小説むすび | 出版社 : 青志社

出版社 : 青志社

西部警察西部警察

新装ノベライズ第1弾 ファン待望のノベライズ版発売! テレビの枠を蹴破り空前のスケールで日本中を席巻した伝説のコンクリートウェスタン! カバー・本文掲載写真29点! 解説「もう一つの『西部警察』物語」脚本家 柏原寛司 (略)  この本に記載されている作品は『西部警察』初期の作品である。  この頃はヒットしたテレビ映画のノベライズ版が流行っていて、結構売れていたようだった。『西部警察』もオンエア開始から高視聴率で人気を博していたので、我々も当然、ノベライズ版が出ると思っていた。  作品に関しては多分、石野プロデューサーとテレビ朝日さんとで決めたと思うが、我々永原軍団のライターたちに配慮したセレクトになっている。  『無防備都市』が永原さん、『白昼の誘拐』が柏原、『横浜銃撃戦』が峯尾さん、『暴走刑事を撃て』が永原さん、宮下潤一さん。『マシンガン狂騒曲』が浅井さん、『ビッグ・バッド・ママ』が大野さん、そして、『ホットマネー攻防戦』が新井さんである。つまり、ブローバック・プロのライターたちの作品を一作ずつ、うまく按配して選んでいるのだ。  ここで新たに登場した宮下潤一さんだが、彼はブローバック初期から永原さんのアシスタントとして参加してくれていて、この『暴走刑事を撃て』が脚本家ビデュー作である。このあと疲れきった我々をカバーすべく、『西部警察』を支えてくれた優秀な脚本家である。いまは名前を宮下隼一に変えて活躍している。  まあ、我々からしてみればノベライズ版を出版してくれることは大変嬉しいことなのである。  脚本自体は一般の方の目にとまることはあまりないし、また脚本は小説とは違う独特な書き方をしているので、読み馴れない方が読むのは苦労すると思う。なので、ノベライズしてもらえれば、一般の人たちにも読みやすく、『西部警察』をより楽しんでもらえると思っている。  最後になるが、「永原軍団」のなかで、永原秀一氏、浅井達也氏、新井光氏がすでに鬼籍に入られている。  永原さんたちも、きっとこの本の出版を喜んでいるに違いない。

枳殻家の末娘枳殻家の末娘

出版社

青志社

発売日

2022年1月20日 発売

発見された未刊小説。 ポルノ小説?これは発酵した性愛、身を焦がす純愛小説だ 故山口瞳さんが褒めた官能文芸作品を単行本化! 編集部より 人気絶頂のロックシンガー小諸初の死からしばらくして、フリーライターの小暮京一郎に仕事の依頼が舞い込んだ。小諸初の最後の恋人キリコが告白する小諸初とのセックスだけに特化した手記を三日間の取材で作ってほしいというものだった。取材を重ねていくうちに29歳の京一郎は神秘的な美しさを秘めた18歳のキリコの不思議な肉体の魅力に引き込まれていき、ついに一線を越えて耽溺の世界に沈む。若さや美しさに隠れて、彼女にはとんでもない近親憎悪の性の秘密があった。 芥川賞作家がはじめて挑んだ激愛エンターテイメント官能小説。作家の山口瞳氏賞賛、西村賢太氏絶賛!! 高橋三千綱 故山口瞳さんにほめられた。 お礼状を出したら折り返し山口瞳さんから葉書が届いた。 〈お手紙拝見。小説(注・『カラタチ家の末娘』・未刊行)は、やはり違うなあと思って愛読しました。「ポルノを書いてはいけないなんてことはない」この点では珍しく五木寛之さんと意見が一致します。貴方の書くものは力感に溢れ、すがすがしい感じもあると常に思っています。(略)〉 『枳殻家の末娘』に寄せて より 小説家 西村賢太  本作を「サンケイスポーツ」紙に連載時の氏は、四十五歳。円熟の壮年であり、また小説家としてもデビュー二十周年を間近に控えた、まさに脂の乗りきった時期である。  それかあらぬか、後年の病を得てからの繊細で巧緻な短篇群に比し、ともすれば溢れる気力と体力とで良くも悪くも文章を押しきっている部分も見受けられるが、けれど文句なしに面白いエンターテインメントである。  かような佳品が没後に再び陽の目を見ること自体を、一読者として大いに喜びたい。  氏は、その死の間際まで書き続けた。  悪化した肝硬変と糖尿病以外にも、他者が安直に挙げ述べるのは気が引ける程の種々の疾病をかかえながら、それでも飲んで、そして書き続けていた。  満身創痍で、尚も書くーー言うは易いが、こんなのはなかなか実践できることではない。実際に、健康時には古武士よろしくそうした大言壮語を述べつつ、イザ病に倒れて余命宣告を受けたら途端にガックリし、再びペンをとる気力も失いそれっきりとなった書き手を何人か知っている。  だが、三千綱氏は違った。  本当の満身創痍で、本当に最後の最後まで書き続けた。それでいて自身にも病にも気負うことなく、標榜する“楽天家”の流儀を徹底的に貫いた。  稀有の晩年を闘い抜いた、真物(ほんもの)の小説家であったと思う。

