出版社 : 講談社
安曇野・穂高で地元神楽衆の舞い手が刺殺される。遺体の耳は削がれ、「S」の血文字が残されていた。数日後、二人目の被害者が。死の間際、彼女は「黒鬼」と言い残した。鵜飼見物に石和を訪れていた桑原崇と棚旗奈々は、フリー・ジャーナリスト、小松崎に呼び出され、事件現場へ向かう。筑前博多近郊の古代海人・安曇族が移り住んだという地で起きた哀しい事件の因果を桑原崇が解き明かす。QED長編。
病気の妹を救うためには大金が必要になった小鳥遊夕人は、賞金総額2700億円のVRMMOゲーム『Abyss』の存在に挑む。上級プレーヤーのアリサに勝利し、チームに加えた夕人だったが、次から次へと現れる敵やクリアせねばならないミッションの連続で思うように攻略が進まない。そんなあるとき、夕人は偶然出会ったプレーヤーに、何かただならぬものを感じる。そのプレーヤーの正体を知るため、夕人は一つの賭けに出るのだった。モラル無用の超高額賞金ゲーム、運命の第2巻!
上級職の「ニンジャ」でありながら、「冒険者の酒場」で無為な日々を過ごすプレーヤーがいた。彼の名は「ああうあ」。実戦経験なし、レベル1。冒険者のアイテムを管理するだけにパーティーに所属している補欠メンバーだ。 「ああうあ」の正体は、現世でプログラマとして働くサラリーマンだったが、不幸な事故で命を落とし、女神の力によって、この世界に転生していたのだった。そんなある日、女神に再会した「ああうあ」は、この世界がレトロゲーム風に改造されたことを知る。女神が世界をアップデートするまでに自分のレベルを上げなければ、命が危なくなってしまう! 冒険者としての自我に目覚めたああうあは、似たような境遇で過ごすレベル1の「司教」職の「ああういあ」と共に、新たな歩みをはじめるが……。 懐かしの名作RPGを彷彿とさせる新感覚の冒険ファンタジー誕生!
孤高のミュージシャン、そして小説家。 魂の最新長編書き下ろし。 「十四歳。私は父を殺すことに決めた」 孤独と怒りを抱えた少女が、崩壊寸前の家族を捨て、 全寮制の中学校へ行くのは圧倒的なひらめきだった。 家を出て行った父と、それを受け止めた母、静かに悲しむ弟。 四人家族の輪から最初に抜けたのは、私。 それでも私は「父親」という存在にいつまでも囚われている。 許せない、苦しい、わかってほしい。 私は「特別な子ども」になりたかったーー。 「この話を書かずに、のうのうと作家人生を送れたら良かったのにーー黒木渚」 4年ぶりフルアルバム「檸檬の棘」同名小説、ついに刊行!
魔王軍を解雇された元・暗黒兵士のダリエルが、 ラクス村に辿り着き、ミスリル鉱山を魔王軍から取り戻し、 村の鍛冶場を再建させてから一年が経った。 マリーカと結婚し一児をもうけ、ラクス村の村長になったダリエル。 充実するセカンドライフを送る彼の元に、勇者パーティがやってくる。 「魔王討伐の旅に同行してください!!」 彼らの前で実力を発揮してしまい、やっぱり目をつけられるダリエル。 固辞するダリエルだが勇者レーディは粘り、村に居着いてしまう。 さらに次々訪れる元上司!大恩人!そして伝説の大英雄!! 小さな村にオールスター揃い踏みで、バタバタスローライフが急加速!!
パーティーメンバーに裏切られた、闇の勇者シオン。 一時は死を考えていたが、同じく死のうとしていた白狐ハクとの出会いにより、 一緒に旅をすることになった。 そして旧知の少女・水の勇者アリアと再会したシオンは、 彼女もメンバーに加えて旅を続けるが、 旅の途中で、国内の混乱を狙う組織と遭遇する。 そして、その組織がエルフたちを狙っていると知ったシオンたちが、 彼らを救うためにエルフの里に向かったところ、 そこで旧知のエルフ少女と再会し……!? 大人気ファンタジー、書き下ろしエピソードも掲載の第二弾!
