1986年8月9日発売
神の汚れた手(上)神の汚れた手(上)
「中絶手術は、戦後最大の産業であり、今日の繁栄は、ひとえに産婦人科医のおかげ」という説も生まれる中絶天国・日本。その数は三千五百万、大韓民国一国分くらいの人口を抹殺したことになる…中絶は果して悪か?湘南の小さな産婦人科医院を舞台に展開されるさまざまなドラマを通して真の生命の尊厳を訴える衝撃の問題作。
父が消えた父が消えた
表題作は、父の遺骨を納めるべく売り出された墓地を見に行く青年の奇妙な一日をポップ・アート風に描いて注目を浴びた第84回芥川賞受賞作。他にカメラ狂のフェティシズムを考察する「星に触わる」、晴れた日に雨樋を買うことこそラディカルだと思う男を描く「自宅の蠢き」など、初期の秀作五篇を収録した純文学短篇集。
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