1988年11月16日発売
「私」は40半ばすぎの中年私立探偵。自室で酒を呑みながらテレビを見て過ごす元新聞記者だ。別れた妻や、元女優で今は銀座のバーのママの美女なんかが独身の部屋を訪ねてくる。そんなある日、さる高名な画家の筆になる秘画が盗まれるという事件が持ち込まれた。春画に描かれた13人の美女を追う「私」と、次々訪れてくる不思議な女たち。秘画の行方を追う官能バイオレンスロマンの長篇。
納屋浩ー城南大学2年。酒に強く真赤なM・Gを乗り回すニヒリストで度胸抜群。松村俊夫ー浩の親友。大牧場主の息子で勉強以外なら天才的ヒラメキがある。綾小路和正ー伯爵家の4代目。殿様と仇名される程応揚な性格。女性にめがない。野間健太郎ー浩たちを教える城南大の俊才。型破りの性格でリーダー格。ほかに毒子こと悳子、新子を加えた面々は、財界の重鎮佐倉一郎のメモをめぐって奇怪な事件に巻き込まれたー。痛快な青春冒険小説。
城南大学2年の納屋浩は、ふとしたことから、大金持の娘の誘拐事件に巻き込まれてしまう。親友の綾小路和正、松村俊夫たちと、軟禁されているその娘を助けたがー。その後、娘の父・加納豪太郎が何者かに殺される。加納は戦中から悪辣な事業をやっており、麻薬密輸にも関わっていたようだった。個性豊かな若い男女が、事件解決に乗り出す、痛快青春小説。
1年以上もセックスを拒んだまま、妻は死んだ。妻の面影を追い続ける男は、たまらない孤独をふり払うために旅立った。そして、カプリ、夢に見た、妻そっくりの黒マントの女に出会った。妻との初めてのセックスを思い描きながら、男はその夜、女を待った…。現代最高の作家モラヴィアが描く究極の性の深淵。世界をスキャンダラスな話題に巻き込んだ期待の短篇集。
たった一枚の貼り紙が、死人をよみがえらせ、この小さな町オーカラに奇怪な事件を引き起こすことになった。「シー・バックルズは生きている」-おれの家の玄関に貼りつけられていた一行の文字はいったい何を意味しているのだろうか。おれは、ガース・ライランド。私立探偵じゃないが、この事件にクビを突っこむことになってしまった。