠点とする会社に籍を置いていた。人工知能に関するエキシビションの初日、島田は遠田長通という男に以前、愛知で起きた飛行機事故に関する質問をされる。トラムという動く密室で起きる殺人。その背後に感じられる陰謀。静かだった島田の生活が、その日を機に大きく動き始める。Gシリーズの転換点。後期三部作開幕!
信じるもののため、不可能を超えた日本人がいたーー。キリシタン迫害の嵐が迫る江戸初期、徒歩と海路で5万3000キロを旅して聖地エルサレムに到達、ローマ法王に認められたペトロ・岐部・カスイは、死の危険を知りながら帰国し殉教した。苛烈な信仰に生きた男の生涯が荒廃した現代を照らす、著者渾身の書下ろし長篇小説。 1614年、2代将軍徳川秀忠がキリシタン禁教令を発布した。キリシタンへの迫害、拷問、殺戮が頻発し、岐部は殉教者の記録を集める。翌年、28歳の岐部はエスパニア人修道士と共に長崎から船出、40日の航海の後にマニラ港に着く。そこで入手した地図には、双六のように、マニラを振り出しに、マカオ、マラッカ、コーチン、ゴア、ポルトガルの要塞のあるホルムズ島、さらにペルシャ砂漠、シリア砂漠、遂にはエルサレムに到達する道筋がこまかく描かれていた。岐部は自らの信仰を強くすることと、イエスの苦難を追体験することを思い、胸を躍らせた。 ペトロ岐部は1587年に豊後の国東半島で生まれ、熱心なキリシタンの父母の元で育つ。13歳の時に一家は長崎に移り、岐部はセミナリオに入学を許される。ここでラテン語を習得し、聖地エルサレムと大都ローマを訪れることを強く決意する。 次に訪れたマカオでは差別に耐えながら志を貫き、何とか旅費を工面して、ミゲルと小西という二人の日本人とともに海路、インドのゴアに向かう。ゴアからローマに向かう船に乗る二人と別れた岐部は、水夫として働きながらホルムズ島に向い、そこからは駱駝の隊商で働き砂漠を通ってエルサレムを目指す。 1619年、岐部はついに聖地エルサレムの地を踏む。そこから徒歩で、イスタンブール、ベオグラード、ザグレブを経て、ヴェネツィアに。祖国を出て5年、岐部はついにローマにたどり着いた。海路で1万4500キロ、徒歩で3万8000キロ。乞食のような身なりの岐部に施しをしようとした神父が、流暢なラテン語で話す岐部に驚き、イエズス会の宿泊所に案内される。そこで岐部は、4日間にわたる試験を受け合格、イエズス会への入会を許された。 ローマとリスボンで2年間の修練を経て、帰国の許可を得た岐部は、キリシタン弾圧の荒れ狂う日本に向けて殉教の旅路についた。 信仰に生きた男の苛酷な生涯が荒廃した現代を照らす、著者渾身の書下ろし長篇小説。
何人もの子供を育てる女たち。回転木馬のそばでは係員が静かに佇む。少女たちは日が暮れるまで緑の庭で戯れ、数字を名にもつ者たちがみずうみのほとりで暮らす。遙か遠い未来、人々は小さな集団に分かれ、密やかに暮らしていた。生きながらえるために、ある祈りを胸に秘めー。滅びゆく世界の、かすかな光を求めてー傑作長篇小説!
男と女、女と女、男と男ーそれぞれの人生がすれ違うとき、平凡な日常がドラマに変わる。一瞬のきらめきを鮮やかに射とめる、魅惑の片岡義男ワールドへようこそ。7人の作家を主人公に描く、“最高の小説”のつくりかた。
日本文藝家協会が毎年編んで読者に贈る年間傑作短編アンソロジー。2015年一年間に文芸誌などの媒体に発表された全短編の中から20篇を厳選。ベテラン作家から新鋭作家まで、多彩な書き手による注目作、意欲作を選び出し、この一冊で2015年の日本文学を一望できる珠玉の短篇名作選です。 収録作品 「鉢かづき」 青山七恵、 「秘宝館 」 いしいしんじ 「コノドント展」 絲山秋子 「病棟の窓」 大城立裕 「まるで砂糖菓子」 乙川優三郎 「おでんの卵を半分こ」 片岡義男 「globarise」 木下古栗 「なもあみだんぶーさんせうだゆう」 姜 信子 「カーディガン 」 佐藤モニカ 「ポンペイアンレッド」 高樹のぶ子 「首飾り 」 辻原 登 「牢名主」 津村記久子 「伊皿子の犬とパンと種」 長野まゆみ 「無声抄」 諏訪哲史 「うらしま」 日和聡子 「夏、訃報、純愛 」 保坂和志 「石蹴り」 松浦寿輝 「越境と逸脱」 山崎ナオコーラ 「ココナツの樹のある家」 楊 逸 「前世は兎」 吉村萬壱
クリスマスイブの夜、再び悪が目を覚ます。過去にロイミュードに操られ、犯罪を犯したものたちが次々と刑務所から脱獄。アメリカから帰国した詩島剛は、元特状課に合流し、事件解決に協力する。捜査を進めるなかで、明らかになる驚愕の真実。そして、剛が仮面ライダーマッハに変身することになったきっかけとは!? ロイミュードとの戦いを終えたのち、泊進ノ介たちと別れ、アメリカ大陸の美しい大自然の写真をとりながら、放浪していた詩島剛が日本に帰ってくる。 そんなおり、12月24日クリスマスイブの夜、再び悪が目を覚ます。 過去にロイミュードに操られ、犯罪を犯したものたちが次々と刑務所から脱獄。 剛は、元特状課のメンバーたちに合流し、事件解決に協力する。 捜査を進めるなかで、明らかになる驚愕の真実。 そして、剛が仮面ライダーマッハに変身することになったきっかけとは!? キャラクター紹介 プロローグ 【第1章】詩島剛はどこへ向かうのか 【第2章】怪物の子はなにを語るのか 【第3章】白い仮面ライダーはなぜ生まれたのか 【第4章】『私』は一体だれなのか 【第5章】マッハはどうやって音速を超えたのか エピローグ 公式『仮面ライダードライブ』全史
進化を、科学を、未来をーー人間を疑え!百匹目の猿、エスパー、オーギトミー、代替医療……人類の叡智=科学では捉えきれない「超常現象」を通して、人間は「再発見」されたーー。デビューから二作連続で直木賞候補に挙がった新進気鋭作家の、SFの枠を超えたエンターテイメント短編集。 進化を、科学を、未来をーー人間を疑え! 百匹目の猿、エスパー、オーギトミー、代替医療……人類の叡智=科学では捉えきれない「超常現象」を通して、人間は「再発見」されたーー。 デビューから二作連続で直木賞候補に挙がった新進気鋭作家の、SFの枠を超えたエンターテイメント短編集。 百匹目の火神 彼女がエスパーだったころ ムイシュキンの脳髄 水神計画 薄ければ薄いほど 佛点