出版社 : 集英社インターナショナル
鷲田清一氏、伊藤比呂美氏ら大絶賛! ──1950年生まれの「期待の新人作家」現れる! 経営学から詩の講義まで、マルチな才能で知られる著者の自伝。 1950年、大田区の金属加工業の家に生まれた著者が下町のさまざまな人間関係の中で成長していく姿を小説風に描く『平川版「三丁目の夕日」』。話のメインは70年代〜80年代だが、そこから一転して2010年代へとジャンプして、旧友たちがふたたび集まって冒険をしていくという点ではスティーブン・キング『スタンド・バイ・ミー』を彷彿とさせる。誰もが経験した甘美な子ども時代を追体験させてくれる傑作である。 【目次】 1960--東京の南 1960--負け犬たち 1960--反発と友情 1970--描かない絵描き 2010--帰還と再会 2022--偶然の旅行者 2022--結末 【著者略歴】 1950年、東京・蒲田生まれ。1975年に早稲田大学理工学部を卒業。77年、渋谷区道玄坂にアーバン・トランスレーションを内田樹とともに設立。01年、(株)リナックスカフェを設立。株式会社ラジオカフェ代表取締役。11年4月、立教大学特任教授。14年3月、「隣町珈琲」店主。16年4月、立教大学客員教授、早稲田大学講師。著書多数。
動物の生態に哲学のひとさじ。 映画化された世界的ベストセラー『あん』のドリアン助川、構想50年の渾身作! 動物の叫びが心を揺さぶり、涙が止まらない21の物語。 哲学の入門書よりやさしく、感動的なストーリー。 どんぐりの落下と発芽から「ここに在る」ことを問うリスの青年。 衰弱した弟との「間柄」から、ニワトリを襲うキツネのお姉さん。 洞窟から光の世界へ飛び出し、「存在の本質」を探すコウモリの男子。 土を掘ってミミズを食べる毎日で、「限界状況」に陥ったモグラのおじさん。 日本や南米の生き物が見た「世界」とは? ベストセラー『あん』の作家が描いたのは、動物の生態に哲学のひとさじを加えた物語21篇。 その中で動物のつぶやき、ため息、嘆き、叫びに出遭ったとき、私たち人間の心は揺れ動き、涙があふれ、明日を「生きる」意味や理由が見えてくる! ●私たちの心に突き刺さる動物たちのつぶやき サル「ボスになんかなるものじゃない。なんでこんなに苦しいんだ」 アリクイ「心は進化しないのですか?」 ナマケモノ「彼女と僕は同じ世界を見ているのだろうか」 ジャガー「私たちを苦しめるのは、思い出だよ」 バク「ママ、なんで僕のここはこんなに大きくなるの?」 ペンギン「天よ、いったいどうして、僕らにこんな苦しみを与えるのですか?」 ●巻頭スペシャル口絵 多和田葉子の小説の装画・挿画で知られる溝上幾久子による、動物たちの銅版画作品をカラー掲載。 【目次】 第1話 クマ少年と眼差し 第2話 キツネのお姉さん 第3話 確かなリスの不確かさ 第4話 ボスも木から落ちる 第5話 一本角の選択 第6話 コウモリの倒置君 第7話 クジラのお母さん 第8話 モグラの限界状況 第9話 ウリ坊の恥 第10話 絶滅危惧種 第11話 スローな微笑み 第12話 最後の思い出 第13話 バクの茫漠たる夢 第14話 転がる小さな禅僧 第15話 ペロリン君の進化 第16話 おじさんにできること 第17話 ピクーニャとコンドル 第18話 イグアナ会議 第19話 ゾウガメの時間 第20話 飛べない理由 第21話 対話する鳥(あとがきに代えて) 【著者略歴】 ドリアン助川(どりあん・すけがわ) 作家、歌手。明治学院大学国際学部教授。1962年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部哲学科を卒業後、1990年にバンド「叫ぶ詩人の会」を結成。解散後、執筆活動を開始。2013年出版の小説『あん』(ポプラ社)は映画化に加え、22言語に翻訳され、フランスの「DOMITYS文学賞」「読者による文庫本大賞」の二冠に。『線量計と奥の細道』(集英社、日本エッセイスト・クラブ賞受賞)、『新宿の猫』(ポプラ社)、『水辺のブッダ』(小学館)など著書多数。
2020年度、連続テレビ小説『エール』で、主人公のモデルとなった国民的作曲家、古関裕而と妻・金子(きんこ)。 ふたりは文通のみで恋愛し、ひとたび会った時には、たちまち結婚に至るという、希有な純愛で結ばれた。 当初は、オペラ歌手を目指していた金子の、裕而へのさりげないファンレターで始まった文通は、やがて熱烈なラブレターへと変わっていく。 手紙による恋愛、結婚という純愛物語は、現代ではもはやおとぎ話。ふたりの愛の往復書簡は、逆に新鮮に心に響くに違いない。 なおこの作品は、長男である正裕氏が、父と母が残したラブレターを整理し、丹念に読み解き、10年の月日をかけて、ふたりの熱情と名曲誕生秘話を綴った、珠玉の恋愛小説。身内によって書かれた唯一無二の物語である。 [目次] プロローグ 第一楽章 アダージョ カプリッチオーソ ゆったりと きままに 第二楽章 アンダンテ カンタービレ ゆっくりと 歌うように 第三章 アレグロ ドルチェ 速く 甘く 第四章 プレスト アパッショナート とても速く 情熱的に エピローグ 付録(16P) 写真で綴る古関裕而・金子略年表 『エール』をより楽しむために。 【プロフィール】 古関裕而(こせきゆうじ) 誰もが一度は口ずさんだ名曲の数々を作曲 1909年生まれ。昭和を代表する日本の国民的作曲家。その80年の生涯で残した楽曲は、5000曲。 代表曲は、伝説の『東京オリンピック・マーチ』、今でも毎夏演奏される、全国高等学校野球大会の歌『栄冠は君に輝く』、大阪タイガースの歌『六甲おろし』、巨人軍の歌『闘魂こめて』、『高原列車は行く』『君の名は』『長崎の鐘』『鐘の鳴る丘』『モスラの歌』等、みんなで合唱できる歌も多数。 古関正裕(こせきまさひろ) 1946年、古関裕而・金子夫妻の長男として東京都に生まれる。成城学園初等科入学後、ピアノを習い始める。高校在学中にはバンド活動に熱中。 1965年、早稲田大学理工学部に入学。70年日本経済新聞社に入社。98年早期退職後、ピアノを再び習い音楽活動を再開。 2013年より父、古関裕而の楽曲の演奏を中心としたライブ・ユニット「喜多三」(きたさん)を結成しライブ活動継続中。 2009年古関裕而生誕百年記念CD全集の企画・監修で、日本レコード大賞企画賞受賞。著書に『緋色のラプソディー』がある。
20世紀初頭の華やかなりしパリで人気随一の芸人となった元奴隷の黒人がいた。だが、芸は認められたが「人間」とは認められず、歴史から消え去った…。日本で公開の仏映画『ショコラ』の原作!
小泉八雲は「元祖バックパッカー」だった。ニューヨークから松江までの旅でその人生を一変させた男がいた。文無しジャーナリスト、ラフカディオ・ハーンは、一八九〇年、ニューヨークから鉄道で大陸を横断し、横浜へと向かった。松江で「へるん先生」となった男は、熊本、神戸、そして東京へと生涯旅を重ねた。