安藤昇と花形敬 安藤組外伝安藤昇と花形敬 安藤組外伝

出版社

青志社

発売日

2021年10月18日 発売

安藤組外伝 THE SHIBUYA WAR 圧倒的ノンフィクションノベル 書き下ろし作品 戦後の渋谷の街を命を賭し、剛力を持って疾走した二人の男の「血を暴力」 ふたりはヤクザになろうと思って生まれてきたわけではない。 ヤクザになりたいと思ったわけでもない。 祖国のために、一命を捧げる覚悟の若者が時代に翻弄され、人生に懐疑し、変節に激しく抵抗し、気がついたらヤクザになっていた。 安藤は花形の凶暴性のなかに葛藤と純粋性を見抜き、花形は安藤に殉じることで男気を貫いた。 解散後の安藤さんについては、よくしられているとおりだ。ひょんなことから映画俳優に転じ、五十本以上の映画に主演して一時代を画す。俳優を引退して以後は映画プロデューサーとして、あるいは文筆家として多くの作品をのこし、二〇一五年十二月十六日、八十九歳で波乱の人生を閉じた。 私は自身の執筆活動のほか、安藤さんと立ち上げた安藤昇事務所(九門社)の“秘書役”として二十数年をいっしょに過ごし、安藤さんの著作や映画制作、ビジネスコーディネートなどに携わってきた。そんなことから花形敬については、安藤さんの口から、あるいは事務所に遊びにみえる元安藤組組員の方々から断片的に耳にしていた。(略) すでに鬼籍に入った古参組員が、こんなことを言った。 「安藤は花形がいなくても安藤だが、花形は安藤がいてこその花形だ」 花形が安藤組でなく別の組にいたなら、ただの粗暴なヤクザではなかったか。戦後史に語り継がれる安藤組の大幹部であり、安藤の留守に劣勢となった組を背負い、殺傷され、そして「伝説」として昇華した。 前々から、ふたりの半生を同時進行形にして「安藤と花形」を書いてみたかったが、このたび安藤さんの七回忌を期に、鎮魂の意味をこめ、小説の形でペンをとった。 後書きより 第一章 花の雨 対極の人生 少年院 名門中学 「昇へ」母の手紙 花形敬、青春の発露 予科練 日本がヤバイ 特攻命令 第二章 遠雷 弱肉強食 無法の時代 渋谷のステゴロ 男を売る ヤクザ戦国時代 安藤グループの跳躍 自分の眼力を信じる 「殺せ! 耳も鼻も落とせ! 」 渋谷の厄ネタ 第三章 風花 朝鮮特需 覚悟を磨く 「俺は、あの人に呑まれている」 潮目の時 これがヤクザの力だ 人斬りジムとの死闘 第四章 時雨 人生の不条理 拉致 男は命乞いしてまで生きてはいけない 怯える力道山 下剋上 蟻が巨象に挑む 花形が心を許す男 三船敏郎と酒 花形敬、撃たれる 第五章 疾雷 孤高と孤独 「安藤を怒らせたらヤバイよ横井さん」 弾く! 安藤ブランドの沽券 渋谷から安藤が消えた 第六章 花の雲 喰うか、喰われるか 前橋刑務所 迷走 安藤組VS東声会 花形敬、時代の終わり 「敬は信念に殉じたのでは」 “赤い汗”を弔う 時は止まらず 後書き

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP