出版社 : 郁朋社
京人は四季折々、鴨川に遊んだ。 それは深い情愛と冷酷さを併せ持った気まぐれな美女(鴨川)とその美女に魅せられた男(京人)に似た間柄と言えるかもしれない。そう言えるのは鴨川が『神宿る川』『祓の川』『流葬の川』『物流の川』『暴れ川』であり、『下層民の終着地』『戦場』『処刑場』『民衆芸能発祥地』『行楽地』等々であるからだ。 平安時代から江戸時代まで、時の権力者と鴨河原人の関係を描きだした短編連作集。
第24回 歴史浪漫文学賞特別賞 氏政の意地と秀吉の深謀 関東制覇目前の北条氏の前に 天下統一を目指す秀吉が立ちはだかる 果たして戦は避けられなかったのか
カーラーは常に高潔であるべし 昭和12年秋、一人の女学生がカーリングと出会った。 平凡な青春は色づき、仲間たちと遥かなる高みを目指す日々が始まる。 彼女たちの成長していく様を詩情豊かに描き出す。
信長と一向一揆で戦った本願寺は十二代教如の世に分派する それは「門主妻女」がゆえだ 関白秀吉が教如に掌を返し母如春尼も教如を見限った 「妻女」とは 歴史の地下水脈を史料で穿つ
戦国・幕末の激動の時代に大きな影響を与えた一族とは?浅井久政の庶子として生まれた安休房西周、石山本願寺にて顕如に仕え、その娘武佐は水戸徳川家にて大きな役割を果たすこととなる。
2024年第24回 歴史浪漫文学賞 最終候補作 菌陰性となってなお巷にはびこる無理解と偏見。 叶わぬ夢として一度は諦めた社会復帰。 しかし賢三は……。 日本人が忘れてはいけない百年のものがたり。
「天網恢恢疎ニシテ漏ラサズ」 「骨髄ニ徹シ切歯憤怒ニ堪ヘズ必ズ復讐スベキ」 明治13年12月17日、秋月武士の面目を保つべく、 両親の敵を討つまでの艱難辛苦の生涯を描く。
京を目指す水戸天狗党千人の大軍勢を 相手に、二百の兵で戦いを挑む高崎藩。 少年藩士本木祭之助らの壮絶な戦いと 散りゆく武士道の真髄を描き出す。
新風和歌『玉葉和歌集』誕生 持明院統と大覚寺統の争いと伍して和歌の世界でも 京極家と二条家の争いが熾烈を極める。 時代のうねりに翻弄される人々の悲喜こもごもを 永福門院内侍は見ていた。
第24回 歴史浪漫文学賞優秀賞 悲劇の中宮・定子に捧げる夢のお話 枕草子には恨みの言葉ひとつ無く、この謎に投じた 奇譚の波紋。呪いや厄病、闇に蠢く武力に広がって、 髭切の太刀が薙ぎ払う。