出版社 : 郁朋社
天国とよばれた療養所天国とよばれた療養所
当時不治とされた感染症ハンセン病を乗り越え、社会復帰を果たした賢三。だが病の再発で視力障害者となってしまう。それでも懸命に幼い娘を育て上げるが、長じた娘は賢三を疎むようになる。生涯沈黙を通した賢三の妻への想いは…。2024年第24回歴史浪漫文学賞最終候補作。菌陰性となってなお巷にはびこる無理解と偏見。叶わぬ夢として一度は諦めた社会復帰。しかし賢三は…。日本人が忘れてはいけない百年のものがたり。
ガレキの惑星ガレキの惑星
破壊された街並み。家族を捜して廃墟を彷徨う男達。ガレキに眠る母の墓標へヒマワリを、幼子は鉄筋(鍬)を握った。悲しみが集うとき、新たな絆が生まれる。書き下ろし全四話。死者299名、長崎大水害。濁流がアーケードを襲い、街は海と化した。土砂に埋まった娘を母は…。(RMは突然に・濁流の果て)孫との約束を果たすため、虫捕り網を手に異形の敵と戦う男。ついには最恐の化け物が。(セミ捕りおじさんのミッション・ポッシブル)二日で白骨遺体になった男。天井に潜むのは、新種のウイルスか。新旧・男女の刑事が謎を追う。(変能力者の憂うつ6 われは死出虫)
天神になった卑弥呼 邪馬台国の女王天神になった卑弥呼 邪馬台国の女王
自然の神々が躍動するアニミズムの世界にて神女“シャーマン”になるための卑弥呼の苛烈な修行と女王としての苦悩の様を描き出すスピリチュアル歴史ロマン小説。
闡提たちの廃仏毀釈 -松本白華と富山藩合寺事件ー闡提たちの廃仏毀釈 -松本白華と富山藩合寺事件ー
第23回歴史浪漫文学賞優秀賞。闡提とは、仏の教えを信じず、成仏する因縁をもたない者をいう。明治政府によって発布された「神仏分離令」を歪曲し富国強兵への道を邁進するために激しい仏教弾圧が行なわれたその悲劇を描き出す。