出版社 : PHP研究所
「美しさ」は、これほどまでに人を狂わすのか。 たかむら画廊の青年専務・篁(たかむら)一輝と結婚した有吉美術館の副館長・菜穂は、出産を控えて東京を離れ、京都に長逗留していた。妊婦としての生活に鬱々(うつうつ)とする菜穂だったが、気分転換に出かけた老舗画廊で、一枚の絵に心を奪われる。強い磁力を放つその絵の作者は、まだ無名の若き女性画家だったのだが……。彼女の才能と「美」に翻弄される人々の隆盛と凋落を艶やかに描く、著者新境地の衝撃作。 解説:大森望
京都府警の元刑事、実相浩二郎による「思い出探偵社」では、わずかな手がかりから依頼人の思い出の人や物を見つけ出す。今回の依頼は、二十八年間、内縁の妻として暮らしていながら、それまでの人生を一切語らないまま認知症状が出てきた女性の過去を探ること。ノートに書き留められた詩を手がかりに、岡山、倉敷、今治、名古屋、大阪と奔走する探偵たちは、徐々に悲しき真実に近づいていく。文庫書き下ろし。
初添乗に臨む新人バスガイドの美織。しかしアナウンスは拙く、失敗してばかり。そんな彼女を見かねて、助け船を出したのは、一人の女性客で…(「東京のバスガール」)、国際結婚した若い妻の不機嫌に右往左往する夫(「嫁に来ないか」)、共同経営者と訣別した女性の携帯に届いた音楽に込められたメッセージとは?(「なごり雪」)など、一台のバスに乗り合わせた人々の人生模様を、昭和の名曲とともに綴る傑作短篇集。
幼馴染の史郎を一方的に恋慕い、結婚を夢見る咲希は、ひょんなことから結婚式の代理出席者である「サクラ」のバイトをすることに。サクラを頼むだけあって、出席する結婚式はどこか不穏なものばかり。そんな中、花嫁の幽霊が出るという“いわくつき”の老舗ブライダル会館で問題が頻発することに気づいた咲希は、史郎とともに謎に巻き込まれていく。恋とオカルトが錯綜する、エンターテインメント小説。
2010年『悪ノ娘 黄のクロアテュール』の発刊以来7年間続いた悪ノ娘・悪ノ大罪シリーズがついに完結! 悪とは一体何なのか?
殺人事件の濡れ衣を着せられた警部・高頭冴子。自分の無実を証明できる目撃者の少年を連れて逃げ続ける彼女に、逆転の目はあるのか!?どんでん返しの帝王が贈る、息をもつかせぬノンストップ・ミステリー。