「不死者の王女<イモータルプリンセス>」アナスタシアこと月代琴音(つきしろことね)です。新たなスキル《死霊魔法》を取得たので、スケルトンを召喚しますよ。おや、モンスターが現れましたね。「一号、やっておしまいなさい!」「カタカタカタ」 ん、スキルのレベルが上がって2体目が召喚できました。「二号、いきますよ!」 骨骨コンビの下僕「一号」「二号」を従えて次のエリアに狩りに行きましょうか。そうそう、始まりの町防衛戦での私の映像がFLFOのCMやトレーラーに使われてから、リアルのほうでも新たな動きがあるようですよ? フルダイブ型VRMMORPG「フリーライフファンタジーオンライン」──通称FLFOの世界をマイペースに楽しむリアル金髪お嬢様JK・琴音のゲームライフ、新キャラクター続々登場の第3巻!
「この世から上下を無くす」大志を抱いた天涯孤独の青年・十兵衛は、出自を偽り、武家と宮中の礼法に通じた「明智光秀」という武士として振る舞う道を選ぶ。己の夢をかなえるために。塗り固められたうそは「真実」へと変わるのか。-そこに信長の目が光る。ライトノベル界を席巻した風雲児が心機一転、挑む渾身の歴史小説!
綿柎開(わたのはなしべひらく)、水始涸(みずはじめてかるる)、朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)--。 季節を表す言葉を鍵に、物語は膨らんでゆく。 十二人の作家の想像力で、旧暦「二十四節気七十二候」が現代の物語に生まれ変わった。 六世紀ごろに大陸から伝わり、改暦を重ねながら明治の初めまで用いられてきた旧暦。そこには春夏秋冬の四季に留まらない、さらにこまやかな季節が織り込まれている。 大暑や立秋、大寒といった季節の節目を表す二十四節気と、「地始凍」「熊蟄穴」など、動植物や空模様がそのまま季節の呼び名に採り入れられている七十二候。 古来伝わる“季節の名前”が現代の作家たちを刺激し、味わい豊かな掌篇に結晶した。 ー旧暦の魅力を知る解説つきー 西村賢太「乃東枯」 重松清「鷹乃学習」 町田康「大雨時行」 筒井康隆「蒙霧升降」 長野まゆみ「綿柎開」 柴崎友香「玄鳥去」 山下澄人「水始涸」 川上弘美「蟋蟀在戸」 藤野千夜「霎時施」 松浦寿輝「地始凍」 柳 美里「朔風払葉」 堀江敏幸「熊蟄穴」 白井明大「輪のようにめぐる季節のさなかで 二十四節気七十二候について」 西村賢太「乃東枯」 重松清「鷹乃学習」 町田康「大雨時行」 筒井康隆「蒙霧升降」 長野まゆみ「綿柎開」 柴崎友香「玄鳥去」 山下澄人「水始涸」 川上弘美「蟋蟀在戸」 藤野千夜「霎時施」 松浦寿輝「地始凍」 柳 美里「朔風払葉」 堀江敏幸「熊蟄穴」 白井明大「輪のようにめぐる季節のさなかで 二十四節気七十二候について」
島本さんの小説はいつも、自分は傷ついているのだと気づかせてくれる。--藤崎彩織 深い闇の果てに光を掴もうとする女性たちの、闘いと解放。直木賞作家の真骨頂! 性とお金と嘘と愛に塗れたこの世界を、私たちは生きている。 ミスコンで無遠慮に価値をつけられる私。お金のために愛人業をする私。夫とはセックスしたくない私。本当に愛する人とは結ばれない私ーー。 秘密を抱える神父・金井のもとを訪れる四人の女性。逃げ道のない女という性を抉るように描く、島本理生の到達点。 1 夜のまっただなか 2 サテライトの女たち 3 雪ト逃ゲル 4 静寂
「久々に、派手なペテン仕掛けるぞ」詐欺師から足を洗い、口の上手さを武器に実演販売士として真っ当に生きる道を選んだ武沢竹夫。しかし謎めいた中学生・キョウが「とんでもない依頼」とともに現れたことで 彼の生活は一変する。シビアな現実に生きるキョウを目の当たりにした武沢は、ふたたびペテンの世界に戻ることを決意。そしてかつての仲間ーーまひろ、やひろ、貫太郎らと再集結し、キョウを救うために「超人気テレビ番組」を巻き込んだド派手な大仕掛けを計画するが……。
私には誰にも言えない秘密がある。私の母はー殺人を犯した。過去を消しデザイナー業と子育てを両立する律子の前に、母に金を貸したという男と、縁を切ったはずの母が現れる。築いた地位と娘との日常を壊されてしまうー恐れた彼女は自宅で母を殴り倒してしまい、さらに数日後律子は刺殺された。誰が私を殺したの?蘇りをかけた閻魔堂沙羅との推理ゲーム初の長編小説!
アリス・ワールドという仮想空間で起きた突然のシステムダウン。ヴァーチャルに依存する利用者たちは、強制ログアウト後、自殺を図ったり、躰に不調を訴えたりと、社会問題に発展する。 仮想空間を司る人工知能との対話者として選ばれたグアトは、パートナのロジと共に仮想空間へ赴く。そこで彼らを待っていたのは、熊のぬいぐるみを手にしたアリスという名の少女だった。
何度、何度、何度くり返しても 彼の死だけが変わらない 星夜の学校を襲った悲劇と、くり返す夏の日。 命がけの青春を、私達は生きている。 運命と戦う高校生達のタイムリープ×本格ミステリ ☆☆☆ 7月7日。部活仲間5人のささやかな七夕祭りを、謎の爆発が襲った。 その爆発は、部長を激しく吹き飛ばし殺害してしまう。 原因は、未来からきた少女2人。 彼女らはタイムマシンをハイジャックした挙げ句、爆発させてしまったのだ。 部長の理不尽な死をなかったことにすべく、彼らは協力して過去を書き換えようとする。 だが、時を繰り返すたび、なぜか犠牲者は増えていってしまい── 遡れるのは計7回、無限に思える選択肢。 繰り返す青春の1日は、命がけだ。
奉公先を追い出され、日傭取りの仕事で糊口をしのぐ虎太は、看板娘のお悌に惹かれ飯屋「古狸」へ。そこは怪談を聞かせると無代になるという不思議な店。怖い話は苦手なのに、お悌と無代飯に釣られて古狸に入り浸る虎太は、死神が棲むという家に行く羽目に。「不運な男」虎太はそこで何を見た?そして古狸の謎とは?
サラリーマンの夫、大学生の一人息子と暮らしている神崎穂乃果は、両親と妹が切り盛りしている山中の小さな温泉宿が実家だった。ある日、病気で倒れた父がそのまま意識不明の寝たきりとなる。穂乃果は介護を母と妹に任せっきりにするが、自宅に引き取るか施設に入れるよう病院から迫られた妹は、経管栄養を止めて父を餓死させる決断をする。妹の暴挙を止めようとする穂乃果だったが、姉妹の間には過去のある出来事に起因する深い確執があった。一方、穂乃果の義母の自宅がゴミだらけの汚部屋になっていることが分かり、彼女は夫の実家にも一言言わずにはいられない。
伊賀忍者の末裔・流英次郎とその一統は、影将軍に隠密の護衛役として仕え、幕府の危機を幾度も救ってきた。その影将軍が正統の血筋に返すため、後代家宣に将軍職を譲ることを決意する。だが、幕閣、大奥、御三家と思惑と野心が交錯し、すさまじい抗争が勃発する。闇の世界で刺客と刃を交える英次郎一統は、影将軍の治世を護るため、最後の戦いに向かう。そして英次郎を慕うものの、生き方を異にする天才女医おそでとの結末は!?
親に捨てられ、家もない孤独な少女・繁あね。病気で膿だらけの彼女に声をかけられた「私」は、ふと彼女に得も言われぬ美しさを垣間見る。生命の奥から立ちのぼる美を描き出した表題作他、凋落した武士のもとに現れ、男を立ち直らせていく女性の強さを優美に描いた「あだこ」など。女の美の真髄を匂やかに綴った七篇。