出版社 : KADOKAWA
雪山で死んだフィアンセ・樹の三回忌に博子は、彼が中学時代に住んでいた小樽に手紙を出す。天国の彼から? 今は国道になっているはずのその住所から返事がきたことから、奇妙な文通がはじまった。
大学を出たばかりの新任教師・小谷芙美先生が受け持ったのは、学校では一言も口をきかない1年生・鉄三。 決して心を開かない鉄三に打ちのめされる小谷先生だったが、鉄三の祖父・バクじいさんや同僚の「教員ヤクザ」足立先生、そして子どもたちとのふれ合いの中で、苦しみながらも鉄三と向き合おうと決意する。 すべての人の魂に、生涯消えない圧倒的な感動を刻みつける、灰谷健次郎の代表作。 ※カバーの絵柄は(株)かまわぬのてぬぐい柄を使用しています プロローグ 1 ネズミとヨット 2 教員ヤクザ足立先生 3 鉄三のひみつ 4 悪い日 5 鳩と海 6 ハエの踊り 7 こじきごっこ 8 わるいやつ 9 カラスの貯金 10 バクじいさん 11 くらげっ子 12 くもりのち晴れ 13 みなこ当番 14 泣くな小谷先生 15 さよならだけが人生だ 16 ハエ博士の研究 17 赤いヒヨコ 18 おさなきゲリラたち 19 不幸な決定 20 せっしゃのオッサン 21 ぼくは心がずんとした 22 波紋 23 鉄三はわるくない 24 つらい時間 25 裏切り 26 流れ星 エピローグ 受難者たちへのエールーー名作『兎の眼』の座標 小宮山量平
犬のろくべえが穴に落ちてしまった。なんとかしてろくべえを助けなきゃ!一年生の子どもたちがみんなで考え出した「めいあん」とは?表題策「ろくべえ まってろよ」の他、天真爛漫な男の子・マコチンの生活を描いた「マコチン」、何でも同じになってしまうのが悩みのふたごの女の子の物語「ふたりはふたり」など、八編の童話を収録。子どもたちのみずみずしい感性がきらめく一冊。
年少組なのに年長組の子を泣かせたり、突拍子もないいたずらを考えついたりと、いつも保育園の先生を手こずらせてばかりの倫太郎。大人たちからはとんでもない悪ガキだと思われることが多いが、実は鋭い感受性とさりげないやさしさをあわせもった個性的な子だ。倫太郎はどのように成長していくのか、そして周りの大人たちは倫太郎をどう見守っていくのか。灰谷文学の集大成、感動の大河小説の開幕。
仙台で個展を開いていた創作折り紙の第一人者・華村研は、何者かが江戸期の手法で見事に折り上げた“紙の蜻蛉”を会場で見つける。その夜、弟子の女性が殺され、現場にはまたも紙の蜻蛉が落ちていた。華村を凌駕するほどの技の持ち主は誰か。彼が探し当てたのは、八歳の無邪気な少女・怜だった。しかも怜の身体には、江戸の天才人形師・泉目吉が甦っていたー。あらゆる仕掛け物から、はては人情の裏側にまで通じた比類なき名キャラクター、目吉先生が鮮やかに謎を解き明かす四つの事件。「紙の蜻蛉」「お化け蝋燭」「鬼火」「だまし絵」を収録。
大手都銀・協立銀行の竹中治夫は、本店総務部へ異動になった。総会屋対策の担当だった。組織の論理の前に、心ならずも不正融資に手を貸す竹中。相次ぐ金融不祥事に、銀行の暗部にメスを入れた長編経済小説。
大手都銀・協立銀行の竹中治夫は、本店総務部へ異動になった。総会屋対策の担当だった。組織の論理の前に、心ならずも不正融資に手を貸す竹中。相次ぐ金融不祥事に、銀行の暗部にメスを入れた長編経済小説。
結婚して子どももいるはずだった。皆と同じように生きてきたつもりだった、なのにどこで歯車が狂ったのか。賢くもなく善良でもない、心に問題を抱えた寂しがりたちが、懸命に生きるさまを綴った短篇集。
幼い息子を海で亡くした監察医の安藤は、謎の死を遂げた友人・高山の解剖を担当し、冠動脈から正体不明の肉腫を発見した。遺体からはみ出した新聞に書かれた数字は「リング」という言葉を暗示していた。
未完成の生物兵器が過激派環境保護団体に奪取され、その一部がドラッグとして日本の若者に渡ってしまった。フリーの軍事顧問・牧原は、秘密裏に事態を収拾するべく当局に依頼され、調査を開始する。
姓は〈覆面〉、名は〈作家〉。弱冠19歳、天国的美貌の新人推理作家・新妻千秋は大富豪令嬢。若手編集者・岡部を混乱させながら鮮やかに解き明かされる日常世界の謎。お嬢様名探偵、シリーズ第一巻。
愛知県犬山市の明治村で、大京物産課長・高桑雅文の死体が発見された。バッグの中には血染めの回数券が入っており、しかも被害者の血液型とは違っていた。事件発生時、美濃で和紙の取材をしていた浅見光彦は高桑の顔に記憶があった。数日前、「狂言強盗か」と報道された宝石商失踪事件の画面に彼の姿が映しだされていたのだ。ふたつの事件に一体どんな関係が?浅見は殺人現場に赴くのだが…。長編旅情ミステリー。
亜由美がアルバイト先で知り合った十六歳の女子高生・君江が、三十六歳のサラリーマン・三沢と結婚することになった。式の日取りも決まったが、君江の叔父・戸部がこの結婚に大反対。ところが、仲人をつとめる殿永が刑事だと知った途端、戸部は手のひらをかえしたようにふたりの結婚を祝福する。戸部には何か、よほど警察に知られたくない「秘密」があるらしい…?年齢差二十歳のカップルの行く手をさえぎる数々の障害。それを乗り越え、ふたりは無事ゴールインできるのか。
新宿で10年間任された酒場を畳む夜、郷田克彦は血染めのシャツを着た少女を店内に匿った。怯えながらメイリンと名のる少女は、監禁場所から脱けだす際、地回りの組長戸井田を撃ち、組織に追われていた。さらに克彦は日本に流れつくまでの難民生活、日本での過酷な労働を凌いできたメイリンの境遇に衝撃を受ける。欲望を孕んだ週末の新宿に蠢く暴力団の凶手。警察の執拗な捜査。この娘を救わなければならない。メイリンの姿が、この街に逃れてきた自分の姿と交叉した時、克彦は刻々と迫る二重包囲網の突破をはかった。
男性優位な警察組織の中で、女であることを主張し放埒に生きる刑事村上緑子。彼女のチームが押収した裏ビデオには、男が男に犯され殺されていく残虐なレイプが録画されていた。第15回横溝正史賞受賞作。