出版社 : 講談社
大学入試直前、大地は校内一の才媛・藤森千里から誘われる。受験に集中したい彼女は体を重ねることを望む…。バレンタインに後輩の酒井真世に呼ばれた大地は、春休みに入院する彼女と、退院後のキスを約束する。いっぽうで、その母・真貴子の欲望も知る。誠実に生きたいー葛藤のなか大地が選ぶ道とは。
ST黒崎が沈黙を破るときーー男は、語らず、動く。 歌舞伎町の連続発火事件と中国マフィア抗争の裏 携帯のワンクリック詐欺に遭った役者志望の男が、チャイニーズマフィアの名を騙り、悪徳業者に逆襲を謀る。そのマフィアのボスは、歌舞伎町の覇権を巡り別組織と暗闘を繰り広げていた。そして歌舞伎町での連続放火事件に出動したST--絡まる謎に“沈黙の男”黒崎が動く! 「色シリーズ」、堂々のラスト。
みんなの顔が“のっぺらぼう”に見えるー。息子がそう言ったとき、僕は20年前に姿を消した兄に連絡を取った。家族みんなで暮らした懐かしいパルプ町。桜咲く“サクラバ”や六角交番、タンカス山など、あの町で起こった不思議な事件の真相を兄が語り始める。懐かしさがこみ上げるメフィスト賞受賞作。
十二の深い傷跡を全身に刻んだ女のこと。少年に悪戯され暗転した小四の夏のこと。五角形の部屋で互いの胸の奥に封じ込めていた秘密を明かしたとき、辿り着くのはー急逝を惜しまれた著者最後の作品集。まさに着手寸前だった長編『群生』のプロット200枚も収録!野沢ミステリーが目指した高みが迫る。
天皇崩御のニュースをきいて近くの御用邸に記帳に出かけた。昭和に生まれた私は、私の時代が終わってしまったような気がした。元新聞記者の私は、十歳年下の共同生活者、真子と葉山に暮らし、四季を楽しんでいる。しかし、さまざまに形をかえて潮だまりが出現するように、二人の間にわだかまりがないわけではない。戦時下に生まれ、戦後を生きる男と女を静かに描く野間文芸賞受賞作。
世界中を涙で包んだ『エターナル・サンシャイン』の天才ミシェル・ゴンドリー監督が贈る、切なくもスウィート&キュートな愛の物語。夢では幸せなのに、現実は上手くいかない冴えない主人公が繰り広げる究極の恋愛世界。
『ごめんね、ごめんね…。妻をいままで辱めなかったことを詫びたのでした』。直木賞作家による匿名の官能小説として大反響を呼んだ表題作のほか、夫のゆがんだ情欲を描いた全6編。「家族と夫婦の物語を書き続けたいから」こそ書いた、著者初の“超インモラルな”性愛小説集が今、その禁断の扉を開く。
家に取り憑いた何かを祓う依頼を受け、座木をにわか霊媒師にして現地へ向かった薬屋探偵たち。セキュリティシステムに守られた山中の大邸宅には不穏な空気が満ちており、涸れ井戸の出火を口火として一族に続々と容赦ない殺意が襲いかかる。凶行の犯人は本当に“座敷童子”なのか?心を震わす、シリーズ第6弾。
「明るく暗れている海だって始終さざ波はあるもの、それだから海はきらきらと光っている。」-手習いの師匠を営む母と年頃の娘、そのひっそりと平凡な女所帯の哀歓を、洗練された東京言葉の文体で、ユーモアをまじえて描きあげた小説集。明治の文豪幸田露伴の娘として、父の最晩年の日常を綴った文章で世に出た著者が、一旦の断筆宣言ののち、父の思い出から離れて、初めて本格的に取り組んだ記念碑的作品。
“日本最強”の堕剣士・錆白兵から叩きつけられた挑戦状。無刀の剣士・鑢七花と奇策士・とがめは、薄刀『針』を所有する錆から、その刀と、日本最強の称号を奪い取ることはできるのかー?伝説の刀鍛冶・四季崎記紀が完成させた“刀”は十二本ー残るは九本。刀語、第四話の対戦相手は、日本最強の称号をほしいままにする錆白兵。衝撃の12カ月連続刊行企画“大河ノベル”第4弾。
心に茨を持った小学五年生・供犠創貴と、“魔法の国”長崎県からやってきた転入生・水倉りすかが繰り広げる危機また危機の魔法大冒険!“最後の一人”から驚愕の誘いを受けた創貴はー!?これぞ「いま、そしてかつて少年と少女だった」きみにむけて放つ、“魔法少女”ものの超最前線、「りすかシリーズ」第三弾。
妹が首を吊った、とイカレた母親からの電話。愉快そうな侵入者は、妹の陵辱ビデオを見せたうえ、レイプ魔たちの愛娘がどこにいるか教えてくれる。僕はスタンガンを手に捕獲を開始。でも街には77人の少女を餌食にした“突き刺しジャック”も徘徊していたー。世界を容赦なく切り裂くメフィスト賞受賞作。
「青空にボールが舞い上がった時、皆がひとつのものを見上げてるってことが俺は好きなんだ」秋田、長岡、大阪、神戸、松山、天草…、野球というゲームにこめられた思いを、やわらかなボールで相手の胸元に届けるように丁寧に描き、出逢いと別れ、生と死の在りようを見つめ直した新境地とも言うべき作品集。
「ルーは死んでなんかいない」愛犬の死を信じられずに探し回る少女が見つけた、時間から取り残されたような古い喫茶店。店の老人がくれた写真には野球のユニフォーム姿の少年が写っていた。大切な相手を失い、悲しみにくれる人々に訪れた奇跡を描いた表題作をはじめ、かけがえのない時間に出逢える作品集。
永年率いた社会人野球の名門チームからの引退を、自ら育てた後輩に告げられた老監督、亡くなった夫の好きだった野球を始めた息子がベンチで試合を見つめる姿に複雑な思いを抱く若い母親、母と自分を捨てて家を出た父親との再会を躊躇う男…。誰にも訪れる切ない瞬間によぎる思いを描いた、直木賞受賞作。
中学生の獅見朋成雄はオリンピックを目指せるほどの駿足だった。だが、肩から背中にかけて鬣のような毛が生えていた成雄は世間の注目を嫌い、より人間的であることを目指して一人の書家に弟子入りをする。人里離れた山奥で連日墨を磨り続けるうちに、次第に日常を逸脱していく、成雄の青春、ライドオン。